母と歌えば2024➉

 昨日はやたらと暑い日だった。4月半ばなのに、半袖でちょうど良いくらい。つい数日前まで寒くて困っていたから、まだ半袖は数えるほどしか出していない。私は慌てて洋服を引っ張り出して、五分袖くらいのトップスを探し出した。そんなことをしていたら、母との約束の時間に遅れてしまった。
「あの子も来るのよ。」
私が実家に着くと、母が言った。妹がランチの時間に来るらしい。
 実は先週の日曜日、私と妹はニアミスしていた。フラダンスを習っている妹は12時から辻堂の駅前の野外ステージで踊ることになっていた。私は午後一時半から、同じ駅から歩いて10数分のところにある古民家カフェで、お客様と一緒に歌を歌うことになっている。妹のステージを悠長に見ていては、自分の準備が間に合わない。でも、ちょっとくらいなら見られるかな?私はタイミングよく駅に着き、一曲だけ妹のフラダンスを見ることができた。
 その間に母からのメールが何通も届いていたことに気づいたのは、自分の歌の集いも終わり、帰路に着いた後だった。
朝、母から
「今日は行くのをやめる。」
というメールが届いたので、その後はメールを見なかったのが失敗だった。その後母は、
「何時に行くの?」
「どこにいるの?」
「もう、帰ります。」
と、何通もメールをくれていた。あーあ。でも、あの見通しのいい野外ステージのどこに母は居たんだろう?
 「今日はバラの歌を歌う。」
母はそう言った。「バラが咲いた」と
「野ばら」を歌った。「野ばら」は、同じ歌詞で二種類の曲がある。
「どっち?」
と尋ねると母は
「わーらべーは見ーたりー」
と口ずさんだ。はいはい、そっちね。
シューベルトだったかな?
 歌い始める直前に妹がやって来た。母は「野ばら」を1番だけ歌って、昼ごはんの準備を始めた。まぁ、仕方ないね。
 食事が終わって、コーヒーを淹れる時、母は
「コーヒーポットの口が欠けてしまったから、一人分ずつのパックで淹れましょう。」
と言ったが、妹は大きめの急須を指差し
「これでいいじゃない?」
と言った。うーん、ドリッパーがうまくのるかしら?妹がのせてみると、ほんの少し斜めになった。私は何かとそそっかしいので、こんな不安定な状態では失敗してしまいそうだと思ったが、妹は気にせず、フィルターをのせ、コーヒーの粉を入れ、お湯を注ぎ始めた。チャレンジャーだなぁ。
 妹は美容院に行くと言って、2時半頃には実家から出かけて行ったので、私と母も同じ時に家を出て最寄り駅まで歩いた。ちょうど、実家の真下まで行くバスが来たので、母はそのまま帰って行った。
 欠けてしまったコーヒーポット、一応見てみると1200円くらいだった。その旨母にメールで伝えると、
「しばらく急須でコーヒーを淹れます。」
とのこと。なんでだろう😅?

お昼ご飯は生姜焼き、ホタルイカ、麻婆豆腐。
桜は葉桜に。

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