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実験用FPVドローンの自作(1)仕様編

 2.5インチFPVドローンの自作に挑戦する初心者に向けて、自分の経験を備忘録として共有します。自身が初心者だった立場から、苦労した点や工程について記録します。仕様決め、部品選び、組み立て、フライトコントロールソフトウェアのインストール、テスト飛行、トラブルシューティングなど、初心者目線でまとめます。
 今回はその中の(1)仕様編です。

目的と予算

 自作にあたり、ドローンの目的と予算を次のように決めます。

  1. 目的 どのような環境でどのような使い方をしたいのかを明確にします。

    • タイトルにあるように、実験用のドローンを自作します。実験といっても大げさなものではなく趣味の範囲での話で、ドローンの飛行制御ソフトウェアをいろいろと触ってみて仕組みを理解したり、慣れてきたら自分で機能を追加するのも面白いなと考えたことが始まりです。市販のドローンで同じことをやろうとしても難しいでしょう。

    • 屋外で飛行させるにはドローンの法的規制が厳しく現実的ではないので、屋内(自宅の部屋の中)での飛行(ホバリング主体)に限定したものとします。

    • ドローンを目視しながらの飛行が基本ですが、ドローンの前方に取り付けたカメラの映像(FPV:First Person View)を見ながらの飛行も可能とします。FPV映像はパソコンのディスプレイに表示します。またFPV映像に重ねて飛行データを表示するOSD(On Screen Display)という機能を使えるようにします。

    • 屋内飛行ではGPSによる位置情報が使えないため、自動飛行させるためにはオプティカルフロー(Optical Flow)などの技術が使われるらしいですが、自分には敷居が高すぎます。今回は測距センサによる高度情報を使った自動高度保持を一つの目標とします。

  2. 予算 3万円以下; 外部機器を含めた初めての自作ドローンの屋内飛行に必要な材料のトータルです。

本体の仕様

 ドローン本体の仕様を次のように決めます。

  1. 重量 300g以下(バッテリ込み); 市販されている2.5インチドローンの重量は200g以下のものが多いですが、屋内飛行は法的な規制を受けないしレースをするわけではないので、軽量化にはあまり気を使わないこととします。

  2. フレームタイプ 調べてみるとフレームの形には多くのタイプがあることに驚きます。ただ市販されているフレームにはX型が多く、その対称的な構造は飛行制御的にも理解し易いのでX型とします。FC固定用のボルト穴間寸法はフレームによってバラバラなので注意が必要です。またFC以外の部品でお腹のスペースが必要なので、下部フレームと上部フレームの間のスペースが大きいと組立やメンテに楽です。モータ対角距離(ホイールベース)も大きいほうが組立時に楽です。また部品のフレームへの取り付けはタイラップで固定もありですが、できるだけボルトでスマートに固定したいので、部品取り付け用ボルト穴が多く開いているタイプとします。

    • 2.5インチまたは3インチ用X型フレーム

    • モータ対角距離130mm以上

    • FC固定用ボルト穴間寸法がFCと適合

    • 下部フレームと上部フレームが構造的に分離でき、フレーム間のスペースが比較的大きい

    • 部品取り付け用ボルト穴が多い

  3. プロペラ数 4; プロペラの数についても多くのタイプがあるようですが、フレームがX型なので普通に4とします。

  4. プロペラ直径 2.5インチ(約63mm); ドローンの大きさはプロペラ直径(インチ)で表すことが多いようです。2.5インチより小さい手のひらサイズのドローンも存在しますが、屋内飛行であること、部品選定や配線などの自由度の高さから、2.5インチとします。

  5. プロペラブレード枚数 5枚以上; 屋内飛行では騒音レベルが気になります。ドローンのプロペラが発生する騒音は思ったより大きいです。20,000rpmはガスタービン並みの回転数です。プロペラの回転数を一定としたとき、ブレード枚数が多いとモータの負荷が増えますが発生する揚力は増えます。同じ揚力ならブレード枚数が多いほど必要な回転数が低くなるので、騒音レベルは低くなるはずです。

