見出し画像

一過性全健忘まとめ

●一過性全健忘(TGA)
病態:海馬の問題。特にCA1領域の。
診断:臨床診断が基本。24時間以内に改善。
疫学:50〜80歳に多く、朝に発症が多い。
症状:前向性健忘と逆行性健忘どちらも認める事が重要
前向性→日付や周囲の環境について同じ質問を繰り返す。
逆行性→発症前の短期記憶障害。病態が終息するにつれ逆行性健忘の期間が短くなる。
随伴症状:頭痛、悪心嘔吐など
検査:頭部MRIで海馬領域に拡散協調やT2で高信号域で複数あることも。発症24時間以内は顕在化しない事が多く、24〜72時間で最も病変を検出しやくすくなる。
治療:チアミン投与は検討される。

●「急性の健忘」の鑑別診断
・脳梗塞(特に視床梗塞、海馬梗塞)
⇒一過性全健忘と海馬梗塞の鑑別はMRI。海馬梗塞で点状梗塞は1割程度。海馬梗塞は主に塞栓性のため海馬以外の同側梗塞を9割以上合併。
・TEA(一過性てんかん性健忘)
・心因性健忘
・低血糖
・辺縁系脳炎、ヘルペス脳炎など

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?