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寺地拳四朗VS京口紘人とそのアンダーカードの試合の感想

皆さん、お久しぶりです。11月1日に行われたWBC・WBAスーパー及びリングマガジン世界ライトフライ級王座統一戦に行って参りました。
今回はその試合とそのアンダーカードの感想を述べていきたいと思います。 

寺地拳四朗VS京口紘人
WBC・WBAスーパー及びリングマガジン世界ライトフライ級王座統一戦

入場から見ていて思ったことは寺地拳四朗選手は笑顔で入場することでも有名な選手ですが
拳四朗選手が思いの外 険しい表情を浮かべるシーンがありました。WBC王座を第一次政権では8度の防衛に成功したチャンピオンも統一戦となればやはり平常心ではないのかなと思いました。対する京口選手は淡々とリングに入ってきた印象があります。平常心を心掛けていたのかスッとリングに入ってきました。

試合は1ラウンド拳四朗選手のジャブ対策として京口選手は拳四朗選手のジャブのタイミングを測ってその0.5テンポくらい速いタイミングでジャブを当てたり、ジャブにクロスカウンターを合わせたりと拳四朗選手のジャブに対して対策を立ててきたようでしたが僕もびっくりしたのですが、拳四朗選手が意外と踏み込んで効かせるジャブを打っていました。京口選手も予想以上に強いジャブだったと話すように拳四朗選手のジャブで顔をはね上げられるシーンが序盤からあったように思います。京口選手はガードを固めて相手の懐に入りたかったと思うのですが、ガードを固めるとパンチを避けたり脚で外すことが難しくなります。ガードを固めてジャブを受けながらプレスをかけていく作戦だったのでしょうか。ラウンドが進めば進むほど京口選手がふらつく場面が出てきて4ラウンドくらいで効いてきたなと見てて思いました。そして5ラウンドダブルジャブからの速いワンツーで拳四朗選手がダウンを取りました。これは4ラウンドのダメージを引きずったままのダウンだったと思います。ダメージが溜まると注意力が散漫になってディフェンスに少し隙が出てくるそうです。そこを上手く突いた拳四朗選手 相手も超一流の選手ですが、その微細な隙を作って見逃さないところはさすがだなと思いました。しかし、ドラマはそこからでした。ダウンの後仕留めに行く拳四朗選手しかし、仕留めきれず打ち疲れはじめます。京口選手が拳四朗選手にカウンターを当てると今度は拳四朗選手が効いて下がりはじめました。そこから怒涛のラッシュライバル同士の意地のぶつかり合いさいたまスーパーアリーナが揺れていました。しかし時間が足りずラウンド終了。自分が思う勝負の分かれ目は6ラウンドだと思います。拳四朗選手はダメージとスタミナを回復するためにアウトボクシングをしはじめます。京口選手はダメージもあってかそれに付き合ってしまった。
前に出させてもらえなかった。これが勝敗を決めてしまいました。7ラウンドに拳四朗選手がワンツーを続けて京口選手がよろめいてロープ際にゆっくり崩れ落ちたところでレフェリーの染谷さんが試合を止めました。京口選手は深々と観客の皆様に頭を下げていました。拳四朗選手は加藤トレーナーを呼んでベルトをかけていました。明暗がリング上ではっきり分かれていた景色は頭から離れません。世界ライトフライ級頂上決戦を2人の日本人世界王者が争ってくれたことそして感動と興奮をくれた2人の王者に拍手を送りたいと思います。

