整理整頓

家にはあまりモノを置いておきたくない。

家の中がごちゃごちゃしているのは好きじゃない。でも、普段の生活の中でいつの間にかモノが増えていく。一人暮らしなら自分でコントロールできるが、家族と生活しているとなかなかそうはいかない。子供がいるから尚更家の中が片付かない。

特に厄介なのが、郵便物の類。自分宛てに届くものなら即座に目を通して処分するか保管するか判断できるが、妻宛の郵便物なんかは自分ではどうしようもない。気づくとソファの上に山積みになっている。封書、ハガキ、DM、会報誌、娘の小学校からのお便り・お知らせ。その種類は多岐にわたる。
勝手に片付けようものなら、後から思い出したように『ここにあった○○から来たハガキ知らない?』と問い詰めらる。「大事なモノなら自分でちゃんと管理しろよ…。」と内心では思うが、決して口に出したりはしない。
だから、不用意に妻宛の郵便物を廃棄することはご法度。
僕にできるのは溜まった郵便物を仕分けして、「後でいいから、確認してね」と言わんばかりにテーブルの上に並べておくことだけ。

それでも、いつまでたっても放置プレイが続くので、妻の郵便物専用のトレイを100均で購入し、まとめて入れておいたのだが、いつのまにかトレイからはみ出してしまっていた。放置プレイ続行である。トレイの意味を成さなくなったので、今は重ねて置いておくだけにしている。

僕の考える整理整頓の基本は単純明快。
①モノのカテゴリー分けを行う
②使わないものは処分する
③置く場所を決める
④使い終わったら決まった場所に戻す
これだけである。
③が決まれば、ある程度使ったモノを出しっ放しにしても、片付ける時に置き場所に迷うことなく迅速に収納できる。決まったところに収納していればモノを使うときも素早く取り出せるし、モノを失くすリスクも減らせる。
ところが、③が定まらないと『あれ?どこにしまったかな??』が頻繁に勃発する。
困ったことに我が家の妻君はしょっちゅう『あれ?どこ??』状態に陥る。『あれ?どこ??』状態に陥った彼女は、半ば半狂乱となり家中くまなく探し回る。「そんなところには絶対にない」と思うところまで探し回り、不機嫌になり、終いには『もう!私、すぐ失くすから、パパが全部管理して!!』と宣う。全部!?無理です…。
特に困るのが、小学校からのお便り。子供に持たせるものや、行事予定などが書かれたお便りを紛失するとたちまちパニックに陥る。『あれ?どこ??』状態からお決まりの矢が飛んでくる。『だから言ったじゃん!!パパがちゃんと見ててよ!!!』すいません、わたくしそのお便りの存在すら把握しておりません…。

僕の意に反して我が家はモノの多い家である。妻君の実家でもある我が家はKSGG(義父)の所有物が腐るほどある。飾ることのない壺や掛け軸などの美術品(おそらく二束三文の価値しかない&そもそも飾るスペースがない)。動いているのを見たことがないプリンター。綿のへたり切った座椅子etc…。おそらくその全容を把握している者は家中には居るまい。

以前、僕の実家を取り壊す際、父親から『家の中の要らないモノを捨てるから、その前に要るモノがないか見に来てくれ。』と連絡があり、妻君とKSGGと車で向かった。
僕の実家も負けず劣らずモノの多い家で、見栄っ張りだった祖父がどこからか買い求めた美術品や古い家電がたくさん残っていた。僕は数年前に実家を出ていたため、残っている自分のモノは不要なモノばかりだったから、使える家電や家財が少しあれば我が家に持ち帰ろうと思っていた程度だった。
ところが、KSGGは前述の通り、美術品に目がなく、額装されたイミテーションの小判や模造刀やサイドボード(飾り棚)を持ち帰ると言い出した。『これうちの何処に飾るの?』と妻君に耳打ちしたのは言うまでもない。
僕の祖父は自前のモーターボートを所有するほど釣り好きで、僕が子供の頃は家に大量の釣竿が置いてあった。祖父が亡くなってから父親がずいぶん処分したが、それでも何本か残っていた。
驚いたことにKSGGはその釣竿も持ち帰ると言い出した。自分では全く釣りなどしないのに、竹製の釣竿は高価だからと言って、そそくさと自分の軽トラックに積み出した。一体、どういうつもりなのか全く理解できなかった。そのとき持ち出した美術品や釣竿は未だに家のどこかに眠っている。

我が家には二階建ての車庫があり、車二台分のスペース以外は物置として活用している。そこにもすでに役目を終えたモノたちが無数にあり、今年の春にかなりの数を処分した。しかし、前述した通り母屋の方は手つかずで早急な全容解明が求めらる。しかしながら、KSGGがその障壁となるので、召されるのを待って着手しようと目論んでいる。
それが叶ってから、前述の①~④を実施し、全てを僕の管理下に置こうと思う。そのとき妻君の求めに全力で応じることが可能となる。それがいつのことになるのかは正に神のみぞ知るといったところだ。

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