「捨てられない物展」
7月7日の七夕、高橋久美子さんの「捨てられない物展」に行ってきた。
私は姉の影響でチャットモンチーを好きになった。私は姉の真似っこばかりしていたお姉ちゃん子だ。ピアノも小学校の金管バンド部も、読む雑誌も聞く音楽もあれもこれも姉の影響ばかりである。7歳から父子家庭ということもあり、母親に甘える代わりに姉に甘えていた。
姉は高校時代からチャットモンチーが好きで、姉妹の部屋にはチャットモンチーのCDやDVDが沢山あったし、姉がドラムを習い始めた頃にはバンドスコアも並べられた。
姉の影響ばかり受ける私はもちろんチャットモンチーのことも大好きになった。曲は全部聞いてるし、高校受験は図書館でチャットモンチーを聞きながら勉強していた。
姉は大学の軽音部でチャットモンチーのコピーバンドをしていた。大学で姉は家を出たけれど、私もチャットモンチーを聞き続けた。
月日は流れ、姉の結婚式で、姉は大学時代のバンドメンバーと新郎である義兄でチャットモンチーの「バスロマンス」を演奏した。姉はウエディングドレス姿でドラムを叩いた。義兄のキーボードは初心者で鍵盤にドレミのシールが貼られている。
ここで終わりと思わせ、2曲目は私と兄が登壇し、サプライズ。
ウエディング姿の姉は一番前の席に誘導され心底驚いている。
曲はもちろんチャットモンチー。姉の結婚にぴったりの「Good luck my sister!!」だ。
演奏が始まると一緒に口ずさみながら泣いていた。私も歌いながら涙が溢れた。
「世界中で涙が一番綺麗な一日」だった。
姉は時に母親で、親友で、今でも一番尊敬している。だからその姉の結婚式で歌えたことはこの上ない幸せだった。
これらの話をかいつまんでくみこんにお話しした。Good luck my sister!!はくみこんが作詞した曲だ。この話を聞いて欲しかった。
話し下手なうえに緊張してもごもごしてしまったにも関わらず、くみこんは うん うん と優しく頷きながら聞いてくれた。
私は何度も「ありがとうございます」を言うくらいしか出来なかった。
私自身もチャットモンチーを聞き続けたし、ラジオ好きなのでくみこんがパーソナリティを務める番組も聞いている。
本も好きなので、言葉を紡ぎ文章を書くくみこんを好きにならない理由がないのだ。
「捨てられない物」たちを見ていると、なぜか私も懐かしくなった。「捨てられない物」たちがあって今のくみこんがいるんだなぁと思ったら一つ一つの物たちがとても愛おしく感じた。
"くみこん少女"に会えたような気もした。
グッズでは、箱とハウステンボスの陶器のブローチ2つと、エッセイ本を購入した。エッセイ本には、私と姉の名前入りのサインを頂いた。おこがましい話だが、ツーショットまで撮って頂いた。
ブローチの箱の方は姉に送り、もう1つは帰省した際に母に直接渡した。(ちなみに母も姉の影響でチャットモンチーのファンだ。)
すると母がこんなことを言う。
「あれ、これってハウステンボスのじゃない?」と。そのブローチの元になっているのはくみこんが長崎の修学旅行でもらったハウステンボスの陶器だ。
なんと母も新婚時代、父とハウステンボスで同じような陶器を買っていたらしい。
その証拠に、確かに実家のリビングに小さな陶器が置かれていた。
母も「捨てられない物」としてリビングに飾っていたのだ。
こんな偶然があったなんて。このこともくみこんに伝えたい。機会があれば、つたない話を聞いてほしい。
その後、くみこんおススメの蕎麦屋「しらかめ」さんへ。おろし蕎麦とシソジュースを頂く。とても美味しかった。蕎麦はすぐ食べてお店を出るイメージだけど、すぐ帰るのがもったいくらい心地よい雰囲気が素晴らしかった。
サイン入りのエッセイは一生私の捨てられない物だ。
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