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化粧品成分、絞り込みが必須

おはようございます、化粧品開発者のけいです。
最近初めてコロナに感染しました。熱が上がったり下がったりと、振り回されました。
看護師さん曰く、最近は初感染の人が増えているみたいです。
皆さん今一度しっかり予防していきましょう!

2023年9月27日~29日にインテックス大阪で開催される化粧品開発展に行きます。
当日お越しになる方がいらっしゃれば、会場でお話しできれば嬉しいです!
第4回化粧品開発展【大阪】2023|主催:RX Japan株式会社 (cosme-week.jp)

さて、アルビオンが植物の実用化に成功したようです。
原料はこのように開発されているという事例をご紹介したいので記事を貼っておきます。
20230824.pdf (albion.co.jp)
 
今回は前から解説していました化粧品OEM業界の問題点(課題)の解決法【3回目】です。
早速ですが、現状の問題点は以下の5項目です。
1.過剰な宣伝
2.高価格
3.不必要な成分が多い
4.環境への負荷
5.個人差
 
今回は「3.不必要な成分が多い」について詳しく解説していきます。


不必要な成分が多い(問題点)

化粧品を作るとき、この成分が入っていればイメージが良いから入れたい、というご依頼は多くあります。
みなさんも化粧品を選ぶとき・使うとき、天然由来の成分が多いと、肌に良いかも!と思うことはないでしょうか?
なんとなく良い、イメージが良い、というのは間違いありませんが、むやみに多種類の成分を入れるのは商品の訴求ポイントを見失い、必要以上のコスト上昇にもつながってしまいます。
ここでは成分をいかにしぼり、適正なコストで、効率的な化粧品に仕上げるかについて解説していきます。

不必要な成分とは・・・

化粧品には多くの成分が存在します。

みなさん、化粧品成分って何種類あると思いますか?

日本化粧品工業会 の「化粧品の成分表示名称リスト」では15,000種類を超えています。
参考:化粧品の成分表示名称リスト | 日本化粧品工業会 (jcia.org)

こんな数多くの成分の中からどうやって化粧品を作り出すのでしょうか?
はじめに、

化粧品とはどのような成分(原料)で構成されているのか?

これについて解説していきます。
 
化粧品は以下の6つの成分から構成されています。

その中でも水性成分(水含む)、油性成分、界面活性剤の3つは「ベース成分」と呼ばれ、化粧品の70~90%はこのベース成分で構成されています。
ベース成分に機能性成分、安定化成分、その他成分が加わって化粧品が完成します。
図に表すとこんな感じですね。

そして、アイテムごとにベース成分の構成比が変わります。各アイテムの成分構成は以下のようになります。
この構成比はベース成分が占める割合をわかりやすくするため、機能性成分、安定化成分、その他成分の割合をあえて統一しました。

上記は一般的な構成比となりますので、商品によって異なります。
なお、美容液は一般的な考えとして機能性成分(保湿成分や美容成分)の割合が高くなり、肌悩みに応えるものや期待できる効能効果がほかと比べて上がります。ただ、あえてここに入れていないのは、美容液には明確な定義がないため「機能性成分が何割以上入っていないと美容液と呼べない」などがないためです。つまり化粧品を販売する会社が美容液と言えば、それは美容液となります。

このように、ベース成分の構成比はそれぞれ違うものの、そのほとんどを占めるのがベース成分であることがお分かりいただけると思います。
ベース成分はその化粧品の土台となるもので、「なくてはならないもの」です。
安定化成分は化粧品の品質を守る上で重要なので、こちらも不可欠です。
そうなると・・・

不必要な成分とはいったい何なのか・・・?

ここで言う不必要な成分というのは主に「機能性成分」「その他成分の香料」のことになります。
もちろん実際に不必要なのではなく、商品コンセプトに合わせた成分・香料の選定が必要になります。

商品コンセプトを明確にしておく

化粧品に使う原料には1kgあたり数百円のものから数十万円するものもあります。そのような高い原料を配合することによって価格が跳ね上がったりします。
機能性成分で言うと、例えばフラーレン、ヒト幹細胞、CBD(カンナビジオール)などは非常に高価な原料です(他にも多くあります)。
これらを配合する、もしくは効果を得られやすくするために「配合量を多くする」と値段が高くなり、
希望価格に合わなくなってしまうことがあります。
そして、全体に言えることとして、合成系(人工的な)成分よりも「天然由来成分」の方が値段が高いです。
商品コンセプトが「天然由来100%」ということであれば良いのですが、そうでない場合はむやみに天然由来成分を入れることは控え、今一度必要な成分なのかどうかを考えましょう。
 
