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Episode.5 三学期

 2021年1月10日。私はゆっきーと一緒に下校していく。
「俺の家、ホントなら従姉居るんだけど高校入試の1ヶ月前に沖縄に行っちゃって……」
ゆっきーの家系は両親の都合で従姉の家に居候しているらしい。
 源家。ゆっきーの従姉の家は、大金持ちなのか、かなりの豪邸に住んでいた。
「ちょっと待ってて」
ゆっきーが先に、家の中に入る。
「あれ? ネーネーの靴がある……」
ゆっきーが、何かを発見したらしい。ネーネーとはお姉さんのことだろうか。
「ゆっきー! 帰ってきた?」
女性の声がする。
「珠音ネーネー!?」
ゆっきーが驚く。
「私もいるよー!」
もう1人の女性の声がした。
「音海ネーネー!?」
ゆっきーの驚きが止まらない。
「「ゆっきー……今、ネーネーしか居ないから全裸になろうよ?」」
「やめろ! 俺は裸族にならない!」
ゆっきーが女性2人に襲われている。お姉さんなのか、浮気相手なのか知らないけど助けないと。
「ゆっきー!」
私がドアを開けると、ゆっきーが年上の全裸の女性に服を脱がせられていた。私はその光景が浮気現場のように見えた。私はドアを閉めて逃げていった。
「あの人は誰?」
1人目の女性がゆっきーに話しかける。
「俺のガールフレンド」
ゆっきーが答える。ゆっきーは手を握ったことが『YES』の返事だと教えてくれた。
「「嘘!」」
女性2人は驚いていた。
「ホント……」
ゆっきーは呆れた声で言った。私はまだ知らなかった。これが私の勘違いだった事に。

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