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一般人でもわかる〜肩関節疾患のおおまかな病態〜

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今回のテーマは肩関節疾患のおおまかな病態についてです。
私は臨床で林先生、赤羽根先生の評価・治療を参考にしています。

肩関節を診る上で欠かせない要素となっております。
肩関節難しい・・・、治らない・・・、わからない人でもわかるように説明していきたいと思います。
肩の症状としては痛みです。
運動障害・運動痛・夜間痛が多いです。
夜間痛で睡眠がとれないことが受診する一番の理由です。

病態としておおまかに6つあります。


肩関節周囲炎

画像所見上で断裂や骨折、脱臼などが否定的なもの

定義

なにかしらの関節内炎症によって肩関節に強い痛みを生じ、肩関節の可動域制限が生じていく後に、疼痛が軽減して拘縮だけが残り、拘縮も経過とともに改善していく
引用文献;村木孝行. (2016).肩関節周囲炎 理学療法診療ガイドライン.理学療法学.43(1).67-72

症状

肩関節が痛み、関節の動きが悪くなります(運動制限)。
運動時痛の場合
動かす時に痛みがありますが、あまり動かさないでいると肩の動きが悪くなってしまいます。
髪を整えたり、服を着替えることが不自由になることがあります。

夜の寝ている時の痛みの場合
夜中にズキズキ痛み、ときに眠れないほどになることもあります。

肩腱板断裂

あきらかな断裂像があるもの

症状

40歳以上の男性(男62%、女38%)、右肩に好発します。発症年齢のピークは60代です。
肩の運動障害・運動痛・夜間痛を訴えますが、夜間痛で睡眠がとれないことが受診する一番の理由です。 運動痛はありますが、多くの患者さんは肩の挙上は可能です。

五十肩と違うところは、拘縮、すなわち関節の動きが固くなることが少ないことです。 他には、挙上するときに力が入らない、挙上するときに肩の前上面でジョリジョリという軋轢音がするという訴えもあります。

原因

腱板断裂の背景には、腱板が骨と骨(肩峰と上腕骨頭)にはさまれているという解剖学的関係と、腱板の老化がありますので、中年以降の病気といえます。
明らかな外傷によるものは半数で、残りははっきりとした原因がなく、日常生活動作の中で、断裂が起きます。男性の右肩に多いことから、肩の使いすぎが原因となってことが推測されます。

断裂型には、完全断裂と不全断裂があります。
若い年齢では、投球肩で不全断裂が起こることがあります。

診断

診察では、肩が挙上できるかどうか、拘縮があるかどうか、肩を挙上して肩峰の下で軋轢音があるかどうか、棘下筋萎縮があるかどうか調べます。軋轢音や棘下筋萎縮があれば、腱板断裂を疑います。
X線(レントゲン)所見では、肩峰と骨頭の間が狭くなります。MRIでは骨頭の上方の腱板部に断裂の所見がみられます。

治療

保存療法
急性外傷で始まった時には、三角巾で1~2週安静にします。
断裂部が治癒することはありませんが、70%は保存療法で軽快します。
保存療法では、注射療法と運動療法が行なわれます。
注射療法では、肩関節周囲炎を併発して夜間痛があると、水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔剤を肩峰下滑液包内に注射しますが、夜間痛がなくなればヒアルロン酸の注射に変えます。
腱板のすべてが断裂することは少ないので、残っている腱板の機能を賦活させる腱板機能訓練は有効です。

手術療法
保存療法で肩関節痛と運動障害が治らないときは、手術を行ないます。
手術には、関節鏡視下手術と通常手術(直視下手術)があります。
関節鏡視下手術の方が低侵襲で、手術後の痛みが少ないので、普及してきていますが、大きな断裂では、縫合が難しいので、直視下手術を選択するほうが無難です。どちらの手術も、手術後は、約4週間の固定と2~3ヵ月の機能訓練が必要です。


投球障害肩

野球、ハンドボールなどのover head Sportsによる肩関節疾患

投球障害肩とは・・・

投球障害肩とは、ボールを投げる、またはそれに似た動きを繰り返すことが原因で起こる、肩の痛みや機能障害の総称です。原因や程度はさまざまで、軽いものでは適切なコンディショニングを行うことでプレーの続行が可能ですが、悪化するとスポーツを続けるのが難しくなり日常生活に支障を来すことさえあります。

野球で投げすぎて肩を痛めた、というのはよく聞く話ですね。
野球に限らず、ソフトボールやハンドボール、水泳など腕を上げて行うスポーツでは、肩に負担がかかり痛みなどの症状を起こすことがあります。
脱臼など明らかなけがを除いた、繰り返しの動作が原因で起こる(オーバーユース)肩の障害を、投球障害肩と呼びます。

野球肩、スポーツ障害肩などと呼ばれることもあります。

投球障害肩はどのくらいの人がかかるのか?

