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愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。第三十三話。

一日一話、愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。今日は第三十三話「幼なじみがは繋いだままで」です。

開幕なっちゃんさんの「え!?とうとう付き合う事になったの!?」「一緒じゃん。どーせイチャイチャするんでしょ?」には全読者が頷いたことでしょう。
(ってかなっちゃんさんってナチュラルに和菓子作りしてるのね。)

「全然違うから…っ。」と否定するみく。その脳裏に浮かぶのは、ファーストキスのこと。
(あんな可愛くない事で、気を引くような事はしない。)
(死ぬほどかわいい彼女になって、意地張る余裕をなくしてやる…!)
(それに本当は、キスより先にしたい事、沢山あったんだから…)
と思う姿は本当に愛しい。
やっぱみくは容姿も素晴らしく可愛いのですけど、何よりそのメンタリティが美しく愛おしいというのが一貫していて、応援したくなりますよね。

そんなみくになっちゃんも、「や〜ちょっと面倒くさいけど、みくかわいいなーって。」とにまにま。
「めんどいって言うな!!」
「いやめんどいよ。」このなっちゃんのキレ味もいいですよね。このあとのやりとりも含めて、この二人の関係性、信頼感、安定感、好きですねぇ。

一方ゆきやは風呂の中で、妄想を繰り広げていました。まぁね、男子だしね。
しかし、ただ浮かれてるだけじゃないようで、

「みくと付き合うという事は、俺にとっては、ゴールだけど…ゴールじゃない。」
「付き合って終わりじゃない。俺はみくとずっと一緒にいるために、頑張ってきたんだ。」

と決意を新たにします。
さらに、

「ああいう時は、何か俺に感じてほしい事がある時だ。」
「いずれにせよやるしかない。この3日間で俺がいかに彼氏として魅力的かを、示してやる。」

この辺の意気込みは素晴らしいんですよね。なかなか成果が伴わないのですけど。
基本ゆきやはゲームを意識している時より自然体の方がカッコいい率高いですよね。

そして早速みくに電話をかけます。
長い呼び出し音のあと、電話に出たみくの声はやや緊張したよう。
ここの吹き出しにキラキラ的な効果がつけられているんですけどね、この辺の効果の付け方というか、漫画的表現も堂本先生らしい繊細さが感じられて良いですね。
実際好きな人、それも擬似とはいえ彼女に電話して相手が出た時って、すごい特別な響き方するじゃないですか。
そういう感覚がとても丁寧に描かれていて好きです。

さて、みくに「あれ…やっぱもう…始まってんの?」と確認するゆきや。
ここのお互いを彼氏彼女と呼び合って、照れ合う姿はなんとも初々しくて、付き合いたてにしか摂取できない栄養素が詰められています。

ゆきやが風呂に入ってることに気づきみくが電話を切ろうとするも、
「別に、このままでよくね…?」
「だって今…彼氏彼女だろ…?」
と言うゆきや。
その言葉に目をキラキラさせて激しく首を縦に振るみく。こういう小さいコマのリアクション一つ取っても、みくの心境が表されていますね。
ここのセリフと仕草が一致してないところも良い(笑)

そしてご飯の流れに。
みくの「今日はママの作り置きのミートボール!」の声に何かを勘づいたゆきや。
やはり対みくセンサーが異常な感度を発揮しています。
そして考えついた行動が…家族の前でも通話を繋げる!
冷静に考えればとんでもない黒歴史になりかねないぶっ飛んだ行動に、みくも、
(え、まさかこいつ…彼氏彼女って家族の前でも通話繋げ続けるものだと思ってるのか!?ヤバすぎ!!)
とたじろぎますが、ゆきやの家族と通話相手がみくとなれば、その意味合いは大きく変わります。

早速ゆきや母にイヤホンを咎められるゆきや。(当たり前だ。)
そこにわかなから「みくちゃんでしょ。」とナイスアシストが!
「えー!?なにそういうことー!?」と一気に目を輝かせるゆきや母。
「ゆきちゃん、スピーカーにしなさい。」と言われ渋々といった様子で従うゆきや。
こうして一人で食事を取っていたみくとゆきや家族が通話で繋がり、嬉しそうな表情を見せるみく。
そして一人の食卓に彩りが与えられる演出。
ここの描写だけで一緒にご飯3杯は食べられる。

