愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。第三十四話。
一日一話、愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。今日は第三十四話「幼なじみがは頑張りたい」です。
前日の寝落ち通話から、「KOKON MALL」なるショッピングモールへ遊びにきたみくとゆきや。
相変わらず、みくのコーデを頭から足先まで見せてくれる立ち絵の素晴らしさに頭が上がりません!
あまりの可愛さに周囲の視線を釘付けにするみく。ゆきやはショーウインドウに映る自分とみくの姿を見比べてしまいます。
3ページ下のコマ、光の当たるみくと影になるゆきやの対比が丁寧です。
時は戻り今朝のこと。
今回は家の前で待ち合わせた二人。
とびっきりのオシャレをして「どおどおどお?」とクルッと回るみくに(あざとすぎる!!俺が可愛いって思うのわかっててやってんなっ。)と必死に堪えるゆきや。
「かわいい」の一言が言えずにいると、みくから自分の服装に水を向けられます。
(さすがにダサかったか…?新しい夏服金欠で買えてないから…)と感じるゆきや。
いやー、みくのこのオシャレさを目の当たりにしたら、ただのパーカーは引け目感じるよね(笑)
ただみくはそんなことを気にしてないようで、
「これ、手触りよくて好きー。」
「ゆきや これ、似合ってるよね〜」
と笑顔を見せてくれます。天使!!
そんな朝のやりとりを胸に、
「自信持て。堂々としろ。」
「今日は彼氏としてやれるってとこ見せるんだろ!」
と決意するゆきや。
前夜「デートする時はずっと恋人繋ぎ。」と語ったみくの姿を思い浮かべ、チラリと目をやり手を伸ばしますが…みくが眩しすぎてヘタれてしまう。
(くそっ!彼氏彼女だって思うだけでもプレッシャーなのに…っ。)
(前にデートとは、ワケが違う…)
(今はもう、みくの感触を知ってるから…)
(手を繋いだら、意識してしまって…色んな気持ちが見透かされそうで…)
(こんな気持ち、みくに知られたくない。)
(俺の気持ちを…みくに知られるのが怖い…。)
と臆病風を吹かせてしまいます。
そもそもゆきやは自己肯定感が低く、みくの隣に立つ器が育チキってない中で、今回彼氏彼女の関係となることとなったわけなので、それでいきなり手を繋ごうというのはそれなりのハードルの高さを感じてしまうところ。
そんなゆきやの様子を見て、
(なんか、元気ない?)
(ゆきや 人多いとこ苦手だもんな…)
(つまんないって思われたら、どうしよう。)
と、みくも不安げ。
彼女にいらん心配かけさせるとは何事か!と言いたくなりますが、まぁそこはゆきやの心情に免じて許すとしよう。
むしろここで、ゆきやのことを思い心配するみくと、(みくはどんなのが好きなんだろ…)とお互いがお互いを思い合ってるところマジで好き。
あなたが心配してる彼氏くんは必死にあなたのこと考えてますよ!って教えてあげたい。
ゆきやの視線の先に気づいたみくの提案でショップに入る二人。
こういうショップってなんでも売ってすぎて男子が気まずくなるあるあるをちゃんと拾うあたり芸が細かい(笑)
気づくとあたりはカップルだらけ。
周りの当たり前に寄り添い、手を繋ぐカップルを目で追ってしまう。
昼時となりゆきやが選んだ店は…串かつ!
おい!(笑)
アホだけどこういうセンスというか等身大な感じが見てていじらしくてたまらんです。
とはいえ自分であげるタイプの店を選んだのが失敗という事実にはさすがに気づいたゆきや。
(みく、おしゃれしてるのに、目の前に油あったら嫌だろうな〜)(終わったわ…)
と打ちひしがれてしまうが、そんなことはお構いなしにみくは楽しそう。天使。
「え?私こういうのメッチャ食うよ?」のコマ好き。
そしていつもの調子でやりとりをし、楽しそうなみくの姿にゆきやは安堵します。
(俺…全然、彼氏らしくできてないのに。)
(みくの格好、褒めてやれないし、)
(俺の服ダサいし、)
(プレゼントしてやるお金もないし、)
(油跳ねる店、選んじゃうし…)
…うん、さすが少女漫画で勉強してるだけあってやるべきことはよくわかってる(笑)
ただ実際やるのは簡単なことじゃないんだよね。
そこと向き合えるのが、ゆきやの伸び代なのだと思う。
一方みくも、
(…大丈夫かな。楽しんでくれてるかな。)
(ゆきや…すごい頑張ってくれてる。お店もご飯も任せっぱなしなのに…)
(…まただ。また甘えてばかりで…)
(…私ばかり楽しませてもらってどうする…っ。)
(…もっと、頑張りたい。)
(ちゃんと、彼氏として…)(ゆきやに…)
(今日のデート楽しかったって思ってもらいたい。)
え、何この唐突な相思相愛タイム。最高なんですけど。
結局この二人はどこまでいっても、お互いがお互いのことで頭がいっぱいなんですよね。
そんな姿を我々は「尊い」と呼ぶのでしょう。
そして勇気を振り絞った二人は…
ギュッ…
驚き、そして恋人繋ぎに、
「…今日、言えなかった事があって…さ。」
「…その服、すごく似合ってる…」
ここで言うかー!!しかも耳打ちー!!
アオハルかよー!!!
あーたまんねぇ!!!
「…い、今更なんだけどさ…」
「…彼氏なら言うだろ…普通…」
と絞り出すゆきや。
繋いで手から伝わった気持ちは、ゆきやが怖がっていたようなものじゃなくて、
(…これ、きっとゆきやの本当の気持ちだ…)
(彼女だったら聞けるんだ…っ。)
(…覚悟しろ。この3日間で、絶対本音の「可愛い」を引きずり出してやるっ。)
他の客が来て慌てて手を離してしまうも、その右手に残る温もりを感じるゆきやだった。
いやー…これぞ神回よ。
もう神回連発なんですけど、日本は多神教なので許されるはず。
デート自体は1巻5-7話とか、2巻10話の放課後デートとか描かれましたが、今回は(擬似とはいえ)明確に「彼氏彼女」としてのデートですからね。そしてお互いがお互いを思い合って、もっと頑張りたい!楽しんでほしい!って全力で考えてるのたまらんよ。
そしてその頃とは距離感が変わって来ている中でのデートに気後れするゆきや。
(…俺の気持ちを…みくに知られるのが怖い…っ。)
とまで感じてしまっていましたが、実際に手を繋いで、勇気を出して言葉にして、伝わった気持ちはゆきやが恐れたようなことではなく…という演出も見事。
勇気を出して手を繋ぎ、どちらからとなく恋人繋ぎに繋ぎ直すシーン、
「…その服、すごく似合ってる…」と伝えるシーン、
そしてゆきやの「本当の気持ち」をみくが受け取るシーン。
全てが美しく尊い、紛うことなき神回でした!!
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