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保護猫の譲渡が変化しすぎて浦島太郎状態なんじゃが?

亡くなった使い魔は保護猫だった。
18年前、まだ夫婦2人の生活だった頃に初めてペット可の家に住める事になって、念願の猫だった。

当時、宅配の仕事をしていた夫は集配エリアの住民との繋がりが沢山あった。
その中に保護団体の方がいて、その人にお世話になって猫を迎えたのだ。

いまは引越しもしてしまい、そちらの方ももう高齢で保護活動はしていない。
今の家の近くで保護活動をしている所はないかとネットで検索し、募集中の猫の写真を見て応募フォームから問い合わせてみた。

結果、保護主の意向に合わないとの事で丁重なお断りメールが届いた。

これにBBARは、ひどく動揺した。
え?これで終わり?

18年前に譲渡してもらった時、知り合いだったという点を除いてももっと親身でグイグイくる感じだった。
近所のお節介おばさんという言葉がしっくりくる。
昭和の頃によくいた、やたらと見合いを設定してくる人間スピーカーみたいなおばさんだ。

BBAR達夫婦の要望を聞き、保護主さんの自宅で直接面会させてくれた。
保護主さんは、猫達が暮らしている様子を見せてくれて、部屋の中で工夫していることや猫の基本的な世話の仕方、1匹1匹の性格なんかを丁寧に説明してくれた。
面会の後は、それぞれの準備期間の為に数日あって、後日ボランティアさんが家まで連れてきてくれた。

最初のコは夫が気に入った茶トラの男の子。
ホワッツマイケルみたいだと喜んでいた昭和全開の夫。
しかし、そのこは情緒が安定しておらず、常に抱っこしていてあげなければ大声で鳴き続ける。
抱っこしても遊んでやらねば大声で鳴き続ける。
昼夜問わず24時間フル稼働なパワフルニャンコで、初心者にはかなりハードルが高かった。

リリースしたいなんて言い出しにくかったが、どうにもこうにも睡眠不足で生活がままならない。
思い切ってボランティアさんに相談してみたら「あの子は兄弟や友だちに囲まれてた方が好きなコだったのねー。ちょっと他の子ためしてみてくれる?」と、リリースどころか快くチェンジさせてくれた。
茶トラを迎えに来たその車に、自身が保護している猫をたくさん乗せてきた。
我が家の駐車場で猫を紹介してくれて選ばせてくれた。
この時に、私が夫の意見(ちょっとブランドっぽい見た目の毛色がいい)をガン無視して選んだのが件の使い魔である。
野良猫によくいるキジトラの毛色。
ちょっと曲がった尻尾。
痩せた手のひらサイズの子猫。
その日から彼女との生活が始まった。

……なので、BBARはてっきりメールでやり取りしている時点でのアンケートなどは話のキッカケの為のもので、当然ボランティアさんと面談できるものだと思っていた。
その時に詳しく言えば良いや程度だった。
だが、現実はそのアンケートのみでの判断でけんもほろろに「また、ご縁がありましたら宜しく」という縁切りメール。

他の保護主の猫を打診してくれるとか、せめて次の譲渡会への参加を促すような一言でもあれば、希望した猫じゃなくても…結果的にまったく縁がなかったとしても良い経験になったと思う。

だが、この応募フォーム→アンケート→縁切りメールの流れから、BBARは自身に『保護猫飼う資格なし』の烙印を押されたようで、一気に自信喪失してしまった。
今まで使い魔と過ごした日々は、いったい何だったのか?
彼女は猫飼育失格者に育てられた哀れな猫だったという事なんだろうか?
たくさん猫の飼育本を読み、健康や安全に気を使い、彼女が撫でて欲しいとさすり寄って来た時には趣味や仕事を放り出して何時間も撫で続け、膝で寝てしまえば足が痺れてもソファになりつづけた。
愛護動物飼養管理士の資格まで取得して猫様に尽くしてきたはずだったのに………。

ちなみに、縁切りの理由は先住ペットがいるからだそうだ。
これは完全ケージ生活の小動物で、猫の居住空間とは離れた部屋に置いてあり、猫と共に飼い始めて8年になるが、猫は小動物達の存在すら知らずに猫生を終えたというものである。

使い魔とBBARの関係は主人と奴隷というか、年老いて介助が必要になった親(猫)と、その世話をする娘のようだった。
そういえば亡くなって思い返した場面は「娘達を見守ってくれた」とか、「辛いことがあると必ず隣にいてくれた」なんて事ばっかりだな。

翻って小動物とBBARの関係は、寮母と寮生(小動物)だ。
彼らはケージの中に3匹で生活しており、彼らの社会をケージの中に構築している。
彼らはBBARに理解できぬ独自の言葉で会話し、彼ら同士で遊び、寝たかったら勝手に寝ている。
BBARは彼らの生活をサポートする為に、掃除をし、食事を用意する。
たまにコミュニケーションを試みると、少し甘えてくれるのがほのぼのと嬉しい。
だが、すぐにまた彼らだけの社会に戻っていく。

寮生達は可愛い。立派に成長してほしいと思う(もうすっかり成体だけど)。
だが、年老いた母を亡くした喪失感を寮生が埋めてくれる事はない。
青春ドラマのキャラクターでもない限り、そんな事はあり得ない。

こうして文章にしてみると、BBARは毒親から与えられなかった精神的な安らぎを使い魔から得ていたのかもしれない。

自信喪失しつつも、私は別の保護団体を探した。
どうしても猫との生活を取り戻したかった。
使い魔のように母代わりにはならないかもしれない。
それでも、彼女にしてあげられなかった後悔を埋めさせてくれる存在が欲しい。

だが、現実はどの保護団体も里親条件ばかりが目についた。
持ち家じゃないとNGな団体をリストから削除。
削除されたのは一つだけだ。
脱走防止の柵の取り付けや、家庭訪問、猫の様子をメールで報告するのも受け入れる覚悟はあった。
先住ペット不可を掲げている保護団体は、縁切りメールの所を含めて一つもなかった。
(ご相談下さいはあったが)

条件はほぼクリアしているはずだ。
でも、条件になかった理由で縁切りされた経験がBBARを疑心暗鬼にする。
「記載はないけど、何か引っかかるかもしれない。また先住ペットについて言われたら?夫の仕事に何か言われたら?娘の不登校を突っ込まれたら?『心身共に健康な方』に鬱病通院中はアウトだろうか?薬飲めば完全に普通の生活が出来てるけど、通院中服薬中はダメだろうか?
鬱の酷い時でもペットの世話だけは手を抜いた事ないのに(夫は完全放置だったけど)」
どの保護団体のHPを見ても裏の裏まで考えてしまい、もういっそのことペットショップから買っちゃおうかな?それが一番手っ取り早いよ。

私はペットショップの評判を調べて、隣の県のとあるペットショップのHPで希望に合う猫を見つけた。
少し遠いけど電車で乗り換えなしで行けるし、夫が車出してくれれば高速で行けるかも。
それがクリスマスイブの出来事。

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