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年金制度の破綻を招く最大の敵とは?

みなさま、こんにちは!
Global Investment Academyの両角です。

連日”災害級”の猛暑が続いていますけど、体調崩されてないですか? 私は冷たいものを飲みすぎちゃっているのがいけないのか、少し胃がおかしいかな。。

そんな中、私はおとなしく、この本で新たな投資戦略を練り直しています(とても学びになる一冊です!) 目の前の課題・問題に対応することも大事ですが、やはりこういう時期だからこそ、一歩、二歩先をみて行動しないとですね^^

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引き続きコロナの感染リスクもあるので外出を控えている人もまだまだ多いですが、室内でも熱中症になる可能性もあるので、水分補給と適切な温度管理に気をつけて過ごしてくださいね!

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実体経済と株価にある大きなギャップ
ゴルディロックス相場は継続できるか!?

実体経済と金融経済がこれほどマッチしていない時期って過去あったかな? 今の株価を見てて、そんな思いがよぎるほど、実態を反映していない株価の動きに違和感を感じています。

4-6月期のGDPは、米国が前年同期比で▲32.9%、ユーロ圏は同じく▲42.8%を記録するなど、リーマンショック時のGDP減少幅のほぼ倍の大きさとなりましたが、当初の予想と比べてサプライズも少なかったことから、市場ではリスクオンが継続され、NYダウも日経平均株価もコロナショックが起きる前のレベル近くまで回復して来ました(ハイテク株中心の米国ナスダックについて史上最高値を更新)

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(商工中金「国内・海外・金融経済データ」から引用)

中国と欧州では、感染第2波の抑え込みにある程度成功している一方、米国では感染者数の増加傾向が続いているにも関わらず経済活動は総じて回復を見せています。

それに対して日本は、GO TO トラベルが直接的な原因ではないにせよ、感染拡大の第2波が東京以外に拡散するなかで消費者の自粛ムードが再び強まり、感染拡大阻止と経済活動との両立に苦慮しているようにも思えます。

安倍さん!こんなご時世だからこそ、もっとリーダーシップを発揮して、何とかこの局面を乗り切れるように矢継ぎ早な施策を打ち出してくれー、と願っているのは私だけではないはずです。

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世界中がこの混乱を乗り切ろうと、大規模な金融緩和策を打ち出していることから、市場に溢れているお金がリスク資産に向かい、今のような株高・金高という珍しい環境を作り上げています。

また、大統領選挙まであと3ヶ月を切った米国では、現職のトランプ大統領の選挙対策の一環かもしれませんが、現行の2.9兆ドルの経済対策に追加で1兆ドルを拠出することも検討されており、《低金利》《低インフレ》《安定成長》が加わった【ゴルディロックス経済】が米国だけではなく、世界中で継続されていくかもしれません。

投資する環境としては良い材料が揃っているので、タイミングとしては好ましいですが、何でしょうか、、、この違和感というか、胸の奥で感じるザワザワ感・・・

ま、この波に乗れないことで利益をあげられるチャンスを逃すかもしれませんが、個人的にはやはりこのまま一本調子で右肩上がりに行くとは思えないし、そろそろ何かをキッカケに相場が反転するのでは・・・・ そんなことを考えつつ、いつ大きな下落局面がきても大きな損失が出ないように、引き続き脇を固めておこうと思います。

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資産運用のキモはあくまで長期!
世界最大の機関投資家から学ぶ極意

そんな中で、8月7日に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が発表した運用状況に関する速報によると、2020年度第1四半期(4-6月期)の運用益は12兆4868億円、収益率8.30%を記録。結果、6月末の運用資産残高は162兆926億円で、3月末の150兆6332億円から大幅に増加した、とのニュースが入ってきました。

この期間は、新型コロナウイルスを封じ込めるためのロックダウンが各国において徐々に解除に向かい、経済活動の再開や各国政府による手厚い財政政策・金融当局による積極的な金融緩和策を受けて米国を中心に経済指標が改善し、国内外の株式市場は大幅な上昇。また、為替は対ドルでは概ね横ばいも、対ユーロでは円安が進行したことが背景にあるようです。

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そもそもGPIFは、我々国民に変わって、現役世代が支払っている年金保険料の一部を年金積立金として運用している組織です。世界最大の機関投資家としても有名で、その豊富な資金力から「クジラ」とも呼ばれてもいます。

今回四半期で約12.5兆円もの運用益を出したとのことですが、これは運用が始まった2001年以降最高の利益で、これまで最高だった2016年第3四半期の10.5兆円を約2兆円も上回る結果となりました。

そして今回の大幅な運用益も含め、過去20年間でGPIFが年金積立金を運用してきた結果、約70兆円というとんでもない金額が生まれているのです。もちろんこれも立派な資産運用・投資ですから、今回のように良い時(=運用益)もあれば、前期のように悪い時(=運用損失)もあります。

下のグラフでも見て取れますが、これまでにも前年を上回った年は13回あるのに対して、下回った年は6回あります。悪い成績だったときに限ってメディアはボロクソに叩きますので目立っちゃいますが、あくまでも長期スパンでコツコツと運用し続けてきたことによって、70兆円もの利益が積み上がった訳です。

