憂国ヂヂイの悩みは尽きない

憂国ヂヂイの悩みは尽きない
 “シーチン”修一
【雀庵の「大戦序章」286/通算717  2024(令和6)年4/15/月】右の手首が痛むので11日と12日は営繕作業はお休みにし、多摩川上流の上川原堰から流れる大川(本川)二か領用水のハイライト「お堀」沿いの染井吉野、ヤマザクラ、枝垂桜などを満喫。ずっと下流ではメゾンドール多摩川のド派手な牡丹桜(八重桜)を愛でたりして過ごした。
帰宅後は腱鞘炎にならないよう右手首にバンテリンを塗ったり、経皮鎮痛消炎剤で湿布したり、ロキソニンを服用したり。効き目があればいいが・・・本来は医者に行くべきなのだが、せっかちで待つのが嫌い、耳が遠いのでカミサンの同行も必要だし、下手をすると新たな病気を発見されたりしかねないから「君子危うきに近寄らず」。男はそういうタイプが多いのではないか。臆病なのか、面倒くさいのか、諦観か? ま、凡人は70過ぎたら、痛みがないのであれば「従容として死に就く」のが“ヨサゲ”のよう。結構、難しいのかもしれないが・・・イサギヨサという面ではソクラテスは大したものである。武士道的だ。

幸いにも右手首の痛みは改善してきたので、13日からは営繕作業を無理しないように再開し、15日には1F入り口から2F踊り場まではずいぶん綺麗になった。できるだけ悔いないように成仏するためには一所懸命に働き、勉強もするという「晴耕雨読」がヨサゲだと小生は思っている。しかし今の日本は「無理せずに働き、オフの時は楽しく過ごす」のが称賛されているようだが・・・そんな軟弱で、これという天然資源のない日本は大丈夫なのだろうか?

物質文明(技術)は基本的に継承・発展するが、人間それ自身は有史以来、「生まれて、人がましくなり、やがて親になり、子が育てば成仏する」の繰り返しで、ちっとも発展していないないのは凄い。人間は「万物の霊長で最も優れているのだ」などと自画自賛しているが、縄張り争いの戦争も有史以来200万年もずっと続いているのだから、ただのウヌボレ。人間は、自然を破壊し天罰を受けた恐竜同様、ろくでもない動物でしかない、と神様は思っているのではないか。

NHKは「難しいテーマでも中2が分かるレベルの表現にしている」そうだから、大方の人は洋の東西を問わず、せいぜい小学5、6年生レベルのオツムなのだろう。イスラム原理主義のテロリストを見ると宗教にすっかり洗脳された小学3、4年生あたりのような感じがする。なぜこんな風に200万年も成長しないままなのか?
人口の10%ほどの“統治者階級”、エリートは、国民を「法令・命令・指示に忠実に従う暗愚」にしておきたいというのが本音ではないか。技術者・科学者・将校などのテクノクラートは大事にするが、「国家、国民、社会、人間はどうあるべきか」を説くソクラテスや孔子のような哲学者を育てるなんぞ、まったく思いもしないよう。為政者という者は、自分の指示に異議を唱えず大人しく従う国民を良しとし、むしろ「正論、正道、倫理」を唱えるような哲学人種を苦々しく思っているのではないか。

自由民主をうたう現在の国、例えば日本でも山本夏彦翁曰く「教育の普及は浮薄の普及」、高卒や大卒でも読書の習慣さえない人が年々増えているようだ。読んでも精々ベストセラー、ほとんどが寿命の短い娯楽系の本で、教養・学問系の本や著名な古典を読む人は年々減っている。かつては難しい本でも「初版3000部」が当たり前だったが、今はたったの1000部、それでも売り切れるまでに3000部時代と同様に3年もかかるという。学問の著しい後退だ。今はTVやスマホで「とりあえず情報を得る」人が増えているから、出版界はすっかり斜陽産業になってしまった。悪貨は良貨を駆逐する、悪書は良書を駆逐する・・・情けない話だ。

2011年の「3.11東日本大震災」以来、小生はほとんどTVを見ない。それ以前はニュースを少しばかり見たが、国際ニュースが貧弱なのでウンザリさせられた。TVはソフト(番組)を創ったり、ハード(機械)を作ってカネを稼ぐもので、まともなインテリ、識者はTVをまず見ないだろうと思う。見てもせいぜい1時間ではないか。NHKの有能な司会者&プロデューサーの鈴木健二氏が最近95歳で大往生したが、「番組を創るもののTVは見ない、一本創ったら次の仕事に取り掛かるからTVを見る暇はない」と言っていた。世の中を引っ張っていくようなエリート、デキル人はTVをほとんど見ないし、大体忙しくてそんな暇はないだろう。
TVは圧倒的多数の庶民の娯楽であり、情報源でもある。「もっともっと上を目指したい」という政治家や経営者、学者、哲学者など「志」を持っている人は「世相を知る」ためにTVを見ることはあるだろうが、一所懸命に勉強したり人一倍働くので、概ねTVを見ることはあまりないだろう。大体、そんな時間はないと思う。

小生は「TVはハード、ソフトを創って(作って)儲けるもので、見るものじゃない」と思っている。作る・創る人は大変な激務だが、高給取りが多い。イケイケドンドンのバブル経済の1988年頃だが、小生が世話になった「TV朝日映像」の30歳のディレクターは年収1300万円ほどという高給取りだった。いっぱい稼いで休日は何をしているかというと、都心にマンションを買ってフェラーリに乗って面白おかしく暮らしていた。その上司のプロデューサーは35歳ほどで、とても疲れ果てているようだった。不規則で激務の仕事だから「健康で長生き」は難しそうな仕事だと思ったものである。もっとも当時は「死ぬほど頑張る」のが当然であり称賛されていた。昨今流行りの「過労死」という言葉はなかったし、当時は激務で死んでも「健康管理もできない奴」と言われるのが落ちだった。皆必死で働いていた。

