MTF分析 全体思考と部分思考

マルチタイムフレーム分析とは、同じ銘柄の時間軸の異なるチャート2枚以上を比較して分析を行う手法である。
 
わかりやすいように今回は日足と1時間足と5分足を表示した場合のMTF分析における全体思考と部分思考の概念について説明し、そのメリットデメリットを考察していく。

MTF分析の優位性

そもそもMTF分析をするのは異なる時間軸のチャートが独立した関係性ではなく従属した関係性であるという前提があるからである。

つまり、日足も1時間足も5分足も相互に影響を与えあっていて、それぞれの動き方によってそれぞれの時間軸の動き方が変わるということだ。

全体思考とは

全体思考とは、2つの時間軸を比較し、上位足と下位足の短期の値動きを狙う思考方法。例えば、日足と1時間足、1時間足と日足を比較するなど上位足と下位足の2種類を設定して分析する。

なぜ、上位足と下位足の2種類を比較するのが全体思考なのか?

理由は、部分思考の説明をすればわかりやすくなるが、ここでは簡単に上位足=下位足という見方をするからとだけ言っておく。

部分思考とは

部分思考とは3つの時間軸を比較し、下位足の短期の値動きだけを狙う思考方法。例えば、日足と1時間足と5分足を比較し、5分足の短期の値動きをとることだけを目的として分析する。

なぜ、上・中・下位足の3種類を設定し、下位足だけを狙うのか?別の言い方をすると、優先度が全体思考の上位足=下位足ではなく、上位足<中位足<下位足なのはなぜか?

その理由は、部分思考は『長期より短期の値動きのほうが予測しやすい』という相場分析の大前提を身体化したものだからだ。つまり、長期よりも短期の認識に比重を置くことで、勝率を高めよう!!というものなのだ。

ここで、全体思考でも上位足<下位足にすれば部分思考なの?と思われるかもしれない。もちろんそうといえばそうなのだが、2枚のチャート比較では『下位足だけを切り取る』という意識が生まれづらい。だから、2枚のチャート比較では部分思考にはなりづらいのだ。

3枚のチャートを比較することによって、『下位足は部分である』という意識が生まれる。

全体思考のメリット・デメリット

全体思考のメリットは、トレードチャンスの多さと期待値の大きさ。デメリットは、チャンスが多い分ポジポジ病になりやすいことと勝率が悪いことだ。

部分思考のメリット・デメリット

部分思考のメリットは、勝率の高さ。デメリットは、期待値の低さ、トレードチャンスの少なさと待ち時間の長さ(忍耐力が必要)。

まとめ

全体思考と部分思考の考え方の違いを簡単に言うと、上位足を取り入れるか上位足を切り捨てるか(環境認識として利用するだけ)の違い。

全体思考と部分思考のメリット・デメリットを簡単に言うと期待値をとって勝率下げるか、勝率をとって期待値下げるかだ。

個人的には部分思考のトレードがおすすめだ。上位足をスルーして下位足を優先させなければならない手間と忍耐が必要な分、勝率が高いし、期待値が低いといっても全体思考のトレードと比較した場合の話だ。

また、期待値の高さよりも勝率が高いほうが精神的に安定したトレードができる。





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