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伊予灘剛腕物語第18話『獅子奮迅の勢い。本命を狩る剛腕』








・"敵ラシキモノ見ユ"

待ちに待った10月。
とは、言ってみたものの、まだまだ海は夏を引き摺っている状況で、高水温。
秋の五目釣りを楽しみたい季節ではありますが、自然はそう簡単では無いようです。
欲張りな剛腕は、しまなみで秋のアコウとマダイを一発仕留めてやろうと企んでいました。(本音を言うとどちらか釣れれば御の字って感じ。)
一応、青物狙いのジグやプラグ類とエギも持参。
おそらく今年最後のしまなみ釣行になると思われ、かなり気合いの入った釣行となっていました。


現地到着は、午後5時頃。
第1釣り場に到着し、準備に入りました。
海を眺め、潮の流速や方向を確認。
満潮は午後7時頃。
干潮は翌日午前1時半頃。
※今治港参照の為、差異アリ。


父も同じく海を眺めていると、

父「ボイル!青物だ!」

いきなり叫び出し、焦ってルアーロッドを取り出す父。
同じタイミングで海を見ていた剛腕は確認出来ず疑いの眼差し。
とりあえず釣られて剛腕もルアーロッドを準備。
なぜ偏光グラスをかけている剛腕には見えずに、かけていない父に見えるのか?
何かと見間違えたのか?
そんな疑いを持ちながら、準備完了。
父はジグを投げていますが、剛腕はトップから。
BlueBlueのガチペン130をセット。
左から右へ流れる潮に対し、アップクロスに投入。ドッグウォークで誘います。

いきなり自分のガチペンを見失う剛腕。
あ、いつものことか、、、
キョロキョロしながらドッグウォークを続けます。(出来ているか不明)

「ボコンッ!」

あー、ホントにボイルした!青物おるな~
なーんて感心していたらPEの弛みが無くなり重みが乗ります。
あ!ガチペンに出たんや、
(気付くの遅くて草)
3度4度ロッドを煽りフッキングさせます。
ドラグフルロックで強引にやり取り。
シモリが点在しており、擦られたら一巻の終わり。入手困難なガチペン130をロストする事になってしまいます。(それだけは嫌)
あっという間に足元まで寄せ、父が玉網でランディング。

ルアーは網の中で外れました。

65㎝のヤズでした。
肥えているほうではないでしょうか。
血抜きと神経絞めを施し、クーラーへ。
関西ではハマチ。関東ではイナダ。
でしょうか?
サイズ違いの地方名が多過ぎて訳分からん。
"ワカナ"はどこ地方の呼び名でしょうか。
ちなみに北陸地方の"フクラギ"は響きがカッコ良くて好きです。
《タックルデータ》
ロッド:20ルナミスS100MH
リール:19ヴァンキッシュ4000MHG
PE1.5号。リーダー:フロロ8号。


満足した剛腕は投げ釣りの準備に取り掛かります。明るい内にチャチャっと準備。
多少足場が悪い釣り場ですので、注意が必要ですが、悲鳴を上げる身体に鞭を打ち、釣りをします。
膝、腰が痛い。
(おっさんで草)
おっさんちゃうけどな。お兄さんやけどな。






・唸る剛腕

日没のタイミングに合わせ、二人共投げ釣りを開始します。
年配の父は危ないので少し離れた砂浜を釣り座に。

満干の差が少ないいわゆる"小さい潮"ながらも中々速い潮流が流れるしまなみエリア。
この釣り場も例外に漏れません。
一応、投げ竿4本用意しましたが、潮により増減させ対応します。
夜に1人オマツリは面倒な事になりかねますからね。
父は投げ竿2本のみ準備しています。
仕掛けはシンプルな1本針仕掛け。
遊動式のL型天秤に自作の砂ズリ。
ハリス:フロロ10号矢引き。
針は丸セイゴ17号。
エサは本虫、青虫を持参。

日没後、じき満潮なのでこの潮が緩むタイミングがチャンスではなかろうかと睨んでいます。
刻一刻と変わる海でその緩んだ潮がいつ来るかも分かりませんし、どのぐらい続くかも分かりません。2、3分かもしれません。
海に聞いても答えてくれませんので自分で感じ取るしかありません。

鉛35号で程よく流されて行く潮なので、PF4本を並べて対応。
剛腕的には好みな潮流。
約60~70m沖で水深およそ15m前後。
エサ取りは時々、本虫が取られる程度で好感触。

午後7時ちょうど。
PF1番竿をエサ点検の為、回収しようと
念の為、空アワセを入れます。
何か乗っているようで重みがあります。
首を振るような抵抗は無く、すんなり上がってきます。
サメかな~。嫌やな~。
ヘッドライトで照らす足元の海面にフレームインする赤い魚体。