今は社員が「過労死」ともなれば大事件で、企業は徹底的にマスコミに叩かれる。過労死は今や「銭ゲバ企業に殺された被害者」に格上げされたのだ。「仕事ぐらい、好きなだけやらせてくれ、戦死しても悔いはない」という小生のような人はついこの間まで結構いて、土日に出社するとシコシコ仕事をしている人が数人はいたものだ。もっとも「出版社=編集者=締め切り厳守」の世界の話だが、他の産業でも似たようなものではなかったか。
TVの普及、特に録画が普及すると出版社でもTVファンが増えていった。今では戦後生まれの団塊世代の高齢化=リタイアもあってTV視聴者は増えているようである。ビデオリサーチが運営する「VR Digest +」2022/2/8「BS視聴者層の特長を探る」によると――

<昨今、テレビ離れが進んでいると言われていますが、調査結果からは全体(男女12−69歳)の7割が「今のTVは自分にとって楽しめる」、6割以上が「毎週見るのを楽しみにしている番組がある」とテレビに好意的な人が多いのが現状です。中でも無料BS民放局視聴者層の8割以上が、「今のTVは自分にとって楽しめる」「毎週見るのを楽しみにしている番組がある」人たちであり、 さらに、7割前後の人が「録画して見ることがよくある」「家に帰ってくるとテレビをつける」とテレビ関与度が高いことが分かります。

また、無料BS民放局視聴者層はテレビCMの評価として《認知》「商品名が印象に残る」「新製品の名前を覚えやすい」「新しい商品やサービスが発売された事を知る」、《興味》「商品・サービスに興味がわく」「広告を見聞きして、商品やサービスが目につくようになる」「欲しくなったり、利用したくなることがある」など、購買ファネル(行動)の各段階において、全体(男女12−69歳)よりも(無料BS民放局視聴者層は)テレビCMの影響を受けていることが分かります。

【無料BS民放局視聴者層のテレビ意識】◎今のテレビは自分にとって楽しめるものである:84.9%  ◎毎週見るのを楽しみにしている番組がある:84.1%  ◎テレビ番組を録画して見ることがよくある:72.2%  ◎家に帰ってくると何となくテレビのスイッチを入れてしまう:66.3%  ◎見たい番組があるとき、その時間が来るのが待ち遠しい:58.8%  ◎自分が占有して見られるテレビがある:53.5%  ◎見たい番組がある時は、時間をやりくりする:52.85%

【無料BS民放局視聴者層のテレビCMイメージ】 ◎商品名が印象に残る:69.1%  ◎商品やサービスに興味がわく:65.7%  ◎新製品の名前を憶えやすい:65.1%  ◎新しい商品やサービスが発売されたことを知る:62.9%  ◎企業や商品に親しみがわく:53.8%  ◎広告を見聞きして、商品やサービスが目につくようになることがある:51.4%  ◎タイムリーな情報を知るきっかけになる:46.7%  ◎広告を見聞きして、商品やサービスを欲しくなったり、利用したくなることがある:41.2%

【無料BS民放局視聴者層の金融資産の平均金額】商品・サービスの購買力と購入決定関与をみていきます。まず、購買力を表す個人年収、1か月のおこづかい、金融資産の平均金額をみると、全体(男女12−69歳)よりすべて無料BS民放局視聴者層が高く、経済的に余裕のある層だということが分かります。◎平均個人年収:722万円  ◎1か月のお小遣い平均:26,715円  ◎平均金融資産:1,620万円
無料BS民放局にはテレビ意識やテレビCM関与が高く、購買力、購入関与の高い視聴者が多くを占めているので、広告メディアとして大きな効果が期待できることが分かります>(以上)

平均個人年収が722万円・・・小生の年収(可処分所得)はその半分にも満たないが、上場大企業に幹部として勤めていた先輩はリタイア後の年収(複数の年金)は500万円で、その他に退職金で同社の株を買い増しして配当所得があるから悠々自適だった。上記の「年収722万円」は上から下までの「平均個人年収」だが、一般的に高齢夫婦無職世帯の月間の生活費は平均24万円、年間で288万円あたりである。共稼ぎだったWインカム世帯でも生活の質を維持するとなれば年間400万円あたりは必要だろう。老後に備えていた預貯金を取り崩している人や、住宅ローン返済や家賃を払っている人もいるだろうから、皆が余裕があるわけではないだろう。

同居する子供や跡継ぎのいない老人世帯の人々は、リタイア後の初期は「定年バンザイ!」とゴルフや旅行を楽しんだりしているが、そのうち気力体力が落ちてきて、結果的にカネがかからないTV視聴を不可欠の娯楽とするようになるのだろう。教養・学問系書籍の読書は「気力・体力・知力・好奇心・根性」が必要だから、それが浅い老人には無理である。そもそも「知的好奇心」が薄く、新聞も取っていない人が多いだろう。周囲を見渡すと「新聞要らない、スマホで十分」という人はウジャウジャいる。家事を挟んで終日TVを見て、CMに刺激され、散歩がてらにチマチマ買い物をして、楽しく過ごしている・・・今の多くの日本人の晩年はそのようなものではないか。晩年どころか今や若者も「努力せずに楽しく過ごす」を良しとする人々が増えているようだ。有事になれば「やむにやまれぬ大和魂」が覚醒すると信じたいが・・・憂国多動ヂヂイの悩みは尽きない。いつもの鬱か?
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