  6. プロペラピッチ 1.5インチ以下; プロペラピッチはプロペラをねじに見立て、1回転あたりに前方に進む距離です。空気ではなくて固体の中をねじ込んでいく感じを想像すると良いと思います。ピッチが大きいということは前進する距離が増えるので揚力は増加しますが、モータの負荷も増加します。今回はブレード数を多めにしたのでピッチは小さめとします。低ピッチは騒音対策にもなりそうです。

  7. バッテリ バッテリの種類については、リチウムポリマ電池(Li-Po)一択です。電解質に高分子ポリマを使っていて、安全性や軽量化などリチウムイオン電池よりドローン向きのようです。セル数(Sで表します)が増えると電圧が大きくなりますが、2.5インチドローンであること、また充電器の価格は対応するセル数に比例して高くなるので3S(11.1V)とします。容量ですが、概算をしてみます。仮にモータのホバリング中の連続消費電流を3Ax4とすると、1000mAhの容量のときの飛行可能時間は1Ah/(3Ax4)x60min=5minで5分です。今回は屋内飛行で3分間連続して飛行できればよしとして、600mAhとします。放電性能ですが、モータの最大電流10Ax4を容量0.6Ahで割ると66.6/hとなるので、70Cとします。ESCとの接続コネクタは、3Sの場合XT30が多いです。また充電器との接続はJSTの4pinが一般的だと思います。

    • 3S Li-Po

    • 容量600mAh以上

    • 放電性能70C以上

    • ESCとの接続コネクタXT30

    • 充電用コネクタJST4pin

  8. モータ 市販されているドローン用モータの多くはブラシレスなので、これは一択です。ブラシレスは効率が良く、またドローン用のほとんどが回転部分がステータの外側にあるトルクの大きいタイプとなっています。前述のブレード数とバッテリのところで述べたとおり、できるだけ低い回転数で低騒音化を図りたいのでKV値は4,000以下とします。回転数の目安については、KV値に電圧をかけると回転数(rpm:revolutions per minute)が得られます。市販されているモータのKV値の分布から4,000KV以下が低中回転型の部類に入るのではないかと判断します。最大電流はバッテリとESCの仕様に適合させます。

    • ブラシレス

    • 4,000KV以下(低中回転型)

    • 適合電圧3S

    • 最大電流10A以下

  9. ESC ESC(Electric Speed Controller)はFCと連携してモータの回転数を制御するコンピュータです。FCとの接続方法により数パターンのESC形態があるのですが、今回は一番シンプルな4in1タイプのESCとします。このタイプのESCはFCとペアで販売されていることが多く、FCボードと重ねて設置できるので部品点数も少なく費用面で助かります。DSHOTはモータ制御のプロトコルで、後ろの300などの数字が大きくなると反応が良くなる反面、消費電力が大きくなるようです。またDSHOTプロトコルに対応していると、ファームウェア設定により双方向DSHOTという機能を有効にできる場合があり、各モータの回転数などをFCが把握したりOSDに表示できるようになります。また対応している入力電圧と出力電流にも注意が必要です。連続出力電流は、モータの最大電流10Aに対して余裕を持たせています。バッテリ接続コネクタは使用するバッテリと適合する必要があります。

    • 4in1タイプ(1枚のボードに4モータを接続できる)

    • FCと同サイズでスタック(重ねて)設置可能

    • DSHOT300プロトコル対応

    • 入力電圧3S

    • 連続出力電流30Ax4以上

    • バッテリ接続コネクタXT30

  10. フライトコントローラのソフトウェア フライトコントローラ(FC:Flight Controller)は、ジャイロや加速度計を搭載したドローンの飛行に必要な飛行制御などを担うコンピュータです。インストールできるソフトウェアにはいろいろな種類があります。代表的なソフトウェアはBetaflightとArdupilot(アルジュパイロット)です。両者ともソースコードが公開されているので、ソースレベルで飛行制御を勉強したい自分にとってはとても良い教材です。私は特に自動飛行に興味があり、Ardupilotの方がフライトモード(自動飛行の種類)が豊富で細かなチューニングができるようなので、Ardupilotを選択しました。

