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実験用FPVドローンの自作(2)部品選び編

 2.5インチFPVドローンの自作に挑戦する初心者に向けて、自分の経験を備忘録として共有します。自身が初心者だった立場から、苦労した点や工程について記録します。仕様決め、部品選び、組み立て、フライトコントロールソフトウェアのインストール、テスト飛行、トラブルシューティングなど、初心者目線でまとめます。
 今回はその中の(2)部品選び編です。

部品選びの結果

 最初に結果を示しておきます。仕様編の予算3万円は私が自作を決めたときに想定した価格ですが、まったくあてになりませんでした。FC+ESCとモータだけで約2万円です。また日本製のラジオコントローラ送信機は全般的に高価なので、外国製の技適証明取得済み低価格のものを探すのに苦労しました。実験用の構成としては必要最小としましたがこの規模です。自作機と市販機を費用面で比較するのはあまり意味がないかもしれませんが、BETAFPVの市販100g未満ドローンの高度測距+オプティカルフロー付きフルキットが約4万円です。

 参考までに、FPVなしの場合は1万円ほど安くなります。アマチュア無線の資格取得と開局申請の手数料も必要ないので、トータルではさらに抑えることができそうです。


  1. フレーム HGLRC Sector 132というメーカー製X型ドローンのフレーム部品を購入しました。上部と下部に完全に分かれていて、その間に部品を自由に配置できます。部品固定用の穴も多く開いていて便利です。またモータ対角距離は132mmでFCの取付穴の寸法は20mmx20mmです。

  2. プロペラ 仕様編では触れていなかったのですが、プロペラのシャフト穴径とモータの軸径が同じものを選ぶ必要があります。今回選定したモータの軸径が1.5mmなのでそれに合わせ、また直径63mm、ブレード枚数6、ピッチ1.5インチのHQProp T63MMX6を購入しました。

  3. バッテリ 使用を満足する3S、容量850mAh、放電性能100C、ESC接続コネクタXT30、充電用コネクタJST4pinのものが比較的安価に入手できました。国内ショップでは満足するスペックのものが見当たらないので国外ショップで購入しました。国外ショップで購入した部品はこのバッテリだけです。

  4. モータ 仕様を満足する3S、最大電流9.6A、3750KVのモータを購入しました。カタログ値によると、2.5インチ、4枚ブレード、ピッチ3インチのプロペラを装着した場合、スロットル50%で推力65gです。プロペラは今回の選定とは異なりますが、全基で65gx4=260gですから重量を300g以下に抑えることができればホバリングはできそうです。

  5. FC+ESC Ardupilotの動作確認済み、取付穴の寸法20mmx20mm、4in1 ESCとペア購入可でI2Cインターフェース対応で比較的安価で…となるとかなり選択肢が減ります。最終的にSpeedyBeeF405miniのスタックバージョンを購入しました。またフライトコントローラのソフトウェアは購入時にBetaflightがインストールされていますが、Ardupilotに書き換えます。ESCの連続出力電流は35Ax4で、DSHOT300/600プロトコル対応です。またSMARTAUDIOには対応していないようですが、IRC TRAMPが使えます。

  6. プロペラガード フレームと同じHGLRC Sector 132の部品です。

  7. クッションゴム 少し大きめのクッションゴムです。

  8. ナイロンスペーサ M2x25mmの両側にねじ穴のあるタイプです。これを上部フレームと下部フレームの間に挟んで固定します。必要であれば短いスペーサを継ぎ足して、機器の搭載スペースを増やすこともできます。

  9. カメラマウント 幅19mmのTPU製のマウントです。TPU(熱可塑性ポリウレタン)はドローンの部品マウントなどにもよく使われているようで、丈夫で柔軟性があります。

  10. FPVカメラ レイテンシー重視でFoxeer Razer Microを購入しました。カタログ値では4msです。また水平視野角は125度あり十分です。水平解像度は1200TVLでこれも十分です。

  11. ビデオ信号送信機 IRC TRAMP対応で小型のホイップアンテナが付いた、PandaRC VT5804 NANOを購入しました。購入時にVTX系統図も同梱されていました。

  12. ラジオコントローラ受信機 ELRS方式でフラットアンテナを採用しているBETAFPV ELRS Lite Receiver V1.1 Flat Antennaを購入しました。ホイップアンテナよりスペースを占有しないし屋内飛行では十分です。

  13. 測距センサ Ardupilotで動作確認されたセンサの中では、STM社のVL53L1Xを使用したものがコスパに優れ安価です。VL53L1Xは最大計測距離4m、計測周期50Hz以上なので仕様を満足します。I2Cインターフェースかつ5V電源対応を条件としたので、秋月電子通商のAE-VL53L1Xを購入しました。

  14. ラジオコントローラ送信機 日本製のラジオコントローラ送信機は全般的に高価なので除外しました。外国製の技適証明取得済み低価格のもので、ELRS対応、6チャンネル以上、モード2、USBジョイスティック可能ということで、BETAFPV LiteRadio 3 Radio Transmitter 送信機を購入しました。

  15. ビデオ信号受信機 UVC対応のFPV受信機で探すと同じような製品が何種類か候補に上がるのですが、ここは価格重視で選定しました。

  16. Li-Poバッテリ用充電器 3Sバランス充電、CC-CV方式、充電用コネクタJST4pinを満足し比較的安価ということで、ハイテックのX1 SHOOTを購入しました。


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