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【推し活の流儀】古のオタクが全ての経験を糧にただ一つの作品を応援する話



私はオタクが世間から白い目を向けられていた時代にアニメ、声優オタクとして生きていました。
そんな私がアニメ、マンガが街に溢れかえるようになった現代でただ一つの作品を推すようになった話をします。

前半パート(①〜②)は私と作品、作者様の話、後半パート(③〜④)はこういった作品に限らず、作品の推し方について語っています。
ご興味があるところから読んでみてください。

私には今、全力で応援している作品、作者様がいます。
それは、サンデーうぇぶりで連載中の「愛してるゲームを終わらせたい(堂本裕貴)」です。

①作者様、作品との出会い(自分語り)

作者様との出会いは週刊少年マガジン。
表紙キャラ(サフィ)のあまりの可愛さにアニメ化作品なのかと思いきや新連載らしきその作品こそ「ネクロマンス」でした。
ただその連載は43話で終わってしまいました。

作品との出会いはTwitter。
おすすめ欄に流れてくる数多の作品の中に、それはありました。
当時はオタクも卒業し、平凡な人生を歩み始めていたところだったので、今さら新たな沼にハマらぬよう色々な作品を見て見ぬふりをして過ごしていました。
ただそんな中目にしたのは、かの有名な「ポッキーゲーム回」。とんでもないことをする作者がいたもんだと思い、作者名で検索し、ネクロマンスの作者様だと知ったのです。
運命を感じました。そして、自分の人生を揺るがす出会いだと思いました。
多分この沼はハマったら出てくることができない、底なし沼になる。
数ヶ月の迷いの末、ついに足を踏み入れたのは昨年11月のこと。
それから半年近く、本当に幸せな毎日を過ごさせてもらっています。

②読めばわかるその魅力(作品語り)

皆さんは「愛してるゲームを終わらせたい」読んでますか?
ものすっごく面白い作品ですよね!
魅力溢れるキャラクターや繊細な描写など、読み始めれば惹かれる理由がわかるはずです。
また、少年誌の王道ラブコメながら無用な(読者向けのいわゆる)「ラッキースケベ」的な描写がなくヒロインが安く消費されていないところも、作品のコンセプトにマッチしていると思います。

主人公は鈍感系ともヘタレ系とも違う等身大な高校生として描かれています。
(微妙に解釈が分かれる可能性があると思いますが、)ゆきやはみくに見合った存在になれていない自分を認められないのであって、みくの好意に気づいていないわけでも、自分が持つ好意に向き合っていないわけでもいないと思うのです。
むしろそれに真正面から向き合った結果、一歩を踏み出す勇気が出ない。

みくはみくで、ゆきやのことが大好きで、そんなゆきやに「可愛い」と言ってもらえるように努力を積み重ねています。
その甲斐あって校内でもかなりモテて友達も多く人気者なみく。

この辺の二人の立ち位置が、非常に良いですね。
ラブコメ読んでると「いやこれで好意を持たないのはおかしい」とか「こんだけ可愛いのにクラスメイトがその魅力に気づいてないのはどうなんだ」などの感情(いちゃもん)が湧いてきたりしますが、この作品に限ってはそんなことはないです。ちゃんと好きだし、ちゃんと人気者だし、でも自分に自信が持てなくて一歩が踏み出せない。
でも一歩を踏み出したくて懸命にもがく二人の姿の尊いこと!

意地っ張りな二人の恋のゲームであり、その実は、大切な誰かのために必死になれることの眩しさを描いた作品なのだと感じます。

③推し活の流儀(推し活をしたいあなたへ)

さて、ここからは「愛してるゲームを終わらせたい」に限らず、何か作品や作者様を応援したい方に向けたエールを送らせていただきます。
便宜上「愛してるゲーム」を例に挙げますが、我々ファンのすべきことはどの作品でも共通だと思いますので、参考までにご覧ください。

古のアニメ、声優オタクである私にとって、好きな作品を応援するということは、作品を買い、グッズを集め、イベントに参加することでした。
ただこの作品ではそうはいきません。
なぜなら…アニメもなければグッズもない!当然声優もついていない!