    • Ardupilotの最新安定バージョン

  11. FC Ardupilotの公式ページには動作確認されたFCのリストがあるので、その中から選ぶことにします。固定用ボルト穴間寸法もFCによってバラバラなので注意が必要です。4in1 ESCについてはESCのところで述べたとおりです。VTX制御プロトコルは、VTXと適合させる必要があります。I2Cインターフェースは同期シリアル通信で、今回は測距センサとの接続に使います。FCにはケースに収められコネクタがいっぱい付いた高価なものもありますが、この自作では価格重視で基板むき出しタイプとします。

    • Ardupilotの動作確認済み

    • 固定用ボルト穴間寸法がフレームのFC固定用ボルト穴間寸法と適合

    • 4in1 ESCがペアで入手可能

    • IRC TRAMPまたはSMARTAUDIO対応(VTX制御プロトコル)

    • I2Cインターフェース対応

    • 基板むき出しタイプの比較的安価なもの

  12. プロペラガード これは屋内飛行では必須です。人(自分を含めて)、壁や家具にぶつからずにテスト飛行できる自信はありません。プロペラ先端の速度を理論値で計算してみます。4,000KVのモータに5Vかけると20,000rpmです。プロペラ直径を63mmとすると20,000rpmx63mm/2/1000x2π/60=66m/s=237km/hです。小さなプロペラといっても丈夫な素材で薄くできています。無傷では済まないでしょう。

  13.  脚はフレームから下側に突き出た4本の棒です。市販のドローンによくついていますが、自作の場合にこれだけを入手しようとすると難しいです。フレームキットとして付属したものを使うか、適当に自作するかです。脚の役割は次の2つで、私はかなり重要な部品だと思います。一つ目は着陸時(特に落ちた時)の緩衝で、ドローン下部フレームに脚がないと離着陸時には下部フレームが床に直接あたることになるので、落ちた時にはフレームに直接衝撃が加わるし床に傷がつきます。二つ目は離着陸時の地面効果の緩和です。地面効果とはプロペラ回転面と床との距離がプロペラ直径の約1.2倍以下のとき、プロペラの下向きの風が床でせき止められて空気のクッション状態となり揚力が増える現象です。揚力が増え機体が上昇するとクッションがなくなり揚力が減るので降下します。離着陸時はこの繰り返しで不安定になりやすいので、なるべくプロペラの回転面を床から離した状態で離着陸するのが良いのです。

    • クッションゴムのついた脚を適当に自作

搭載する機器の仕様

 搭載する機器の仕様を次のように決めます。

  1. FPVカメラ カメラの外形寸法(特に横幅)をカメラ取付用マウントの寸法と合わせる必要があります。またビデオ信号受信機の解像度が600x480ピクセルになるので、水平解像度(TVL:Television Lines)の高いカメラは必要ありません。TVLは走査線数でありピクセルとの関係はというと周波数なども関係するので簡単ではないようですが、市販されているFPVカメラの多くは600TVLかそれ以上です。またカメラのレイテンシーは、機体の実際の動きが映像信号としてカメラから出力されるまでの時間遅れです。本来のレイテンシーとはラジオコントローラの操作からFPVカメラ映像が変化するまでの時間遅れですが、カメラのレイテンシーを低く抑えることは本来のレイテンシーを下げるために有効です。水平視野角は広すぎても魚眼レンズのような歪む感じがでるので120度ぐらいにします。

    • 外形寸法がフレームのカメラ取付用マウントに適合

    • 水平解像度600TVL以上

    • レイテンシー10ms以下(市販カメラのレイテンシーカタログ値の分布から10ms以下が低レイテンシーの部類に入るのではないかと判断します)

    • 水平視野角120度以上

  2. ビデオ信号送信機(5.7GHz) VTX(Video Transmitter)と呼びます。VTX制御プロトコルはVTXの周波数や送信出力を手元のラジオコントローラなどからOSD上で設定するために使用します。ただし、プロトコルをFC側と適合させる必要があります。通常はVTXのボード上のスイッチを使って周波数などの設定ができるので、一回設定した後変更しない場合は必要ないかもしれません。送信出力は屋内飛行仕様で最低レベルとします。アンテナは単体で購入することもできますが付属しているもので十分です。後述しますが、このVTXを利用するためには第4級以上のアマチュア無線技士の資格と無線局免許が必要です。また開局申請にはVTX系統図が必要になります。

