ヒールとカリギュラ。

俺はヒールレスラーが好きだ。いやレスラーの方々は皆尊敬してるのだが、ヒール寄りないしヒールレスラーを好きになる傾向がある。

かねてから思っていたのだが、この辺はカリギュラ効果に関係しているのではないかと思う。

禁止されるほどやってみたくなる心理現象のことを言う。 (引用:wikipedia)

「見るな」と言われれば余計見たくなる、というアレだ。もっと言えば「今ここでコイツぶん殴ったらどうなるんだろう」というどう考えても、それを実行したら不利益しかない行為をやってみたくなる謎の衝動。

こう書くと俺が無茶苦茶やべえヤツみたいだが、今まで生きてきて妄想の中でムカつく上司、嫌いな取引先、喧嘩した友人などを妄想の中でタコ殴りにした事が無い人は少なくないのではないだろうか。暴力とまでは行かなくても、ふてぶてしい態度、啖呵を切る妄想・空想をした人もいるだろう。

でも大多数はやらない。それは倫理観であったり、損得勘定であったり。まあ普通はやらん訳である。

しかし、リング上及びリング周りではヒールレスラーはそれをやってのける。

例えばエル・デスペラード選手。

ふてぶてしく、悪く、そしてかっこよく「ご祝儀」と称しての挑戦表明。強烈に記憶している。

おしりもこの時俺はプライベートでちょっとしたトラブルを抱えていた。詳細は避けるが嫌味たっぷりで返答したいと思っていた矢先にこれである。条件は背景はかすりもしないが、これに俺は自分の思いを重ねた。

反則にしてもそうだ。時に狡猾に、時に大胆にやる。バックステージコメントも尊大な態度で、ふてぶてしく、ひたすらに我を通す。(コメントについてはヒールに限った話ではないが)日常生活ではできない事づくめ。というかしてはいけない。けれど、もやもやは募っていくジレンマ。

先ほども述べたが不平不満、憤りと言った感情は生きていく上でどうしても付きまとうもの。咀嚼できればいいのだが中々そうも行かない訳で、頭の中でガツンと言ったりが精々な場合が多い。

俺はそんな妄想をヒールレスラーの悪行に重ねている節がある。俺の抱いたカリギュラの代弁者として見ている節がある。もちろん魅力はそれだけではないし、ヒールだから好きという訳ではない。その辺りの話をすると驚異的に長くなるので今回はしない。

本当はもっと色々例を載せたいのだが、枚挙にいとまがない上に文章力と文字数の都合でこのあたりで。

2022年ももうすぐ終わる。残りの2022年、そして来年とヒールレスラーの方々がどんな悪行を見せてくれるのか楽しみである。

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