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真珠のネックレスの糸替え・1

アコヤ真珠のネックレスはお持ちですか?
以前は二十歳のお祝いにおばあ様、お母様から孫娘に、
アコヤ真珠のネックレスを贈る方が多くいらっしゃいました。
イヤリングやピアス、指輪と3点セットで贈る方も。

仕上がったばかりの状態

オールノットでご依頼いただいた真珠のネックレス2本 美しいです。

今も大切にケースに入っていて、イザ!という時には、
これをつけていけば間違いない、そう思われているのではないでしょうか。

実際、アコヤ真珠のネックレスがあれば、冠婚葬祭でつけることができます。
おめでたい席ではあまり気にすることはありませんが、
葬儀は悲しみの中営まれるのでマナーには気を付けたいですね。

こちらのような長さ40㎝前後のアコヤ真珠のネックレスであれば
葬儀にもつけていくことができます。
(ロングや二連などはNGです)
また、おめでたい席、結婚式、入学式・卒業式などの式典でも
ふさわしいジュエリーです。

しかし、イザ!はなかなかありませんね。
そうしますと、出番のないまま数年間ケースに入ったまま。
普段使いするのはちょっと…とためらっているうちに、糸がゆるんでしまいます。

イザ!つけようと思った時には、糸がゆるゆる…
万が一切れてしまったらどうしよう…
心配だからつけないで、またしまっておこう…

そんな感じで、あっという間に10年、20年経過してしまいます。
ぜひ、お持ちの真珠のネックレス、チェックしてみてください。
真珠が左右に動くようであれば、糸替えのサインです。

ほとんどの場合、糸で組んであると思いますが、
最近はワイヤーで組まれているものも多くあります。
どちらがいい、悪い、というのはありません。
糸の方が身体のラインに添うので自然に見えますが
ワイヤーの方がゆるみにくいです。

よく、5年経ったら糸替えしましょう

なんて聞きますが、その5年の間、一度も使っていない場合も
ありますよね。
5年おきにこまめに糸替えしている方はいらっしゃるのでしょうか。

あまり頻繁に使わない方の場合は、ワイヤー加工をおススメします。
糸組と違い、ケースに平らに保管していればあまりゆるみません。
糸組みと見た目はほとんど変わりませんが、金具が少し必要になり、
その分1㎝くらい長くなってしまいます。

真珠問屋にいた身としては、糸組みが好きですが、
ご自身に合う組み方をお選びになってください。

ご参考までに私が承った場合の加工代を記載します。
一般的な40cmの真珠のネックレスの場合。

  • 普通の糸組み       2,500円

  • オールノット       4,500円

  • ワイヤー加工       2,200円

普通の糸組み というのは一般的な組み方で、両端3~5珠の間には
ノット(結び目)が入り、それ以外はノットがありません。
ただ、これで十分きれいなラインができ、見た目は美しいです。
糸が白く、仕上がり直後は張りがあって真珠の魅力がよくわかります。

オールノット というのはすべての珠の間にノットが入ります。
ですので、万が一切れても1珠しか転がりません。
しなやかに身体の線に沿いますが、多少長くなります。
加工が最も難しく、ロングは引き受けてくれない場合も。

ワイヤー加工 こちらはナイロンのワイヤーに真珠を通していきますが、
両端の数珠は珠と珠の間にクッションをいれます。
全部に入れることもできますが、その分長くなってしまいます。
ただ耐久性は一番あり、あまりつけない方は、こちらをおススメします。


もともと糸組みしない真珠もあります。
それは、南洋真珠です。
基本的に南洋真珠は大きくアコヤに比べて重いのでワイヤー加工です。

また、イミテーションパールも糸組みはお断りしています。
なぜなら、穴口がギザギザで糸が切れてしまう可能性があるからです。


このように、真珠の糸替えもたまに気にしてみてください。
そして、声を大にして伝えたいことは…


真珠も歳をとるよ



ということです…
残念ながらダイアモンドなどの硬い石とは違い、
真珠は貝が作り出してくれたもの。
経年劣化は免れません。
ですが、10年20年くらいでは大丈夫です!

ぜひ、ケースに入れて保管したままにしないで、
どんどん気軽につけてください!

そして、しまう時には柔らかい布で皮脂や汗などの汚れを優しく拭いて
平らにしまってください。

フックに吊り下げたり
直射日光が当たるところや
硬いほかのジュエリーと一緒にガサっと箱にいれたりしないでくださいね。

イザ!は一生に何回くるでしょう。
5回?10回?
それでは真珠がもったいないです。

もっと頻繁につけていただけたらなぁと思います。

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