年金という無くなってはいけない資産をリスクの高い株式とかで運用するなんてけしからん!というような声もチラホラ聞こえてきますが、結果的には資産ポートフォリオの割合を崩すことなく、そのまま運用し続けたことによって、今回のような過去最高の運用益、V字回復に繋がりました。

まさかGPIFは、その時点で株価や経済がここまで回復することを見破っていた・・・!? さすがにそんなことはないでしょうけど、この結果を見る限り「あっぱれ!」マークをあげたくなりますねw

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手持ち資金を増やすためにリスク資産に投資して運用をした結果、3月頃のコロナショックみたいな予期せぬ相場の急落があることで、逆に資産を減らしてしまい、経済的な損失に加えてメンタル的にもやられてしまうことがあります。

時には「もう投資は怖いからやめてしまおう・・・」と思って、市場から退出してしまう人も少なくありません。

しかしながら、相場は一方方向のみ動くことはなく、タイミングの早い遅いはあるにせよ、必ずどこかで戻ります。今回のGPIFの運用成績を見る限り、まさにそれを実現した良い例でもありますし、市場から退出した人は、今回のような戻りによる恩恵を得ることはなかったと言えます。

改めて資産運用を継続して続ける大切さ、みたいなものを今回のケースから読み取ることができたかと思います。

年金制度の破綻を招く最大の敵とは?
だから資産運用は必要なんだ!

せっかくなので、年金の話題が出たのでもう1点。意外と多くの人が誤解をしている点について話します。

それは、あくまでもGPIFが運用しているお金【年金積立金】というものは、毎年支払われている年金の原資ではないということです。「え、どういうこと?」と、頭に?マークが浮かんだ人は引き続き読んでくださいw

日本の公的年金の仕組みは《賦課(ふか)方式》といって、その時点での現役世代が払い込む年金保険料が、その年の年金受給者に支払われており、過不足が生じた時だけ、この年金積立金から支払われる仕組みになっているのです。つまり、年金積立金は、年金支払い原資のバッファー、調整金という意味合いがあるのです。

上で見たように、2020年3月末時点で年金積立金の残高は約163兆円。一方で1年間に支払われる年金総額は約55兆円程度ですから、約3年分に該当する大きな数字です。先進国でここまで大きな積立金を持っている国はほとんどおらず、米国では約2.5年分、英国は2ヶ月分、ドイツは1.5ヶ月分、フランスに至ってはほとんど積立金がないと言われています。ご存知でしたか?

日本はすでに少子高齢化の時代に入っており、これまでと同じようには行かないことも事実としてありますが、高齢化のピークを迎える2040年までに、この70兆円を上手に使うことができることから、日本の年金制度は崩壊する!と不安に感じている人がいれば、ぜひこのことを教えてあげましょうw

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ただ、大きな問題があります。インフレです。

インフレとは一言で言えば、物価が上昇することを意味しますが、これは同時にお金(紙幣)の価値が逓減するということでもある訳です。

現在新型コロナウイルスによって落ち込んだ経済を立て直すためにも、世界各国で未曾有の金融緩和策が行われています。例えば、米国では1兆ドル、ユーロ圏では7500億ユーロ、日本でも200兆円とも言える大量のお金が市場にばらまかれています。

今は経済を回すためにこのような財政出動は仕方のないことですが、何とか経済が戻ったとしても、積み上がった借金はなくなる訳ではありません。というか、むしろ景気が良くなったときには金利が上昇しますので、その利払いだけでもとんでもない金額になることは、算数がわかる人なら理解できる簡単な話です。

そうなれば、いくら現時点で年金積立金が163兆円あったとしても、インフレが進むことによってその価値はどんどんと逓減していき、もしかすると近い将来、パン1斤買うのに10万円!というようなハイパーインフレが来る可能性だって、決してゼロではないのです。

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そうなった時にでも困らないように、GPIFはただ現金で積み立てて置いておくのではなく、多少のリスクはあるにせよ、株式や債券などのリスク資産に振り分け、運用しているという訳です。理にかなっていますよね!

あと、下のチャートはGPIFの基本ポートフォリオですが、株式と債券が半分ずつ、また国内と海外も半分ずつというような割合が基本形となっています。

ただ、2020年6月末の時点で外国債券が全体の21.81%と、本来理想とする25%に届いていません。これはそれぞれ運用した結果ですので、割合が常々変化してくのは同然ですし問題ではありませんが、理想の形にリバランスするのであれば、単純平均で5兆円ほどの外国債券の積み増しが必要な状態です。

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GPIFの宮園理事長によれば、この積み増し分ついては米国債だけではなく、ユーロ圏債券を重視して行く考えがあることをBloombergのインタビューで答えています。ユーロ圏はコロナ対策支援の一環として、欧州復興基金を巡る合意を受けて各国がまとまりつつありますし、感染拡大をある程度コントロールできていることが市場では評価されているようです。

まるっきりGPIFの真似をすれば、必ず良い結果が出るということではないですが、厚生労働省の管轄下で、プロの金融機関の精鋭たちによって行われているGPIFの運用は、私たち個人投資家の資産運用の参考になるのも多いはずです。

こうした要人の発言なり方針については、我々の今後の資産運用のプランを練る際にも参考にすると良いでしょう!

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