【感想】漫画「鋼の錬金術師」エドの“やんちゃで頭いい”設定は革命!
漫画「鋼の錬金術師」の主人公エドワード・エルリック。通称エド。
エドの、「やんちゃな性格で、頭が良い」という設定は革命(後のエンタメに影響大)だという話をします。
漫画「鋼の錬金術師」は荒川弘先生によって2001年8月号から2010年7月号まで連載された作品です。
連載開始した2001年からすぐに大きな話題になりましたね。
…そう、2001年ごろ。
この年あたりから、少年漫画の「主人公像」に変化が出てきたように思うのです。
「やんちゃ系キャラ像」に革命をもたらしたハガレン
ハガレン登場以前までの漫画業界では、
「やんちゃ系キャラは勉強苦手」「クールなキャラは勉強得意」
のようにわかりやすい記号でキャラ付けをしてた作品が多かった印象。
それが、ハガレン以降「インテリやんちゃキャラ」が目に見えて増えたというか…本当に潮目を感じる。ハガレン以前以降でインテリキャラ造形が本当に変わった感がある。
もちろん実際にデータをとったわけでもない個人の感想なんですけど
エドワード・エルリックの出現で
あ・・・やんちゃ系キャラに、頭いい設定を組み合わせても…いいんだ…!?
っていう周囲の作家の気づきを2001年以降の他作品から感じるというか。
やんちゃな性格で、かつ頭がいい設定と腕っぷし強い設定は両立するんだ!という漫画業界内の気づきを感じるんです。
あと、「少年主人公にお金持ち&権力持ち設定付与」も斬新だったかな。
2001年に小切手出す少年主人公、珍しかったですよね?笑
鋼の錬金術師は「主人公造形の新しさ」という意味でもマンガ史に残る名作だと思います。
その他「鋼の錬金術師」の個人的魅力ポイント
記事の主題は「主人公像の革命」という内容ですが
おまけとして、ハガレンの魅力だと思うポイントを箇条書きでいくつか書き出しました。
軍人たちの日常会話がある
(軍人に親しみやすさ付与)
子供主人公と大人軍人が対等に仕事をしている
(大人の仲間に入れてもらえる子供を描く)
国家錬金術師の設定
(査定、研究論文、少佐相当の権力、銀時計)
国家錬金術師の「二つ名」が中二でかっこいい
錬金術師の錬成の仕方がそれぞれ違う
主人公たち以外、基本登場キャラが大人
アメストリス以外の近隣国の設定がある
(ワクワクする!)
少年主人公の【対比と類似】の立ち位置が大佐(大人)である
主人公は、旅をしているが軍直属の存在である国家錬金術師
(自由と拘束)
ライバルキャラがいない
人間と動物のキメラが登場する
(なんの動物のキメラかな?とか考えてテンションあがった)
「錬金術」というややこしい題材を、作者が理解・分解・再構築して万人にとっつきやすくしていること
作者の荒川弘先生が、短編も長編も得意な稀有な作家であること
(読切「盲目の錬金術師」は必見!)
地に足ついた重厚さと、ポップな軽快さの作品バランスが魅力だと感じますね。
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