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Episode.3 新たな友達【侑久side】

 10月16日、トイレ前の水道。俺は、歯を磨いていた。清潔感のためと、単純に口の中が気持ち悪いから歯を磨く。俺が歯を磨き終えると畳が来た。
「侑久! 情報を入手したぞ!」
と。どうやら、光と亀山の情報を教えてくれるらしい。
「教えてくれ!」
俺は畳に階段近くの踊り場へ連れてこられた。
 踊り場。
「侑久、メモ帳と書く物は?」
畳が持ち物を確認する。
「持ってる……」
俺はブレザーのポケットから無地のメモ帳と、短くて削れない鉛筆を取り出す。
「まず、光についてなんだが……浮気している。同じクラスで2股しているんだ……相手は、岩田と亀山」
俺は畳の言ったことをメモする。
「あと……侑久、島崎に告白された?」
畳は問いかける。
「え? いや、まぁ……まだ返事してないけど」
俺はまだ返事していないことを伝えると
「島崎の告白を断れ……」
畳が言う。
「俺は女嫌いだけど、傷つけたくないんだよ……それに、どうやって別れたら良いのか……」
俺が悩んでいると
「俺様が何のために『花びらが散る頃に』買わせたと思ってんだ?」
畳が怖い顔で睨みつける。俺は必死に物語を頭の中でフラッシュバックさせる。すると、ある1シーンが頭をよぎった。
ーー別れのシーン
「エリ! 話があるから来てくれ!」
俺はエリを呼ぶ。エリは俺の後を追った。
 空き教室。
「エリ、すまんな……何ヶ月も告白の返事待って」
俺はエリに謝る。
「大丈夫! もうソウタの返事分かってるから!」
エリは俺に抱きつく。
「じゃあ、言うよ……NOだ」
俺はエリの告白を断った。
「え……」
エリは俺から離れる。
「な、なんで!」
エリは叫ぶ。そして、目から涙が出始めている。
「俺、あのバドミントンの時に曖昧だけど……エリがアヤカを保健室から追い出す声を聞いたんだよ……そこの自己主張的なことが嫌いだ」
俺はエリに告白を断った理由を言って、去って行った。エリは膝から崩れ落ちて声を上げて泣いていた。
ーー
「俺がソウタのセリフを言うわけだな……しかも、保健室で告られたのも真実だし」
俺は、あの小説とリアルな生活が合致していることに気づく。
「どうやって断ったか分かるな?」
畳は去ろうとする。
「待て! 俺はあのバドミントンの時はマジで記憶ないから……教えて欲しい」
俺は畳を止める。
「保健室の前で、亀山が泣いていた」
畳はその一言だけ言って去った。
《女を泣かす女は……女の敵だ》
俺は島崎をフルことを決意した。

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