投球により肩に障害を起こす頻度は非常に高く、少年のピッチャーを対象とした調査では32%が肩の痛みを経験し、5%が重症になったなどのデータがあります。
年齢と共に発症する頻度は高くなると考えられますが、正確な数値は不明です。
肘の障害を同時に発症することが多く、この研究では26%が肘の痛みを自覚していました。
Med Sci Sports Exerc. 2001;33:1803.
Am J Sports Med. 2011;39(2):253. Epub 2010 Nov 23.

投球障害肩の原因

投球障害肩は、投球動作を繰り返す中で肩関節にかかる負担に耐えきれなくなった時に発症します。肩関節にかかる負担は単純な投球数が多すぎる場合もありますが、投球フォームやコンディショニングに問題があるケースが少なくありません。負担をかけ続けると、肩関節を構成する関節唇や腱板に損傷が及びます。


石灰沈着性腱板炎

腱板周囲に発生した石灰により生じた腱炎


脱臼・不安定症

一方向、多方向への不安定症を有する疾患

症状

夜間に突然生じる激烈な肩関節の疼痛で始まる事が多いです。
痛みで睡眠が妨げられ、関節を動かすことが出来なくなります。
発症後1~4週、強い症状を呈する急性型、中等度の症状が1~6ヵ月続く亜急性型、運動時痛などが6ヵ月以上続く慢性型があります。

原因

40~50歳代の女性に多くみられます。
肩腱板内に沈着したリン酸カルシウム結晶によって急性の炎症が生じる事によって起こる肩の疼痛・運動制限です。
この石灰は、当初は濃厚なミルク状で、時がたつにつれ、練り歯磨き状、石膏(せっこう)状へと硬く変化していきます。
石灰が、どんどんたまって膨らんでくると痛みが増してきます。そして、腱板から滑液包内に破れ出る時に激痛となります。

診断

圧痛の部位や動きの状態などをみて診断します。
肩関節の関節包や滑液包(肩峰下滑液包を含む)の炎症であるいわゆる五十肩(肩関節周囲炎)の症状とよく似ており、X線(レントゲン)撮影によって腱板部分に石灰沈着の所見を確認する事によって診断します。
石灰沈着の位置や大きさを調べるためにCT検査や超音波検査なども行なわれます。
腱板断裂の合併の診断にMRIも用いられます。

治療

急性例では、激痛を早く取るために、腱板に針を刺して沈着した石灰を破り、ミルク状の石灰を吸引する方法がよく行われています。
三角巾・アームスリングなどで安静を計り、消炎鎮痛剤の内服、水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔剤の滑液包内注射などが有効です。
ほとんどの場合、保存療法で軽快しますが、亜急性型、慢性型では、石灰沈着が石膏状に固くなり、時々強い痛みが再発することもあります。
硬く膨らんだ石灰が肩の運動時に周囲と接触し、炎症が消失せず痛みが続くことがあります。
痛みが強く、肩の運動に支障がありますと、手術で摘出することもあります。
疼痛がとれたら、温熱療法(ホットパック、入浴など)や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)などのリハビリを行います。

変形性肩関節症

上腕骨や関節窩における骨の変形

症状

変形性肩関節症の症状は、肩関節の痛みや運動障害、関節の脹れです。
肩関節の疼痛は、いわゆる頸部から肩にかけての痛み(これらの多くは頸椎性のもの)というよりも、腋窩から肩関節の外側に痛みを訴える例が多いようです。
レントゲン検査では、上腕骨頭や肩甲骨関節窩の変形を認め、関節裂隙(レントゲン画像では軟骨が写らないので、関節軟骨は上腕骨頭と関節窩との隙間としてみえる)の狭小化がみられます。

治療

治療は、まずは保存的療法(手術をしない方法)が行われます。
薬物療法として非ステロイド系抗炎症剤などが処方されます。
また、皮膚の問題がない場合、消炎鎮痛剤を含み除痛効果を有する湿布剤が使用されています。
激痛や夜間痛を訴える症例では、ヒアルロン酸ナトリウムやステロイドの関節内注射を行うこともあります。
これらの保存療法を行っても、痛みが強かったり、動きの制限が大きく日常生活に支障を来す場合には、手術も検討されます。
手術的治療では、多くの症例で人工関節手術が行われますが、患者さんの骨や筋肉の状態に応じて人工肩関節置換術(肩甲骨と上腕骨頭の両方を置換する手術)、人工骨頭置換術(上腕骨頭のみ置換する手術)、リバース型人工肩関節全置換術(解剖学的形状を反転させて置換する手術)などが選択されます。

鑑別すること

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