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NPO運営で補助金を使おうかなと考える前に読むと良い話

大学生からNPOを経営して15年のゲンヨウです。

先日、初めて補助金を使うことになったNPO向けの文章を書きました。facebookでもシェアしたのですが、真っ先にこんなコメントが入りました。

ズバリです。えぇ、そうなんです。補助金はあくまでも補助なので実はこの辺の組立と言うか、準備体操が重要になってきます。その辺について書きます。

1.目的を確認しよう
2.他に代替手段は無いか考えよう
3.タイミングは今なのかを考えよう

1.目的を確認しよう
補助金はあくまでも補助なのですが税金なので、支給してくれる行政組織としても狙いがあります。「行政(市町村・県・国)として○○な△△を増やしたい!」とか「○○に効果のありそうな先進的な▼▼な事業に補助します」みたいな感じです。

その辺は募集要項という文書があるので、そこを読み解く必要があります。また自分たちとしても、補助金をもらってまでやりたいことなのか、補助金をもらうことで得られるものが、本来の事業とちゃんと連動するか?という目的の部分を問いかけてください。

意外と、要項の狙いに合わせて書いてしまう(通りやすくなるように書いてしまう)と、本質からずれる場合もあります。また、使用用途(自分たちが使いたいと思っている使い方)と、使用できる範囲がずれていることもありますので、そこも確認してください。

よくある勘違いが、行政はハード予算(例:設備投資)の部分に予算をつけているが、NPO的にはソフト予算(人件費)を求めていたとかです。ソフトを回す予算や目途が無いまま、ハードの補助を取ってしまうと大変です。

2.他に代替手段が無いか考えよう
今は、お金を準備する手段は増えてきています。寄付だったり、クラウドファンディングだったり、中心メンバーで出し合っても良いし、みんなで一斉にアルバイトしたお金を集めても良いかと。

大きな金額でも、金融機関からの融資もNPOでも受けやすくなっています(保証協会の保証がつけられるようになりました)。金融機関で借りて、返していくのも手です。弊社もいくらか融資を受けています。
中小企業庁の該当ページ”信用保証制度がNPOにも使えるように”

補助金は税金なので、いろいろ書類とか資料とか手続きが多いです。そこまでのコストをかけるのかというのは、冷静に選んだ方が良いです。

これ書くと怒られるのですが、補助金のチェックの時には担当者の当たりハズレがあります。前の事業では同じ費目でOKだったのに、担当が変わったらNGになったとかしょっちゅうです。

少なくとも資料をたくさん要求する担当者とそうでない担当者はいます。なので、気分を前向きにやっていくには補助金が良いかは判断が分かれます。

弊社に関していうと、少額の補助事業に関しては、無理して取らないというスタンスです。理由は2つ。

1つは作業が面倒ならやらない。もう1つは枠が少ないなら、後進の団体のための枠と考えているので自前予算でやる。

ちなみに、学生チーム(各プロジェクト)は独立採算性でやっているので、補助金申請したりしているようですが、ここは自由にさせてます(細かく知らない)。

「後進のため」というのは、カッコいい響きですが、僕が組織を立ち上げた時(2002年)はあまり競合他社が無く、少しずつ育ててもらったという感じがあります。同じように、生まれてきた組織の成長の機会を奪うのは良くないと考えています。そのくらいの規模なら、稼いでやろうぜと言ってます。

3.タイミングは今なのか考えよう
同じ補助事業でも毎年あるようなものや、その時単発のものといろいろです。ただ、3年とか5年とかは続くことがあるので、来年に向けてじっくりやるのもありです。

申請期間が短いことが多い(特に国とか瞬殺案件があったりします)ので思わす慌てふためきますが、最初に会ったように自分たちの目的のためにやることなので、スケジュールに振り回され過ぎるのも良くないです。

今、急いでやるべきなのか、タイミングは組織の成長なども鑑みて決められることをおススメします。

ちなみに、行政予算は消化できてないと翌年度が減ったりする恐れがあるので、担当者が「使ってほしい」とか言ってきます。

ここは自分たちの組織本位であるべきです。初めて行政の方から薦められると舞い上がってしまったり、判断しにくいですが、目的と、今やるべきなのかで決めてください。断っても大丈夫、その人は3年後には、そのポジションにはいないので(笑)。

あくまでも、自分たちの補助、次へのジャンプアップに使えるようにした方が良いです。継続的な財源にするには会うモノと会わないものがあるので、そこも要確認。どれだけ良い施策であっても3年、5年で必ず見直しは入ります。

判断ミスは結局は自分たちに帰ってくる

少しずつ学びながらやっていくのが一番良いと思います。時にジャンプは必要ですが、自組織にとって冷静に考えて必要な施策を選ばれることをおススメします。

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