    • IRC TRAMPまたはSMARTAUDIO

    • 送信出力25mW以上

    • 小型のホイップアンテナ付き

    • VTX系統図付き

  3. ラジオコントローラ受信機(2.4GHz) ExpressLRS(ELRS)はラジオコントローラ送信機との通信方式の一つでCRSFプロトコルを使い、通信速度、通信距離や同期の面で優れています。アンテナは屋内仕様とします。

    • ExpressLRS対応(通信方式)

    • アンテナ内蔵または小型のホイップアンテナ付き

  4. 測距センサ Ardupilotの公式ページには動作確認されている測距センサのリストがあるので、その中から選ぶことにします。I2Cインターフェースは測距センサなどに使われる同期シリアル通信のプロトコルで、FC側が対応している必要があります。またFCから供給される電圧の多くは5Vなので、対応する電圧にも注意が必要です。今回は屋内飛行の下向きセンサとして使うので、長い計測距離は必要ありません。計測周期は自分の経験則から決めました。

    • Ardupilotが動作確認済み

    • I2Cインターフェース対応

    • 5V電源対応

    • 最大計測距離3m以上

    • 計測周期30Hz以上

外部機器の仕様

 外部機器の仕様を次のように決めます。

  1. ラジオコントローラ送信機(2.4GHz) 2.4GHz帯の電波利用は、小電力の技術基準適合証明を受けた適合表示無線機であれば、資格と免許は不要です。通信方式は受信機と適合する必要があります。チャンネル数は制御する対象で決まりますが、3舵+1スロットル+1フライトモード+1アーム/ディスアーム切り替えで6チャンネルとします。またコントローラをPCにUSB接続してシミュレータを使った操縦練習ができるようにします。初心者はまずシミュレータを使った練習をしてから、実際に飛行させた方が安全です。私はドローンを飛行させる前はヘリコプタや固定翼機などのシミュレータ経験はあったのですが、ドローンはまったく別物です。慣れないのはスロットルとペダルを同じスティックで操作しなければならないことです。慣れるまでひたすらシミュレータで練習します。私は右スティックでピッチ/ロールをコントロールしたいのでモード2選択です。同じスティックでピッチ/ロールのコントロールは基本でしょ?と思ったら、主流といわれるモード1は左でピッチ、右でロールに分かれています。これは自分では絶対無理、慣れないと思いました。

    • 技適証明取得済み

    • ExpressLRS対応(通信方式)

    • チャンネル数6以上

    • USBジョイスティックとしてPCに接続可能

    • モード2(左縦軸スロットル、右縦軸ピッチ)

  2. ビデオ信号受信機(5.7GHz) FPV受信機です。普通のFPVではゴーグル型のモニタを使うようですが、私はPCのモニタで見たいのでUVC対応とします。FPV映像を見ながらの操縦には高い解像度が適していると思いますが、HD対応のものは高価なのでVGAとします。

    • UVC(USB Video Class)対応

    • ビデオ解像度600x480ピクセル

  3. Li-Poバッテリ用充電器 バランス充電は各セルに均等に充電する機能です。CC-CV方式は電流を制御しながら安全に満充電できる機能です。Li-Poバッテリの故障は充電中に発生することが多いらしいので、充電器選びは大切です。また接続コネクタをバッテリの充電用コネクタと適合させます。

    • バランス充電対応

    • CC-CV方式対応

    • 3Sバッテリ接続コネクタJST4pin

工具、コネクタなど

 ドローンの組み立てに必要な工具、コネクタなどです。

  1. はんだ付け工具一式

    • はんだごて 特に初心者には温度調節機能がついたものがおすすめです。こて先の温度が高すぎたり低すぎたり、温度変化が大きいとはんだが上手く付きません。

    • こて先形状 FCの基板上に所狭しと並んだ2mm四方ぐらいのパッドにワイヤをはんだ付けするので、先端が尖って細いものが良いと思いがちですが、マイナスドライバーのような形状のこて先のほうが熱が伝わり易く、はんだが上手く付きます。

    • こて台 作業中のはんだごて一時置き場です。こて先を掃除するスポンジなどが付いています。

    • フラックス 基板やワイヤに塗るとはんだのノリが全然違うので必需品です。容器のふたに刷毛が付いているタイプは、ふたを開けて容器のふちで量を調整して塗ったらもどして閉めるを繰り返すのでかなり面倒です。容器を倒してこぼしたこともありますので、ペンタイプが良いかもしれません。

