今は暗底にいる手放した想い。/🏮

※暗めのお話です。かつての彼女のお話です。
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透花は、想いを伝えることを、その声を上げることを厭わない人だった。小さい頃からそうなんだよ。

最近来たけど、この想いを背負い守っていた
僕にとってはずっと見てきたようなものだ。

誰かのために生きれる人。
揺るぎない覚悟を持って生きる人。
人の痛みを悲しみも知っている、理解できる人。
知らないのなら理解しようとする人。勉強する人。
人を愛し、言葉を愛し、寄り添い、慈しみ、
人のために泣いて喜んで心から祝福を祈り願う。

一度信じた人は裏切られてもその目で見ても悪意を受けても何がなんでも守り通す。そう決めたからにはボロボロになるまで気付かない。希望を描いて前へ歩みを止めない。

どん底でも足掻いて耐える、泥中の蓮のごとく。
夜明け前の1番の暗さを持ってしても、それは生きることだと。本来なら死ぬはずの命。希死念慮も未遂もあるけど、きょうだい皆の命を抱えているから死ねないと。同じ胎の中、3人の命を賭けて残り産まれ落ちたのなら、生きるしかない。生きねばと。


本来の彼女は、そんな人だ。


そんな揺るぎない覚悟を優しさを想いを、
教室の人から、後輩から、友人から、大人から、
何度も何度も無碍にされ見下され嗤われた。いじめられた。願い祈っても裏切られた。貶された。優しさを逆手にとって手のひら返し。優しさを良いように、どうせガチギレしない、怒れないだろうと。
いとも簡単にこき使われた。

信じて想う相手はそんなの望んじゃいない。
届かないと知った。救えないと知った。青春は望んじゃいけないと知った。

できなかった微かな幸せをできたのなら、
抱えてそれを愛せということをつくづく思い知らされた。

人生は続く。もうこれ以上、彼女が消えないように。存在を無碍にされないように。

恨み、憎しみ、哀しい殺意で飲み込まれないように。怨恨が彼女の心を覚悟を壊さないように。


僕らが紡いで心を思考を僕らで代わって、生きるしかない。

それしか今は方法がない…休もうとしないから。

だから僕はその想いを、覚悟を、灯し続ける。