疑惑の判定?WBO世界ライトフライ級タイトルマッチジョナサンゴンザレスVS岩田翔吉

セミファイナルではWBO世界ライトフライ級タイトルマッチがありました。チャンピオンはジョナサンゴンザレス挑戦者は帝拳ジムの岩田翔吉選手 岩田選手の入場から痺れました。山本KID徳郁さんの入場曲で入場してきた岩田選手KIDさんのジムで格闘技をはじめたそうなのでまさにKIDさんは師匠であり憧れの存在 岩田選手はデビュー当初から世界戦はこの曲で入場すると決めていたそうです。感動しました!試合の内容としては岩田選手がプレッシャーをかけたいのですがジョナサンゴンザレスが上手く回りながらノーモーションの左やジャブを突いていた印象です。これの12R繰り返しでした。
中盤、ゴンザレスのボディを効かせた岩田選手でしたが捕まえられませんでした。プレッシャーをかけても捕らえきれないゴンザレス選手のキャリアを活かした戦い方でした。正直、2ポイント差で岩田選手が勝ったかなと思ったけど
ゴンザレス選手はチャンピオンなので有利に働けば2ポイント差でゴンザレス選手の勝ちかなと思いました。採点の開き具合にはびっくりしましたが、Aサイドのアドバンテージを感じました。微妙なラウンドをチャンピオンに振ればチャンピオンが勝ちでも納得できます。
岩田選手には世界レベルのボクサーであることは証明したのでダイレクトで世界戦でも全然いいと思いました。スピードがあって素晴らしい選手なのでこれからも頑張ってほしいです。

日本・アジアライト級最強決定戦
WBOアジアライト級タイトルマッチ
吉野修一郎VS中谷正義

この試合は僕の中ではメインイベントでした
元世界4団体ライト級王者テオフィモ・ロペス、フェリックス・ベルデホ、そしてあの元PFP1位ワシル・ロマチェンコなどライト級の海外の怪物たちと戦ってきた中谷正義選手と
日本の地で無敗のままアジア王者になり、前回の試合で元世界王者伊藤雅雪選手にも勝っている吉野選手。下馬評は中谷選手が有利 僕はこの試合のキーポイントはジャブだと思います。中谷選手はジャブを当てたい。吉野選手はジャブにどう対応するかだと思っていました。1R〜4Rまでは中谷選手がポイントを取っていましたジャブが思うように機能していたと思います。吉野選手はジャブをキャッチしにいっていてそのタイミングが合わずに被弾していたと思いますがたまに出すビッグパンチはプレッシャーを与えるには充分だったと思います。5Rでは中谷選手にコーナーに追い詰められてクリーンヒットをもらうのですが吉野選手はタフで
逆に中谷選手をロープ際に追い込んでダウンを奪いました。ジャブをもらいながらも持ち前の連打とタフネス、ビッグパンチでプレスをかけ続けた吉野選手が中谷選手を削っていくのがわかりました。6回中谷選手が勝負をかけて出てくる場面も落ち着いて対処して最終的には打ち勝ちました。ベルデホ戦、気持ちの強さを見せて敵地で大逆転KO勝利を収めた中谷選手に打ち勝った吉野選手は再びダウンを奪って6RTKO勝利で日本・アジア最強を証明しました。怪物だらけの世界戦線でどこまでできるのか楽しみです。ヘイニー、カンボソス、ロマチェンコ、デービスこのなかに入っていけるのか注目したいです。中谷選手はキャリア的に厳しい一敗となりました。進退をどうするのかボクシングファンとして見守りたいと思います。

中谷潤人スーパーフライ級初戦
中谷潤人VSフランシスコ・ロドリゲスJr.

前WBO世界フライ級王者の中谷潤人選手が階級を上げてスーパーフライ級に進出してきました。対戦相手は井岡選手と激闘を繰り広げたロドリゲスJr.選手 

厳しいことを言わせてください
この試合は試合と言い難いものとなりました。なぜなら、ロドリゲス選手はクリンチばかりでボクシングをしてくれませんでした。
スイッチも見せていましたがくっついては離れての繰り返し そんな中で中谷選手はショートのアッパーを当てたり、序盤は右ボディ 右ボディを意識させて上、そして左ボディと打ち分けていたと思います。効かせる場面も出てきたところで10R終了 ロドリゲス選手はサウスポーが苦手なのかクリンチ多用でしたから会場からため息が漏れる始末海外なら大ブーイングでした。もう少しファイトして欲しかったです。中谷選手はスーパーフライ級でもフレームが大きいので全然通用しそうどころかスーパーフライ級で1番強いんじゃないかと思います。井岡選手とフランコ選手の統一戦後に指名挑戦権がありWBOが指令を出したので楽しみですね。中谷選手本人はエストラーダ選手と試合したいみたいですがいきなりの指名試合が統一戦の可能性になることが大なのでエストラーダ選手に近づく試合になるでしょう。井岡選手が勝てば日本ボクシング史に残る日本人対決になるでしょう!注目です!

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