    • はんだ 太さ0.8mm程度のフラックス入り電子工作用が使いやすいと思います。

    • はんだ吸取線 失敗したはんだの除去に使います。

    • 無水エタノール はんだ付けを失敗して何度もやり直していると、基板がフラックスでベトベトになります。無水エタノールをスポイトで垂らして歯ブラシなどで軽くこするときれいになります。けちって消毒用エタノールを使ったことがありますが、汚れ落ちが悪く余分な成分が入っているのでやめたほうが良いです。

    • はんだ作業用マット はんだ作業中は、小さなはんだの塊やフラックスが飛び散ったりします。シリコン製の作業用マットは熱や汚れに強く、着いたはんだの塊もひっかくだけでとれるしフラックス汚れも拭くだけでとれます。小さなボルト・ナットの一時置き場にもなるし滑りにくい素材なのでとても重宝します。

  2. その他の工具

    • 六角ドライバ(対辺1.5mm) 2.5インチドローンではM2の六角穴付きボルトを多く使うので、これが一番よく使うドライバです。

    • 六角ナットドライバ(対辺4mm) M2のナットに使います。

    • ワイヤーストリッパ(AWG30,28,26,24,22に適合) 細いワイヤの被覆むきには便利です。

    • ニッパー

    • ラジオペンチ

    • ピンセット

  3. コネクタなど

    • JST4pin~6pinコネクタのワイヤ付きオスメスセット 外部機器から出たワイヤを直接FCにはんだ付けしてしまうと、部品交換するとき、はんだを除去して付け直さないといけません。部品交換を容易にできるよう、FCと外部機器は基本的にコネクタを介して接続します。コネクタ単体に自分でワイヤをかしめて取り付けることもできますが面倒なので、あらかじめAWG28~22のワイヤが取り付けてあるものを購入します。

    • 内径2mm程度の収縮チューブ ワイヤどうしをはんだ付けした部分の絶縁補強に使います。熱を加えると収縮してぴったり付きます。ドライヤの熱風ではうまく収縮してくれません。ヒートガンなるものもあるようですが、わざわざ買う気になりません。私ははんだごての温度を200℃に設定して、こての根元の部分でなでて収縮させます。

    • バッテリ固定バンド バッテリをフレームに固定する面ファスナのついたバンドです。フレームキットに付属してきたりショップでも購入できますが、荷造り用のマジック結束バンドが安価できつく締めることができるのでおすすめです。

必要な手続き

 VTXで使用する5.7GHz帯の電波はアマチュア無線バンドです。屋内飛行限定とはいえ、電波利用するためには第4級以上のアマチュア無線技士の資格と無線局免許が必要です。とりあえず目視飛行できるドローンを自作して、資格を取ったらVTXをつけてFPV映像を見ながら操縦できるようにするというのも一つの方法です。

  1. アマチュア無線技士の資格取得 この資格がないと始まりません。私はドローンに興味を持つ前からアマチュア無線を楽しんでいます。ドローンより費用がかかりますが、奥が深くスケールも大きく自分にとって未知の領域がいっぱいあり、趣味としては最適です。

  2. 無線局の開局申請 資格を取得したうえで無線局(ここではVTX)の開局申請をします。PCから電波利用電子申請・届出システムLiteを使って申請ができます。ここで注意しないといけないのは、ほとんどのVTXは外国製で技適証明を受けていないので、日本アマチュア無線振興協会(JARD)またはTSS株式会社(TSS)の保証を受けなければならないということです。

  3. VTXの基本保証手続き JARDまたはTSSの基本保証を受けるためには、VTX系統図が必要になります。これはVTXの簡単な設計図のようなもので、A4一枚にまとめられています。使われているICとかフィルタなどの結線関係や信号の流れ、変調方式、使用周波数などを示したものです。ここで注意しないといけないのは、VTX購入時に製品の付属品として系統図がついてくるわけではないということです。国内の良心的なショップであればショップ作成のVTX系統図付きで購入できるので、確認することをお勧めします。

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