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嫉妬深い異形の山の神

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熊野古道の要所で知られる発心門王子の近くの山中に異形のヒノキがあります。我々が知っている一般的なヒノキと違い、幹は根元から大きくふたつにわかれ、あるものはまっすぐには伸びずそり上がり、あるものは大きく湾曲しています。さらに根元付近からは無数の枝が伸び、まるでのたうち回っているかのようです。

このヒノキに会いに来たのは今回で二回目。はじめて訪れたときは、なにせネットでの情報が少なかったもので、たくさんの人に道を尋ねてやっとの思いでたどり着いたのを覚えています。今回は迷うことなくすんなりと来ることができました。

このヒノキの前には注連縄がされていて供え物が置かれ、地元では山の神として祀られています。山の神は女性の神だといわれていて、この木にも男根をかたどったものが供えられています。また、この集落の祭りの時、魚を供えるのですが、きれいな魚だと山の神が嫉妬してしまうというので、醜いオコゼを供えていたのだとか。

嫉妬なんかしなくていいのに。一般的なヒノキとは形は違えど、この木には他にない独自の美しさがあると思うのは私だけでしょうか。

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