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ミラベルと魔法と我慢だらけの家


やーーーーっと金ローで放送されましたね!!
私はオンデマンド配信されてすぐに、Amazonで48時間レンタルして拝見しました。
返しに行かなくていい上に丸々48時間見られるのはめちゃくちゃ便利!(ダイマ)

ディズニー作品は大好きだけど(ヘラクレスとロビンフットが特に好き。最近のだとズートピアとベイマックスも好き。)全部見てるわけではなくて、ミラベルはCMや歌唱シーンで気になったのでレンタルしてみました。
映像の美しさと楽しいミュージカルシーン、個性的なキャラクターは本当に素晴らしくディズニーみた!!という満足感でよだれが出ます。
おすすめです。金ローで見て気に入った!となった人もたくさんいたことでしょう。
ミラベル、めちゃくちゃ逆境でほとんど仲間もいないのに腐らず明るく立ち向かっていく姿は勇敢でディズニーの主人公!ってかんじでかっこいい。 あとカシータがかわいい!ディズニーの無機物ほんとかわいい!
一方で、明確な人物としてのヴィランがいない、プリンセスもいない、ネットでは考察を楽しむ作品として扱われていてなるほどと思った次第。

ここからは支離滅裂にネタバレ感想と妄想になります。通しで数回見ただけなので認識や解釈の違い等々いろいろありそうですがご容赦ください。なおアルマの名前が一生覚えられないのでおばあちゃんで統一します。


○エンカントギリギリ問題

まず、エンカントの社会構造がマドリガルにとって良くなさすぎるなというのが冒頭の最初の感想。(あのご機嫌なミュージカルシーンでなにを考えてんだ)
おそらく50年かけてじわじわとそうなっていったんだろうと思うけど、逃げ延びた先であるので山に囲まれて立地のよくないところに、魔法によって助けを得られることを前提に人が集まってきて街になっている。一般ピーは困り事があればすぐマドリガルに魔法でなんとかしてもらおうとするし、なんなら魔法を持っているのだから人々(我々)を助けるのが当たり前とすら思っていそう。
対価を払ってるかどうかもあやしい。じゃなかったらロバが何度も逃げ出してるのにたいした対策を施さなかったり、イサベラの魔法を前提に花売りの仕事があったりしないんじゃないか。
 とにかく魔法に依存しまくってその恩恵を享受して生活してることが当然と思っている(しかも「前の儀式はがっかりだった」とか言ってくる。サービスが増えるはずだったのに!みたいに。)街の人たちと、「私たちのギフトで街の人たちの役にたたなくては!」という教えのもと、各々が大小の理不尽な我慢を強いられているにもかかわらず「家族のためを思って」なんとか形を保っている状態の、24時間体制の市役所みたいな役割をたった9人(+2人)で背負った真面目なマドリガル。
よくない。絶対によくない。
遅かれ早かれどこかから崩壊すると思うけど、割とギリギリのところだったとおもう。
家のために好きでもない男と結婚することを受け入れていたイサベラもやばそうだし、力仕事が1人にのしかかっていてプレッシャーを吐露していたルイーサももちろんやばい。
想い人が従兄弟の旦那になる上に壁の裏にブルーノがいることを1人だけ知っていたであろうドロレスもやばい。ひとりひとりのストレスや重圧が家の亀裂となって現れていたのだとおもう。 おばあちゃん、「家」にこだわってたけど、家だけ残ってそして誰もいなくなった!になる可能性めちゃくちゃありましたよね。各々はほんとに真面目でいい人たちで、それぞれの考えもわかるから尚のことつらい。(おばあちゃんも含めて) なんでもそうなんですけど、こういうよくない構造は恩恵を受けている側が改善を提示することって、まーーーーないですよね!内側から変えなくてはいけないけど、魔法のギフトを持っている人たちは日々それぞれのタスクで手一杯だし(その上、おばあちゃんからもっともっと!と言われていそう)、パパたちにそういう発言権がなさそうなのはなんとなくわかる。フェリックスはペパのメンタルケアで忙しそうだし。 なので、この現状を打破できるのは、ミラベルだけだったんだろうな。というか、5歳のミラベルはあの時に、近い将来崩壊しかける家族を救う→次世代の蝋燭と家を守る使命を受け取ったんじゃないかなって感じる。
ほかのいろんな方が言っているように、蝋燭とカシータはミラベルの物でもある状態になったんじゃないかな。おばあちゃん70代くらいだろうし。 おばあちゃんの教えがエンカント全体を良くない方向に導いてしまってたのは、おそらくミラベルが5歳のあの時より以前から始まってて、そのあとカシータはあの手この手で気付かせようとしていたけど、人間は愚かなので(なんか自分以外のせいにしたくなるんだよね、真面目にやってるつもりだから特にね……。)なかなかいい方向に行かず……とうとう「家を失うわけにはいかない!」とモノとしての家にこだわり続けるおばあちゃんの目の前で家を壊してみせたに至ったと。
結果的に魔法も家も戻って、あんまりかわってないじゃんと思われがちだけど、1番変わったのはマドリガルと街の一般ピー(ここ重要)の意識だと思うのでこれでいいのだ。
ルイーサは好きな時に休むし花は時間をかけて世話をしないと咲かない。わかったか人間ども。(誰目線だ)