そして私の目標は決まりました。

「愛してるゲームを終わらせたいをアニメ化させる!!」

とはいっても私のような大した発信力もない一読者に出来ることは限られています。

それは、
・作者に声を届ける
・作品の話題を出す
・読み始めた人に向けてレビューを残す
です。

・作者に声を届ける

みなさんは作品の感想を作者に伝えていますか?
仲間内で盛り上がることは多くても、直接(リプライやファンレターなどで)作者に伝えた経験はあまりないのではないでしょうか?
作者の肉体を保つのは私たちが作品を買うことで得たお金ですが、作者の精神を保つのは「初めて読んだけど面白かったよ!」「今回のお話すごく好き!」といった読者からの感想だと思います。
今の時代は(作者がTwitterなどをしていれば)コストをかけずに思いを伝えることができます。
「推しの推し方。大切な作品にどれだけの「コスト」をかけますか?」で書いたように、そこにコストをかけることで、より思いを伝えることも出来ますが、まずは思いを届けなければ話は始まりません。
ただ投稿にいいね!するだけじゃなく、リプライで一言「面白かったよ!」と伝えてみましょう。

・作品を話題に出す

今は様々な形態で作品が発信されており、爆発的な人気を誇る作品とそうでない作品の格差がどんどん広がっているように感じます。某ひとりごとアニメや、葬送のアニメなどアニメ化が大成功した作品は話題が絶えず、TLに頻繁に上がり、多くの人目につき、結果として作品のファンが増える好循環に入っていきます。

一方でそうでない作品が人目につく機会は減少しています。
webコミックなど発表できる媒体が増え、作品数が増えた結果、「(アニメ化などの)決定的な何か」がないと宣伝活動に力を入れてもらえず、人目につかず、結果としてファンが増えないという悪循環があるのだと思います。

そこで多くの作者はTwitterに活路を見出し、積極的に宣伝活動を行う作品もあります。ただ私はそれがあるべき姿なのか疑問に思ってしまいます。
やはり作者様には作品作りとそのための自分のコンディション作りに注力してほしいし、連載だけでも激務なのにそこにさらに負荷をかけてほしくないのが率直な心情です。
(もちろん多くの作者様はある程度やりたくてやっているのだろうし、自分の作品のためだし、私が養えるほどの収入があるわけでもないので、否定する意図はないのですが、気持ちとしての話です。)

また作者という立場で出来ることと出来ないことがあると思います。

出来ることは「作品の画像をつけて好きなタイミングでツイートすることで広く宣伝すること」など公式として行える宣伝活動、出来ないことは「直接声をかけて回ったりして新たなファンを直接獲得しにいくこと」だと思っています。

場合によっては直接声をかけることもあるかもしれませんが、それこそそんな暇ないと思うので、自身の作品についてツイートして広がるのを期待する、といった方法が主体だと思います。

そこで私たちファンの役割は「作品を求めている人に直接声をかけて回ること」だと考えます。
この「作品を求めている人に」という部分が個人的に重要だと思っているのですが、FFでもない人に直接作品を勧めるのって、迷惑行為一歩手前ですよね。
なので「明らかに自分の勧めたい作品を求めてない人」、たとえば自分が勧めたいのがラブコメならホラーを求めてる人には(特別な理由がなければ)声をかけないといった自制が必要だと思います。

これは「熱心なファン」は意図せず作品のアイコン的立ち位置を担ってしまうという経験があるからです。
声優でもアニメ作品でも、一部の声の大きいファンたちがどんな人たちかで、「その界隈」を評価する人は一定数います。つまり自分たちの素行が作品の評価に影響する可能性があるという自覚と節度を持って活動をして行く必要があるのです。

そういった節度を持って、世間に対し作品の魅力を発信していく、引いては認知度を上げていくということが必要だと思います。

・読み始めた人に向けてレビューを残す

先ほどと少し被る要素があるのですが、積極的に感想や宣伝をツイートして、「誰かしらが話題にしている状態」を作ることも新規ファンの取り込みや定着に有効でしょう。作品を読んだ時、他の人の感想を聞きたいと思ったことはありませんか?評価が気になる、というよりは、この話に熱狂しているであろう他人の感想を見て、熱を分け合いたい感覚です。(独特すぎたらすみません!w)

私は推してる作品の感想を書いてくれてる人を探して回って、熱を分け合ってどんどん熱中していくタイプなのですが、仲間が少ないと単純に寂しいです。
なので自分がその「熱狂しているファン」として存在していることを示すことが重要だと思います。

④今応援したい何かがあるあなたへ

これまで私と作品の出会いや推し活の方法について話してきました。
ただ、一番大切なことは、

「あなた自身が作品を(推しの存在を)楽しむこと」

推し活に熱が入ってくると義務感が出てきたり、思うように結果が出なくて焦りが出たりと心の余裕がなくなってきてしまいます。すると、あなたの人生を輝かせてくれるはずの推しの存在があなたの枷になってしまいかねません。そんなことは推しも望んでいないはずです。

まずは推しの存在を存分に享受し、自分の人生を輝かせ、そんなあなたの明るさを推しにも返していくことが出来れば、推しとの素敵な関係性を作ることが出来るのではないかと思います。

あなたとあなたの推しの将来が明るいことを祈って。
(そして、サンデーうぇぶりで連載中の「愛してるゲームを終わらせたい」を読んでください。アプリからだと初回全話無料です!4/10最新6巻発売です!)

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