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ぼちぼち、ボチじまい

時代

 通用していた考え方は既に通用しない。
 
 子供達が大勢いて外で遊ぶ姿を見かける事はなくなり、兄弟喧嘩する場面を見る事も少なくなった。
 一人っ子が主流になり兄弟、姉妹はほぼ見かけないし、そもそも結婚をしない事も少なくないし、結婚すると子供が出来る訳じゃない。


浅川家

 一人娘の万奈が彼氏を連れて来た。
 父の私の内心面白くないが、どうやら娘と寛太君は本気らしい。
 彼の名前は佐藤寛太で万奈より2才年上で一人っ子らしく、“婿”には向かない…。
 談笑しながら切り出すと、「婿養子の事は万奈から聞いていてます。よろしくお願いします。」


佐藤家

 結婚して五年後に寛太は万奈と息子の“遥”を連れて帰省した。
 寛太の父親は孫の顔を見ることなく、一昨年他界してしまい“佐藤家”のお墓に…。
 「せめてお墓参りをして孫を見せたい」と寛太が言い出し揃って行き、家へ帰ってから寛太の母の聖子がぽつりと「お墓か入るのね…」と…。


墓問題 


 人はその時を生きている、結婚に喜び、子供の誕生や孫の誕生に素直に嬉しくなる。
いつも元気で健康な訳じゃなくて…、
 親が他界する頃に、自分の順番が来ることを感じはじめて…。
 “ 墓をどうしよう…?? ”

 生きて行くだけで精一杯の時代に、墓なんて考える余裕がない!!

 墓がない人はつくり、ある人はしまう事に…!
 自分が死んでからでは、どちらも出来ないけれど、生きている今も出来ない時代に…!


お寺さんの営業 

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 ………… おしまいだよ〜 …………
 
 



 


 
 
 
 

 

 


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