再受験を終えて。

こんばんは、アスパラです。ご存知の通り本日合格発表があり、無事千葉大の法政経学部に合格しました。改めて皆さん、応援ありがとうございました。

今回は僕がこの人生2回目の受験を通じて感じたこと、学んだこと等について色々と書き記しておこうと思います。少し長くなりますが、良ければ是非最後までお付き合い下さい。

一度選んだ道が全てではない


僕は去年、今と同じ千葉大学の工学部物質科学コースに入学しました。この学科を選んだ経緯としては、僕は高校時代に物理と化学の科目が得意だったので、受験や大学での学習を通じてその得意を活かせるような学科に入りたいと思ったからです。
しかし入って3,4ヶ月ほど授業を受けてみて、段々とそれが自分に合わないということが分かってきました。なぜなら僕は理系科目が得意でこそあったものの、その分野にそこまで興味は持っていなかったからです。

高校までの学習では、それでも何とかやっていけました。ある程度勉強すればテストで良い点数がとれて、それが直接大学受験の対策にも繋がる。そのことが自分にとって、勉強をする上での大きなモチベーションとなっていました。
しかし大学に入るとそれが大きく変わります。学習する内容はさらに高度になり、いくら勉強しても分からないような内容が増えてくる。また学部によって受ける授業は異なるし、試験の範囲や成績の付け方は教授によりけりで一定の評価基準が無い。中には過去問が無いとどうしようもないような授業も出てきて、友人が少ないという理由だけで単位を落としかねないというケースも存在する。
一体これは何のためにやっているのか。自分の興味のないことをこのまま4年間学び続けて、一体何が得られるというのか。そう思い詰めた結果僕は期末試験の直前に軽度の適応障害を発症し、最終的にはこの学科を辞めるという決断をしました。

これらの経験を通じて僕が伝えたいのは、決して工学系や理学系の学問に価値がないという話ではないです。これらの学問があるからこそ現代において科学技術がこれほどまで発展し、我々の生活を豊かにしているというのは紛れもない事実だと思います。ただそうは言っても人にはやはり適性や好みというものがある。僕が工学系に興味を持つことができなかったように、僕がこれから進む経済系の学問に興味を持てない人だっているでしょう。
要するに僕が伝えたいのは、人の価値観というのは多種多様なのだから、自分が価値を見出だせると思った方向に進めば良い、ということです。周りの意見や印象に流される必要はない。それに大学で学ぶ内容なんて入ってみないと分からないのだから、やり直したいと思ったら何度でもやり直せば良い。過去の判断にとらわれることなく、今の自分の興味や価値観、そして今の自分がやりたいことを何よりも大事してほしいと思います。

受験だけが勉強のゴールじゃない


少しだけ僕の現役時代の話をします。
僕の高校は非常に学歴主義の風潮の強い高校でした。受験期は1日10時間勉強するのが当たり前。よりレベルの高い大学(東京一工やその他旧帝大)を目指すことが至上とされているような空気がありました。実際僕は割と早い段階で志望校を千葉大に変更したのですが、その時の周りの反応は「え、お前どうした?」でしたね。今となってはそれが普通じゃないことはすぐに認識できるのですが、当時の自分は完全にその環境にのまれていました。結果としては何とか志望通り千葉大に受かったわけですが、受験期間中はプレッシャーに押し潰されて本当に辛い1年だったなと思います。
で、そんな僕が大学に入って思ったことは、「あんなに自分を追い詰めなくても良かったんだな」ということ。確かに第一志望を目指して勉強すること自体は悪いことではないのですが、「第一志望に受からなかったら終わりだ」なんていう考え方は、全く持つ必要が無かったと思います。受験はあくまで進路実現のための手段に過ぎず、行った先で自分にできることを考えればそれで良い。そんな風に思えるようになったことも、再受験を通じて自分が成長できたことの1つかなと思っています。

人生、何が役に立つか分からない


正直僕も、あれだけ苦労して入った大学をまさか半年も経たずに辞めることになるとは思っていませんでした。でも別に僕は一度工学部に入ったことは全く後悔していないです。だってそもそも自分が理系の学問に適性が無いことは、理系に入ってみないと分からなかった。それに大学に在学している間に取った単位の一部は来年度以降にも持ち越すことができますし、何より学部が別になっても、工学部でできた友人たちとの関係は、今もそのまま残っています。それ以外にもバイトに行ったりサークルに参加したり、普通に浪人していたら絶対にできなかったような経験を、たくさん享受することができたと思います。
また受験に関しても、僕は去年よりはるかに少ない勉強量で合格することができました。それはひとえに現役のときの記憶が残っていたから。もし仮に工学部でそのまま進んでいたら一生使わなかったであろう受験の知識が、こうしてもう一度自分の身を助けてくれた。本当に人生何があるか分からないなと思います。



再受験をして、本当に色々なことを学びました。それは単なる受験上の知識だけでなく、自分の性格のこと、興味のこと、そして人生への向き合い方についても、時間と心の余裕ができたことで自分の考えを整理するきっかけにもなったと思います。進路変更をしたことで本来進んでいたであろう進路からは1年遅れを取ることになりますが、そんなことよりもこの1年間ははるかに価値があるものだったと感じます。
改めて再受験をする上でたくさんの協力をしてくれた両親や教授や学生相談室の方、そして僕の再受験を応援してくれた同学部、同学年の人や先輩方にも、本当に感謝の心を伝えたいと思います。
また4月から、千葉大の法政経学部生として再びスタートできることを、とても喜ばしく思います。本当に皆ありがとう。そしてこれからもよろしくお願いします。

アスパラ

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