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ドラマ感想文「波よ聞いてくれ」第6話

次回予告を見たときから嫌な予感はしていましたが、今回はドラマ版オリジナルストーリーでした。 『波よ聞いてくれの』原作漫画ファンとしては嬉しくない演出です。 終盤のシーンに出てくる台詞が、原作漫画

誰かを笑いモノにするんじゃなくて、自分が恥をかいて起こる笑いがいちばん尊いよ

沙村広明『波よ聞いてくれ』第4巻p98

のという言葉のオマージュになっていたので、ドラマ版オリジナルエピソードもそれを意識して作られたのかなと推察します。

オリジナルエピソードはラジオパーソナリティの発言で炎上騒ぎが起こる話でしたが、登場人物がより倫理的に問題な行動をしていたのは明らかに第1話の方です。主人公ミナレが居酒屋で発言した人種差別的内容然り、それを盗録してラジオで流したディレクター然り。人の容姿を笑う様にはムカつきますが、感情抜きの話では第1話の行動の方が問題あります。

もっとも、第1話での登場人物の問題行動をごまかして、無難なエピソードで炎上問題を扱ったところが、ドラマ製作者の技量なのでしょう。その辺りから生じた違和感を辿ることで、原作漫画の魅力を再発見した回でした。

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