【天然由来成分とは】
天然由来成分とは天然の動植物成分に化学処理(抽出・精製・加工など)を加えたものです。
よく似た言葉に「天然成分」がありますが、こちらは化学処理ではなく、圧搾や粉砕・蒸留などの物理処理で抽出したものです。
 
化学処理されていない方がなんとなくイメージが良さそうな感じがしますが、物理処理では取り除きたいニオイや色は残ってしまうため化粧品やスキンケアの原料にはあまり適しません。
化粧品原料として使用できる成分に仕上げるためには、ニオイや色素の元となる不純物を取り除く、精製をはじめとする化学処理が必要不可欠になります。
 
 
そして、香料についても注意が必要です。
香料には2つの種類があり、合成香料と天然香料(精油)があります。
それぞれの説明は以下の通りです。
 
合成香料
合成香料は人工的に化学反応を使って作られる香料のことです。
石油系の原料で化学合成された合成香料や、天然成分も含んでいる半合成香料などがあります。
合成香料の種類はとても多く、よく使われているものだけでも500種類ほど。
これらを何種類も組み合わせたものが「香料」として利用されています。
 
天然香料(精油)
天然香料(精油)とは自然界の動物や植物から得られる香料です。
天然香料は植物から作られることが多く、ローズ、ジャスミン、ペパーミント、ローズマリー、グレープフルーツ、レモングラス、バニラなどなじみのあるものが使われています。
動物性の天然香料の場合はジャコウジカやジャコウネコの匂い袋から作られる香料などが代表的です。
天然香料は食品衛生法で定義され、約600品目が天然香料として認められています。
 
それぞれを比較したのが以下の表です。

市場に出回っている化粧品の中から、この香りが良い!この香りで化粧品を作りたい!となった場合、
「調香(希望の香りに仕上げる)」という作業が必要になります。
香りにこだわった場合、一から作らないといけませんので香料代が結構かかります。
ここでも言えることが、合成香料よりも天然香料の方が高いということです。
上の表を念頭に置いて、コストを削りたいときに本当に天然香料にこだわる必要があるのか、
こちらについても考えてみると良いでしょう。
 
あとは、進めていく中でOEMメーカーから化粧品サンプルが提出されます。
このタイミングでサンプルに配合されている「全成分表」というのも同時に届くので、コンセプトと全成分を照らし合わせてどれが必要ないか、逆にどういう成分が必要か、というのを再検討することで希望商品に近づけるはずです。
 
 
いかがだったでしょうか?
色々お話ししましたが、イメージが良いという理由のみで配合するとコンセプトに対して価格が釣り合いません。
その化粧品の本当の良さが薄くなってしまったり、商品コンセプトを見失う可能性もあります。
配合成分(機能性成分)や香りは、商品コンセプトを明確にすることによって絞り込むからこそ、良さが際立ちます。
ぜひ活用してください!
 
それでは市場にも目を向けてみましょう。

市場商品の実用例

ハイエストスタンダード


Amazon.co.jp: (White Gorilla ) ホワイトゴリラ UV バーム SPF50+ サンゴ礁を壊さない ウォータープルーフ 日焼け止め 固形 45g : ビューティー

こちらはハイエストスタンダードさんのホワイトゴリラUVバーム(日焼け止め)になります。全成分は以下の通りです。
 
酸化亜鉛、酸化チタン、パルミチン酸エチルヘキシル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル‐ 2、トリエチルヘキサノイン、キャンデリラロウ、リンゴ酸ジイソステアリル、ジメチコン、ハイドロゲンジメチコン、トリエトキシカプリリルシラン、カルナウバロウ、シリル化シリカ、シリカ、水酸化Al、ステアリン酸、BHT
 
全成分で16種類。多いと60種類や70種類も入っている化粧品もありますので、いかにシンプルであるかがわかります。ただし、日焼け止め効果は抜群です。私も使用したことがありますが、まさに効果を求めるならばコレ。成分のムダがなく、実際の効果や使いやすさで勝負する化粧品の完成形という印象です。

資生堂


ドゥーエ クリーム 30g 資生堂薬品 メール便送料185円 :4987415973661:コスメ アべニュー - 通販 - Yahoo!ショッピング

資生堂さんのドゥーエクリームです。こちらの全成分は以下の通りです。
 
水,スクワラン,水添ポリデセン,グリセリン,BG,テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル,キシリトール,ホホバ種子油,ベヘニルアルコール,バチルアルコール,ステアリン酸グリセリル,イソステアリン酸PEG−60グリセリル,水添パーム油,パーム核油,パーム油,クエン酸Na,クエン酸,トコフェロール
 
全成分18種類。こちらも非常にシンプルで、使用感に力を入れている商品であることが想像できますね。

事業者向け、個人向けのオリジナル化粧品の製造を始めました!

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写真引用元
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