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愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。第二十八話。

一日一話、愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。今日は第二十八話「幼なじみは抱きしめる」です。

前話で「可愛い子」であり続けるためにも、ちゃんと謝ることを決心したみく。
「…色々、ごめんなさい。」とまっすぐ頭を下げます。
突然の謝罪に驚きつつ、「!…いや、…全然、……」と返すゆきやに更に言葉を続けようとするも上手く言葉が出てきません。
(…言わなきゃ。ちゃんと…あのキスは違う…って。)
(嫉妬して…キスを利用して、ゲームに勝とうとしたんだって…)
口を開こうとするも、ゆきやに拒絶されるイメージが浮かんでしまいます。
(…幻滅されても、仕方ないだろ…っ。)
(汚い手を使ってゆきやを振り向かせようとした…)
(…これは罰…っ。)
と自分に言い聞かせ、なんとか言葉を搾り出そうとするみく。
ここのみくの描写は痛々しく悲愴感に溢れています。
自分自身の「罪」について自覚し、なんとか言葉にしようとするも、ゆきやに幻滅されると思うと何も言えなくなる。そんな苦しさが詰まっています。

そんなみくの様子に口を開くゆきや。
「…どうせ、インスタンの事でムカついてたんだろ?」
「…え?」
「…それで勢いであんな事、やっちゃったんだろ?
「…あ…そ…それはそう…なんだけど…」
「ほら。お前以外誰もフォローする気ないし、二人だけのアルバムにしようと思ってたんだよ。」
「!」
「…ふっ。ドキッとしたか?」
ここね、初めはみくが自分の口で話すまで待つんかな?って思ってたんだよね。でもみくがこんな苦しそうな顔してて、止められなかった自分にも非があると感じていて、何より優しさの塊のゆきやが黙って見てられないかって。
そこにこんな優しい顔で助け舟出すゆきやは、やっぱりゆきやだなって感じさせてくれました。
そんな優しさはもちろんみくにも伝わります。

(…もしかして、無理に言う必要ないって、言ってくれてる?)
「…私……これ以上ゆきやに優しくされる資格ない。」
「…私…ズルくて…女の子として、最低で…」
と話すみく。するとゆきやは、
「え??」
「…まぁ、いいとこばっかじゃないよな。」
「ゲームしてる時すげぇ口悪いし、」
「泣き虫だし、」
「ああしろこうしろうるさいし、」
「一回意地張ったら今みたいにめんどくせぇし、」
「昔みたいに素直じゃないしな。」
と伝えます。
ゆきやの言葉に沈むみく。しかし、
「でも、そういうお前は、…嫌いじゃない。」
「何にでも一生懸命になれるところ、羨ましいし…」
「気に入らない事ズバッと口にできるところ、かっこいいし…」
「あのうじうじ泣き虫が、俺にあーだこーだ言えるくらい立派になったのすごいし…」
「俺ならめんどくさくて放り出してしまう事も、途中で絶対諦めたりしないし。」
ここまで、みくのいいところもそうじゃないところもスラスラ出てくるゆきや。本当にいつもみくのことを見ていて、思っていて、いい面もそうじゃないところも理解していて、そういうの全部ひっくるめて大好きなんだなって感じでとても良い。
それはゆきやからも…。
「俺は、お前のダメなところも、全部…っ、…」
「……尊…敬、安心…」
「…いや…」
「…つまり、」
「…こういうことだよ…」と優しく抱きしめるゆきや。
もうさ、「愛してる」って言っちゃいなよ!!(笑)
いやまぁもちろんゆきや自身反省すべき点はありますし、彼の成長はまだまだこれからなのですがね、もう焦ったいような、でも抱きしめるところは最高なような、なんとも言えない感覚ですわ。
そんなゆきやの優しさに包まれ、
「…どういう、ことだよ…」と絞り出すみく。
照れ隠しにいつものわけわからんことをずらずら語るゆきやに対し、
「ありがとうっ。」と満面の笑みを見せます。
これにゆきやは「…やっぱお前は、笑顔が一番だな。」とあの時と同じ眩しい笑顔で返します。
単行本だと見開きで二人の眩しい笑顔が並んでいてとてもとても良い。ぜひ書籍版を手に取ることをおすすめします。

そんなゆきやの眩しい笑顔にときめくみくの見開きから、見つめ合う二人。近づく二人の距離。そして…今回のゆきやはインスタンにアップすると言い、写真を撮ってごまかすのでした。
みくは完全にキスしにいってたね!まぁでもさっきも述べたように、ゆきや的にはまだ早いのかな。
そこになっちゃんから着信が。
学校を飛び出したゆきやを心配して電話をしてきたなっちゃんに、ゆきやが家に来てくれたことを伝えるみく。それ言っちゃっていいのか…と思ったら案の定、
「え!?やっぱり!?」
「ねーー!!浅葱くん、みくん家にいるってー!!」
「キャアア〜!!やっぱそうだったんだー!!」
「アオハルかよ〜!!」
と盛り上がる女子たち。
みくが慌てて「なっちゃーん!!」と止めるも時既に遅し…。
二人して「明日休む」「私も無理休む。」と言い争いいつもの調子に戻った二人をおばあちゃんが優しく見守っていました。

そしてそんな中でみくは、
「…やっぱり…ゆきや…」
「好き…っ。」
「大っっ好き!」
「…変だ…なんだこれ…」
「昨日の気持ちと全然違う。同じなのに…でも…わかる…わかんないけど…」
「この気持ちは、…嫌じゃない。」
「ゆきやと…キス…したい…」

いやー、たまらんすわ!!やはり最&高です!!
話の冒頭の重苦しい空気感。自分の罪と向き合おうと必死な様子のみく。そんなみくを優しく包み込むゆきやの思い。みくの苦しみが氷解し満面の笑みを見せ、それにあの時と同じ眩しい笑顔で応えるゆきや。
クラスメイトに伝えてしまい電話越しに盛り上がり、いつもの調子で言い合う二人を優しく見守るおばあちゃん。
そしてみくの「大っっ好き!」が溢れるラストまで。
ポキットゲームからの辛く苦しい空気感を見事に「青春のきらめき」へと昇華させてくれました!
特に「…やっぱり…ゆきや…」「好き…っ。」「大っっ好き!」のところめっちゃ好き。そこまでも全部好きだけど、やっぱりヒロインが「好きで好きでたまらない!」を自覚するシーン大好きです。

さて、ゆきやの看病、そしてポキットゲームの章はもう少し続きます。
章としてどんな終わりを迎えるのか楽しみですね!

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