○ブルーノ

キーマンのひとりであるブルーノ。彼が本当にエンカントの外に出て行ってしまっていたら一族の崩壊はもっと早かったのではないかと思う。 未来視できる彼のギフトでは「事実」しか映らないのだけど(一応全部みえたとおりにはなってるし)、人間はどうしても理由とか経緯とか知りたがって事実をそのままに受け取るのは難しい。しかも良いことは自分の手柄だけど悪いことは人のせい!みたいなとこある。誰しもある。後者の被害にめちゃくちゃ遭ってしまったのがブルーノ。幾度となく人の悩みを聞き、未来視をし、その都度悪者のように扱われてきたんだろうな。あんなに繊細そうなのに……。(しかも一緒にビジョン見るから言い訳できないのがつらい。ただの占い師なら適当に言えるだろうに……しかもご丁寧にプリントアウトされる。)
ブルーノには「崩壊した家の前にミラベルがいる」ビジョンがそれ以上の意味を持たないことを知っていたけど、家族がそれをみてどう感じるかを察し、ビジョンとともに行方をくらます。望んだ未来を提示できなかったのは彼のせいではない。表向きは家出したことになってるけど、おそらくフリエッタは彼にご飯を用意してあげてるし、ドロレスも壁の向こうの声は頻繁に聞いている。(呟きがきこえるとは言ったがすごく遠くにいるとは言ってない) で、なんとなく話題にはしちゃダメだけど家のどこかにはいるんだろうなー(塔かな?しらんけど、みたいな)っていうのが家族内の暗黙の了解になってた。姿は見えないけど家族は一応バラバラにはなってないんだなっていう共通認識。 ミラベルには色々いってたけど、不当な扱いを受けてた上にいなくなった後も散々いわれているにもかかわらず(カミロお前めちゃくちゃ脚色してたな…)、ビジョンのこともあるけど家族が心配でそばを離れず、しかも壁の修理までしてくれてて、食卓も壁の向こうでちゃんと囲んでいたブルーノ。泣ける。彼のおかげでマドリガルはギリギリを保っていたんだと思う。彼を皮切りにひとりまたひとりと家からいなくなったら……。最初の1人にならずにいてくれていた彼の愛情の深さと優しさが尊い。

○集合写真

記念写真にミラベルがいないのに気付かない家族ひどい!という感想をたまにみかけるけど、たぶん、最初は入ってたんだと思うんですよね。
儀式だけじゃなくて写真を撮るタイミングは何度もあって。でもミラベル自身がなんか後ろめたくなって、入らなくなってったんじゃないかなと。(おばあちゃんが入るなっていってたら、さすがにフリエッタとアグスティンで抗議しててほしいし) で、劇中みたいに入らないのが当たり前になってったんじゃないかな。つ、つらい……。理由は直後に歌われる通りですね。あんなに気丈に振る舞ってるけど、そうだよねーーーーー!!!のとこです。なのに奇跡を救うことも「わたしにはできない」にならないのがミラベルのいいところ。かっこいい……。期待されてないからみんなをフラットに見れるしガンガン本音でぶつかっていける。故に向こうもペロッと本音を吐露してくれる。うーん、主人公……。しかも少年マンガ的。

○長女にダメージが大きい最近のD

アナ雪で傷付いた第一子長女のみなさん。
イサベラは大丈夫でしたでしょうか。
なんかエルサと似たようなシーンもありましたし、彼女もいろいろ背負っていましたよね。プリンセス的振る舞いも別に好きでもないマッチョとの結婚も「家にとって良いことだけど、私がやらないと他に誰もできない」ってだけでぜんぶ引き受けて、完璧であることに存在価値を見出して…。プロポーズが台無しになったことは彼女にとっていいことであったのに、完璧をこわされたことが先立って怒ってしまってたり。自分で勝手に背負ってるのに下の妹が羨ましくて当たり散らしたり……。(もうやめて)
結婚したくなかったことはとてもイザベラのくちから言うことはできなかったでしょうね。彼女が救われて全国の背負いすぎた長女がミラベルに感謝したとおもう。うんうん。

○おわり

魔法の起源に関しても、ミラベルが魔法を受け取れなかったことに関しても、ラストシーンの意味も、明確な答えが提示されてないのは新鮮で、それぞれ好きに考えてねー!っていう自由さもあり良い作品だと感じました!他の人がどう思ってるか読むことでそんな見方もあるのかーと参考になったり。 時間があったらまた見返したい…!
あ、あと言い忘れたけど曲が最高に良い……曲に関してはまた個別にまとめたい……!!

以上、金ロー記念ミラベル感想でした。

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