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ラジオドラマ「at」 制作後記と楽しみ方

みなさんこんばんは。GERAでプロデューサーを担当しております横田と申します。
今回は2022/6/10に配信されたラジオドラマ「at」の制作の裏側や作品の見どころを企画の立ち上げから実際に配信されるまでを見届けた立場からお伝えできればと思い、本記事を書きました。

すでに聴いていただいたという方はより作品を楽しむヒントとして、気になっているという方は本作を聴くきっかけとして、ご活用いただけたら嬉しいです。

GERAでラジオドラマはできるのか

社内で「GERAでラジオドラマができないか」という声が上がったのが昨年の夏頃。
新規事業らしく”できるかわからないけどとりあえず動き出してみた”ものの、結局納得のいくものができそうにないということで一旦振り出しに。
その後、「錦鯉の人生五十年」「囲碁将棋の情熱スリーポイント」などで構成作家を担当してくださっている松原さんから、この「at」の企画をいただき、もう一度ラジオドラマにチャレンジしてみようということになりました。

社内提出用の企画書

私は「at」の企画をいただいてからプロジェクトに参加したのですが、私もディレクターをはじめとする他スタッフもラジオドラマ制作に関して未経験という状態で、かつ、一度頓挫しているプロジェクトということもあり、実現できるのか正直不安ではありました。
ですが、シチュエーションを限定して聴いてもらうという新感覚のラジオドラマをGERAで配信できたら、きっとたくさんの人に面白がっていただけるのでは?というワクワクを原動力に、手探りながら再スタートを切ることにしました。

各作品について

各作品の魅力を一言で簡単に言い表す事は出来ないのですが、
それぞれの作品の簡単なあらすじとその聞き所、制作の裏話を少しだけご紹介していきます。
※多少ネタバレ要素あり

at makeup(メイク中)

【出演】まんじゅう大帝国 竹内一希/千菅春香  【脚本】岡本みっく

作品について
長年連れ添った同棲カップルの何気ない日常が舞台の本作。
メイク中にちゃちゃを入れるどこか憎めない彼氏「健斗」と、鋭い切り返しの中に彼への愛が垣間見える彼女「しほ」の息のあった掛け合いにクスッと笑わされながらも最後は意外な展開に…?

台詞一つ一つの細かい言い回しや二人の空気感をじっくり味わいながら聴いていただきたい作品。

制作について
初対面とは思えないほど息のあった掛け合いを見せてくださったお二人。
演技力はもちろんのこと二人の空気感がまさに想像していた「健⽃」と「しほ」そのもので、スタッフ一同収録中にもかかわらずどっぷり聴きいってしまいました。

ちなみに、作品の中でまんじゅう大帝国竹内さん演じる「健⽃」がとあるモノマネを披露するシーンがありますが、あれは竹内さんのアドリブです。

at exercise(運動中)

【出演】ママタルト 檜原洋平 【脚本】エレファントかさ増し

作品について
公園で運動しているとママタルト檜原さんがやってきて一緒に運動をしてくれるというファンにはたまらない作品。
セリフの一つ一つに余すところなく笑いと檜原さんの魅力が詰まっているので実際にこれを聴きながら運動するのは至難の業かも…。
ぜひお試しください。

制作について
脚本をいただいた時点で「早く収録したい!」と思った作品でもありました。
ただ、収録時は檜原さんの演技の爆発力に笑いを堪えるのでスタッフ一同一苦労でした。

ちなみに、檜原さんが運動をするシーンは、実際に檜原さんにスクワットをしていただき、リアルな息切れ状態で収録しています。

at kitchen(料理中)

【出演】フランスピアノ 【脚本】山田ボールペン

作品について
かつての同級生「石川」の自宅に遊びにきた「北代」。
石川から手料理を振る舞われるもののずっと心に引っかかることが…。

物語は「北代」の心の声を中心に展開していきますが、自分を「北代」と想定して聴くのか、それとも盗み聞きをしていると想定して聴くのか。
本音と建前が織り混ざり、どんどんとおかしな方向に巻き込まれていく演出は、色んな聴き方で楽しんでいただける作品になっています。

制作について
こちらの脚本は山田ボールペンさんがフランスピアノさんを想定して当て書きしたもの。
山本さん演じる「石川」の飄々とした雰囲気と、中川さん演じる「北代」の振り回される演技が見事にバッチリハマっています。
編集もお二人の掛け合いの間をそのまま生かすような形で仕上げました。

at bathtub(入浴中)

【出演】夏吉ゆうこ 【脚本】こま

作品について
一人暮らしのOL「麻衣」のモノローグを中心に展開される本作。
GERAっぽくない落ちついた雰囲気で始まりますが、どうなるのかはぜひ湯船に浸かりながら最後まで聴いてお確かめください。

制作について
本作は今回配信された作品の中で最もキャスティングを悩んだ作品でした。
芸人さんにご依頼することも考えましたが、作品の内容的にありきたりな印象になってしまうのでは?との声が上がり、声優さんにオファーをすることに。
夏吉さんの冒頭の落ち着いた演技から後半豹変していくグラデーションの演技は本当に圧巻でした。

ちなみに、お風呂のアナウンスの声も夏吉さんにやっていただきました。(気づかれた方いらっしゃいますでしょうか…?)

at bedside(寝る前)

作品について
主人公「ヒナ」が部屋に帰宅し、ベッドに座ろうとしたところ、そこには知らない人が…。そんな不穏な場面からスタートする本作。
感情的で彼氏大好きなヒナの間抜けさに笑わされながらも、どんどんと核心に迫っていくストーリーに引き込まれます。

そして本作はベッドに横たわりながらイヤフォンやヘッドフォンで聴いていただくのがおすすめ。
ところどころに仕掛けられた音声のギミックに耳を澄ますと、最大限この世界観を楽しんでいただける作品になっています。

制作について
実はこれが一番初めに収録した作品。
脚本の段階でも十分魅力を感じていた作品ではありましたが、実際に声が乗ることでこんなにも世界が広がるのか!と感動を味わった作品でもあります。
ハチカイこんぽんさんには感情の乱高下や空気の読めなさなど、かなり声で百面相をしていただきましたが、どの演技も笑ってしまうくらい「ヒナ」そのもので、こんぽんさんの声の魅力を堪能できる作品になっていると感じています。

最後に

改めてにはなりますが、演者さん、作家さんを始め、編集・音声を担当してくださった現場スタッフみなさんの協力のおかげでなんとか「at」を形にすることができ、大変嬉しく思っています。

そして、僭越ながら、本企画は当初よりGERAで配信している「お笑いラジオ番組」だけではお伝えしきれなかったパーソナリティさんの魅力や作家さん達の才能をお伝えできる機会を創出できたのではないかと感じております。

そして、何より「at」はリスナーがいて初めて完成するコンテンツでもあります。
通常のレギュラー番組もそうですが、「"あなた"が聴いてくれることでラジオが完成する」という、当たり前だけど一番大事にしていきたい想いを体現できた企画でもあると思っています。

引き続きGERAでは「お笑い音声コンテンツ」を軸に新しい試みにどんどんチャレンジしていきたいと考えておりますので、今後とも応援のほど宜しくお願い致します!

(ご意見、ご感想など、随時お待ちしております!)


▼「at」はこちらから再生いただけます(登録不要・無料)


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