剛「え!マジか!」

慌てて玉網を手に取りランディング。

44㎝

玉網を入れるサイズでは無いですが、念の為。
痩せておりペラペラの魚体。
ペラペラペラオです。
こんな貧弱な体では、PFの竿先を揺らす事は出来ないのでしょう。
腐っても鯛ですし、偶然に釣れた縁もありますし、しっかり処置してクーラーへ。

マダイを処置する前にPF1番竿を投げ返していました。
午後7時20分。それにコンコンと竿先が入るアタリ。
ドラグはきつめ設定でしたので出なかったようです。
アワセると、さっきのマダイより重みを感じます。手前にカケアガリやシモリがあるので快速飛ばしてリールを巻きます。
海面に浮上した魚体を目視しガッツポーズ。
とりあえず玉網で掬います。

アコウ36㎝

ガッツポーズするサイズではありませんが、読みが的中した事が嬉しかったわけです。
丸々とした魚体でナイスバディです。
少しお腹が凹んでるかな。

僅か開始2時間でこの日の二大本命を手中に収める剛腕。
どちらも良型とは呼べないサイズですが、本命を出せた事にホッとしています。
サイズUPを目標に釣りを続けていきます。


満潮潮止まりを経て、引き潮に転じました。
アタリは遠退き、エサもそのまま帰って来るようになり、魚っ気が無くなって来ました。
父と随時、情報交換しており、父の方も釣れないようで、そろそろ移動しようか。
となりました。




・敵機来襲

第2釣り場へ移動してきました。
この釣り場は過去、当物語に何度も登場した剛腕が信頼を寄せる釣り場です。
そこそこ水深があり、魚種豊富な釣り場です
潮流がそんなに速くない事も釣り易い点。
ピンポイントな釣り場なので、1人入るのがやっとな場所。父は100m程離れた道路端から釣りを行います。


開始早々、セトダイ(タモリ)がお目見え。

20㎝

今治や松山のスーパーでは1尾300円位で売られています。居ない時もありますが、、、
塩焼きが美味しいので、見かけた際は是非
買われてみて下さい。
需要が無いのか、美味しい割に安いです。

父には、20㎝級のホゴ(カサゴ)や50㎝級のアナゴがヒット。
我々はアナゴを触らずにジップロックに入れる技を習得しています。(2人がかりで)
天ぷらや蒲焼きにして食べますが、アナゴの捌き方はウナギ同様、西日本は腹開き。東日本は背開きらしいのですが、剛腕が習得したのは背開き。(なぜでしょう。)


午前1時過ぎ、PF4番竿に強烈なアタリ。

「ウイィィィィィィィィィィィィィィィン」
「ガタガタン」

竿尻が浮き上がる程の乱暴なアタリ。
咄嗟に竿を持ちます。スプールを手で掴み、アワセを入れますが、止まりません。
竿がのされ、ドラグが出続けるスピンパ。
なお、スピードを上げ、強烈に引っ張られます。ドラグをこれ以上締めこむと竿ごと持っていかれそうなので、このまま耐えていきます。しかし、道糸は出て行く一方で止まる気配がありません。
やがて、道糸が底を尽き無くなりました。

・・・こんなことあるうううー?

あっという間の出来事で目が点の剛腕。
唖然、呆然。
特大のトビエイだろうと思います。
まるでアメリカ空軍のステルス戦闘機、ナイトホークのようなボディで高速飛ばして剛腕の仕掛けを道糸200mごとかっさらって行きました。

剛「なんじゃありゃ」

夜中に化け物を襲撃を受けた剛腕。まあ、替えスプールがあるので、それに交換し仕掛けを作り直します。
その後、3匹のセトダイを追加。やがて干潮になり、移動。


第3釣り場に到着。
ここは砂浜。ここで夜が明けてからカワハギ狙いが本命の予定でしたが、夜明けまであと2時間近くあり、別の釣り場で投げ竿を広げる時間は無いと判断し、この砂浜で準備し夜明けを待つことにしました。

父は投げ竿4本の内、2本をそれぞれ青虫、本虫を付けて投げています。
何か釣れるかも知れないので。
剛腕は投げ竿4本準備だけしておいて、少し離れた地磯の岬からルアーを投げます。
狙いはスズキですが、まあ、釣れませんよ。
実力が無いのでね。
一縷の望みに賭けてルアーを投げます。
潮流に乗せてドリフトの練習。
ルアーを替え、あの手この手を試すもののアタリ無し。
それでいいんです。貴重な経験値を積みましたので。




夜が明けて投げ釣り開始。
カワハギ狙いの小針仕掛けで投げ分けていきます。
父が20㎝級のカワハギを3匹釣り、納竿となりました。

剛腕の獅子奮迅の活躍は前半だけでした。
17時間近く釣りしっぱなしは身体にキますね。
夜通しの釣りはロングゲームになりがちな剛腕。体調管理をしっかり行い頑張りたいと思います。







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