【岐阜市議会】小森忠良 岐阜市議会議員が、上下水道事業の経営状況について一般質問。

 2019年6月18日、岐阜市議会 第2回定例会の一般質問が行われ、その中で、小森忠良 岐阜市議会議員(会派: 岐阜市民クラブ)が、上下水道事業の経営状況について、一般質問しました。

 小森忠良 市議は、かつて、(株)十六銀行、(株)十六総合研究所に勤めた、金融・経済のプロフェッショナルです。

※ 岐阜市民クラブ: 旧民主党系の市議、立憲民主党の市議が所属する会派。

小森忠良 岐阜市議会議員(岐阜市民クラブ)の質問 】
続きまして、3つ目の質問でございます。
水道事業の過大な企業債残高について、上下水道部長にお尋ねします。

厚生労働省は、2016年に全国約1300の水道事業体の内、3割が給水経費を料金回収できず、今後、急激な値上げや経営悪化に追い込まれる自治体が続出する事態も懸念するといっております。
その対策として、昨年12月に、国会の方で水道法が改正され、広域連携水道事業運営権を民間に売却するコンセッション方式採用が可能となりました。
岐阜市の水道経営については、前回の3月議会においても、市長がコンセッション方式採用については、当面考えてないとの答弁をされております
さりとて、この上下水道事業において、過度に利用者の負担を増すことなく、持続可能な経営が今後も持続するために、現状の水道の経営について、しっかりと精査をする必要があると考えます。
2017年度の岐阜市水道事業会計によれば、収入は55.3億円純利益9.8億円、同じく下水道事業会計によれば、収入83.6億円純利益6.1億円となっております。
一見、問題の無い好決算のように見えます。
昨年の12月の岐阜市議会におきましても、水道法改正に関する質問に対して、上下水道部長の回答は、「平成26年10月に平均改定率9.47%の料金改定を行い、必要な投資を行いながら、効率的な経営に努め、一定規模の純利益を確保しており、現時点での財政の健全性は保たれている」と回答されております。
しかしながら、私は、問題点として、やはりこの高過ぎる負債水準について、今回、課題として挙げたいと思います。
現在の企業債残高、上下水道合わせまして、平成17年のピーク時の計1120億円から減ったとはいえ、水道が328.7億円、そして、下水道は615.5億円と、合計944億円と依然として大きな規模であり、利益と減価償却費の合計、それぞれ32億円、42億円の約10倍、15倍となっております。
総務省の平成29年度 地方公営企業決算の概要によりますと、水道の企業債残高に対する給水収益比率、下水道の企業債残高に対する事業規模比率の全国平均の比率は、それぞれ、水道が約280%、下水道が約680%であるのに対しまして、岐阜市のその比率は、水道が約630%下水道が約970%と、やはり、異常に高い水準となっております。
人口減少や節水型社会、そして、今後、コンパクトなまちづくりが進んでいく中で、水需要は減少傾向になると思われ、今後の水道事業料金収入は、低減していくことが予測されます。
加えまして、昭和40年代の敷設された管路などの耐用年数を迎える、多くの水道施設の老朽化に加え、近年多発化、激甚化する自然災害の備えとする施設更新需要が増大することが想定され、水道事業を取り巻く環境は厳しさを増すことは避けることができません。
水道会計は、来年度が岐阜市の上下水道事業経営審議会料金について見直す時期と聞いており、今後、水道会計の健全化の観点で、大幅な料金見直しがなされることが懸念されます

そこで、上下水道部長に、以下3点、お尋ねします。
・ 上水道についての岐阜市の債務が多い理由については、どのようにお考えでしょうか?
・ 2番目、債務削減について、どのような取り組みをされているでしょうか?
・ そして3つ目、今後、水道料金の大幅な値上げの可能性はあるのでしょうか?
【 牧ヶ野敏明 上下水道事業部長の回答 】
水道事業の企業債にかかる3点の質問について、お答えを致します。

