しずみん

夢の中で過ごしているいくつかの場所の日記です。

しずみん

夢の中で過ごしているいくつかの場所の日記です。

最近の記事

あっちの話(9)

高速バスのチケットをとろうとしている。少し遠くに出かけるらしい。 あっちでは旅に行くのに荷物は軽く、着替えやタオルなどは入れずにスケッチブックや鉛筆などを荷造りしている。それとポテトチップス。硬いやつ。水やコーヒーは途中で手に入る。 日数も決めずに出かけるので楽しくてたまらない。もう心は旅先なので浮かれてエスニックなものを食べたりする。

    • あっちの話⑻

      山の家に住んでいる私は、毎朝沢に降りていってはカエルを獲るカエル漁師である。 田植え足袋をはいて、菅笠をかぶり、川の石で滑らないように慎重に上り下りしながら岩陰や草の葉にいるアマガエルやシュレーゲルアオガエルをつかまえ、腰につけているふたつきの籠に入れて行く。1日に20匹も獲れば十分らしい。 なんだよカエル漁師って。

      • あっちの話⑺

        あっちの世界の中ではよく散歩をしている。本を買いに行ったり映画を観たりするついでに、その夢で住んでいる部屋の近所をぶらついて買い物をしたりぼんやりしたり。大きな駅ビルより、ごたゃごちゃした個人商店の連なる商店街や地下街などが多いかも。好きだからだね。 旅したことのあるアジアの市場や前にこっちで住んだことのある商店街などがほどよく混じっていて、かならず古本屋もある。乾物屋やエスニック食材店、豆の専門店なんかもよく出てくる。 先日は乾物と旅の本がミックスしておいてある変わった

        • あっちの話⑹

          あっちでよく道に迷うのは、駅のホームと駅ビルの中だ。こっちの世界でもちょっと苦手。目的のホームとと違うとこに出ちゃったり、電車の乗り口が遠かったり。そして乗り遅れる。 駅のショッピングビルと融合してるタイプだとさらに迷う。駅のコンコースで物産展などやっているとついのぞいてしまいますます電車を乗り逃す。しかしそこで買ったねぎのマリネは美味しかったしその後こっちの世界でも作ってみたりしているのでまあいいか。 実生活と同じく、あっちでも年々ふまじめになっている。

        あっちの話(9)

          あっちの話⑸

          30年近く前、静岡市内で働いていた時によく通っていたカレーのおいしい喫茶店があった。「OAK(オーク)」という店名で、名前の通り木の家具を使った落ち着いた店内で本がたくさん置いてあった。辛めのカレーの後にコーヒーを飲みつつ本を読んで長居するのが好きだった。 静岡を離れてずいぶん経ってから、OAKが閉店したことを知った。残念だが仕方ない。あの本たちはどこへ行ってしまったのかな、などの思っていた。 よほど心残りがあったのか、OAKは私のあっちの世界に移転していた。新しいマンシ

          あっちの話⑸

          あっちの話⑷

          列に並んでいる。何かを買おうとしているようだ。白い部屋で特に特徴はない。しばらく並んだら自分の番になる。 「おいくつですか」と壁に開いた平たい穴から聞かれる。何かは知らぬがせっかく並んだから、と二つお願いする。 カウンターの端で待っていると、お盆にどんぶりが二つ乗ってでてきた。うどんかー!しかも麺と薄い汁だけで具も薬味も何も乗っていない素うどんだ。 そのへんの席に座って汁をひとくちすすってみると、味が薄い。麺は多い。二杯かー。卓上に白いコショウ入れみたいなものが乗ってい

          あっちの話⑷

          あっちについて

          私の夢は大概、明晰夢だ。いつからかは忘れた。 明晰夢を見るコツを聞かれたことがあるが説明できない。夢の中で「これは夢だ」と思う練習をするしかないんじゃないかな。 夢だとわかっているので、基本的にやなことにはしなくていいし覚めようと思えば眼を覚ますこともできる。死にそうな目に遭ったら回避できるしあわないようにすることもできる。 んだけど、面白いので自動運転モードにしていることが多い。夢というのはデフラグのようなものだと思っていて、日中入力したものを就寝中に脳が処理整理して

          あっちについて

          あっちの話4(教わったレシピ)

          あっちで教わったレシピ。 「ピリ辛オムレツスープ」 玉ねぎは薄切り。トマトはざく切り。鍋に入れて水を注ぎ火にかけ、沸騰したら弱めの中火でしばらく煮る。トマトが嫌い煮崩れてきたら塩田味を整え、一人前につき卵一個を溶きほぐして流し入れる。ふうわり玉子がふくらんで固まったら火を止めてタバスコを少し振る。 あっちのはトマトではなくトマトっぽいなんかの実で、ほやのり辛味があった。こちらにはないのでタバスコを振っている。卵も鶏のよりひとまわり大きかった。スープが沸いている状態にとぽ

          あっちの話4(教わったレシピ)

          あっちの話⑶

          木造の古いアパートの2F。ここの近くに古い個人の古書店があって、日本文学が揃っているのと今はなき旺文社文庫がたくさんあるのでたまに来ている。 この本屋の近くにコーヒー屋があって、たまに豆を買う。夢の中でもめんどくさいのでいつも挽いてもらう。(夢なので部屋に置きっぱなしでしばらく行かなくても酸化しない。べんり。)つまりこの部屋ではコーヒーくらい落とすのだ。 この店にはカウンターのカフェが併設されていて、飲んでいくこともできる。すばらしいのは、甘いもの以外のアテがあること。凝

          あっちの話⑶

          あっちの話⑵

          雨の夜。 行きつけのあんかけスパゲティ屋に出かける。駅のガード下に付随している食べ物長屋の半地下にある。いや、あった。しばらく行かないうちに激安海鮮丼見せになっていた。なんてことだ。やはり食べ物屋はこまめに行っておかないとだな。仕方ないので海鮮丼屋に入ってみる。地ダコをバタ醤油で炒めて青じその千切りをたっぷりのせた丼がなかなかおいしかった。 くだんのあんかけスパゲティ屋は京都に移転したようだ。

          あっちの話⑵

          あっちの話⑴

          目がさめると洋室アパートAにいる。 1LDK、築20年程度だがきれいにリフォームされているので古さは感じない。 大きなベッドに羽布団、まくらはなく薄いベージュのバスタオルを畳んで枕代わりに敷いている。カーテンはアイボリー、柔らかく陽が透ける。 起き出してステンレスのやかんでお湯を沸かし、マグカップで飲む。浄水器は使わずに水道水をそのまま使っているがお茶もおいしく入る。 この部屋ではあまり自炊をしていない。外食か、簡単にインスタントラーメンなど食べている。そのせいか調理器

          あっちの話⑴