5巻まででここのシーンのゆきやが一番イケメンだと思う。(いや看病回もイケメンだけども。)
こういうさりげない気遣いというか、相手や周囲に悟られるかどうかギリギリの思いやりが一番カッコいい!(個人の見解です。)

繋がったまま、それぞれの時間を過ごす二人。こういう時間の過ごし方いいなぁって思うし、このたった数コマでそれを描写する演出も好きだなぁ。

そして彼氏彼女として何をしたいか言い合う二人。みくのウザい入りからのさりげない話題誘導が見事!(笑)
お互いに顔を赤くしながら例えを挙げていく姿も、初々しさの中に妙な緊張感が流れていて空気感が伝わってきます。
この後の展開もそうだけど、こういう二人の間に流れる空気の描写が抜群に上手いんですわ。

そろそろ寝ることになり、通話を切ろうとするみくに、ゆきやは「今日は繋げたままって言っただろ。」と制します。
そうしてお互いに消灯し、ベッドの中へ。

暗闇の中、お互いの音が響く。
布団に入りもぞもぞするみく。

(これ、寝落ち通話だ…っ。)

流れる静寂。
お互いの枕元に置かれたスマホ。
その向こうには確かに相手がいる。

「……明日さぁ、日曜だろ?」
「お前 なんかやりたい事あんの?」
と切り出すゆきや。

なんと答えるか迷うみく。
絞り出すように言った「おそろいの物、買いに行きたい……」

「…ふーん。」というゆきやの返事に、「つまらんかなぁやっぱっ!」と続けます。
冒頭でもなっちゃんと通話していた時に同じような心配をしていたみく。
自分のやりたいことと、相手の期待に応えられてるかという心配とで不安になる。

そんなみくにゆきやは、
「いや、いいんじゃね?」
「俺とおそろの物身につけて悶えるお前が見たいから別にいいよ。」
「どっちかっつーと楽しみだけど?なんだ急にしおらしく…どした?」
「じゃあ、明日、見に行こうな。」
と返します。

ここの一連のやり取りで、通話だからみくの姿はゆきやに見えていないのだけど、
「お前 なんかやりたいことあんの?」と聞かれてなんて答えようか迷うところとか、
「でも、声つまんなそうだったじゃん」のやり取りが終わった後のコマとかで、枕に顔を埋めながら様子を伺うようにチラリとゆきや(スマホ)の方を見ているの、細かいけど心情を表現するのに重要な描写だなって。
実際に姿は見えていないわけだけど、スマホの向こうに相手を見ているんだよね。そんな中でつまらないかな、めんどいって思われないかなという不安と、でもお揃いの物買いに行きたいっていう期待とが可愛くいじらしく表現されてて非常に良い。

そんな時間を過ごして
「夜、独りになると、色んな事考えちゃうけど、ゆきやと繋がってられると、不安とか全部無くなっていく…」
「…無敵…っ!!」
「勇気100倍っ!!」
「最強だ…擬似恋人…」
と光に包まれるみく。
「…明日…楽しみだな…」
そしてスマホ越しに重ねられる手と重なる想い。

ここの演出、描写が一番好き。
18話でもお互いの想いが重なっていく演出がありましてね、それも尊いものでしたが、個人的にはここでスマホ越しに手が、想いが重ねられる演出が一番好き!本当に美しい…。

今話はゆきやの優しさと、擬似恋人となった二人の日常のときめきが随所に散りばめられてて、一番好きまである。
そして何より寝落ち通話!
お互いにベッドに入るところから、静寂を挟み、明日の予定を相談する様子。
そしてそんなゆきやとのやりとりで光に包まれ「勇気100倍っ!!最強だ…擬似恋人…」を感じるみく。
最後お互いにスマホ越しに互いの存在を感じて手が、想いが重ねられる描写。
堂本裕貴の魅力全開の至高のエピソードだと思います。

次話、デート!!

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