まず、水道事業の企業債についてでございます。
少し、これまでの水道事業を振り返りますと、昭和初期に始まった本市の水道事業については、豊富な地下水を利用し、人口増加に伴う水需要に対応するため、水道事業の拡張を行って参りました。
また、昭和30年代から、各地区で整備をされました、32の簡易水道について、給水の安定向上を図るため、昭和62年から平成17年にかけて、順次、水道事業に統合を進め、水源地の統廃合や連絡管の敷設など、水道施設の再構築を進めて参りました。
昭和63年度からは、水道の整備事業に着手し、強度が弱く、破損率が高い石綿管等の更新に本格的に取り掛かり、平成7年の阪神大震災の教訓も受け、平成10年代に亘り、集中的に取り組んできたところであります。
また、同時期において、本市全域で排水池貯留時間が、厚労省の災害時対応の指針である12時間に遠く及ばない3時間程度であり、さらに鏡岩水源地系統には配水池が無いことから、鏡岩配水池を建設するとともに、芥見、木田などの配水池の建設も進め、地震などの災害だけでなく、日頃の断水などにも強く、安定的に水を供給できる体制を整備してきたところであります。
これらの建設にあたっては、水道施設がその時点で利用されている方だけでなく、次世代も利用する共通の財産であるため、財源の大部分を企業債で賄うことで、後年度にも負担を分け合い、世代間の公平性を図っているものでもあります。

次に、2点目の企業債削減に対する取り組みに関するご質問にお答え致します。
今、申しましたように、時代の要請や災害対応など安定的に水をお届けする体制整備において、必要な投資をし、後年度負担の観点も踏まえ、企業債の借り入れをしておりますが、過度な企業債への依存は、将来の負担となるものであり、決して好ましいものではありません。
そのため、平成27年度策定の「中期経営プラン」の経営目標の3において、「重要なライフラインとして施設設備の機能維持・向上に努めます」を掲げ、「水道施設の計画的な整備の推進」として、年平均約24億円の投資という目標金額を定め、年度間の平準化を図っております。
また、同じく中期経営プランの目標2として「安定した事業運営を実現するため、健全な財政運営に努めます」を掲げ、「企業債残高の縮減」を取り組むこととし、企業債残高については、ピークであります平成17年度末の420億円から平成29年度末には約329億円と率にして約22%、約91億円の削減を行い、目標値より2億円少ない額を達成をしてきております。

次に、3点目の料金の大幅な値上げの可能性について、お答えを致します。
先に申しました、24億円の投資については、現行の水道料金体系で継続した場合、事業費の平準化が図れる一方、中長期的には法定耐用年数を超過する水道施設が増加するため、老朽化による水道事故が、事故が頻発するリスクが高くなることが危惧されます。
水道施設の健全度を一定程度保っていくには、老朽化対策に必要な財源の確保について検討する必要があります。
そのため、同じく経営プランの目標2において、「料金水準及び制度の適正化」を掲げております。
現在の水道料金については、料金算定期間を平成29年度から令和2年度までとしており、令和2年度には、その後の料金のあり方について、岐阜市上下水道事業経営審議会に諮問を行い、審議して頂く必要があります。
今後は、利用する人口が減少することが想定されており、将来利用する方に過度に負担がかかることがないよう、適正な料金により、現在利用する方にも将来行う施設更新の負担を求めることも必要になってきております。
実際、料金算定を考える際には、日本水道協会の水道料金算定要領においては、「施設実体の維持等のために、施設の建設、改良、再構築などに充当されるべき額」として「資産維持費」の考え方が示され、対象資産に資産維持率3%を掛け、その額を見込むものとしております。
実際、全国では既に527の事業体で、その相当額を算入し、将来の更新のために建設改良積立金に積み立てているという厚労省のアンケート結果もあります。
資産維持費など適切な計上を行うことができれば、将来の水道施設の更新などに必要な財源が確保され、安定的な財政運営ができるものと考えられます。

何れに致しましても、施設設備の整備・更新などに必要な建設改良費の財源である料金や企業債などについて、将来世代も含めたバランスのとれた利用者負担を考慮した次期経営プランを策定し、健全経営に取り組んで参りたいと考えております。


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ありがとうございます。水道民営化を阻止しましょう。
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