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修斗旅 プロ修斗香川大会FORCE19編


FORCE19 公式振り返り

プロ修斗2Days 後楽園ホール&高松

2024年3月24日(日)開催のプロ修斗香川大会に行ってきた。
ご存じの方も多いと思うが、実は、前日の3月23日(土)もプロ修斗後楽園ホール大会があり、二日連続の修斗観戦だった。

後楽園ホール大会は、当初構想していたカードが怪我などでいくつも吹っ飛び、さらに、大事な試合で前日計量オーバーもあったりと、トラブルに覆われた大会となってしまった。
しかし、そんなときこそ選手は奮起してくれて、第1試合からKO、一本勝ちの連続。唯一の判定となった結城選手vs椿選手も非常に力の入った見応えのある一戦となり、全体として期待値を遙かに超える大会となった。

「いやぁ、良かった、良かった。明日も楽しみだ。」と友達と感想を述べながら帰宅。一泊分の荷造りして、翌朝、高松に向けて出発することとなった。

何かが起きる修斗旅 空路トラブル

翌朝、羽田空港に到着して、航空会社のアプリでチェックインをしようとすると、何やら運航状況に注意して下さい、という表示が出ている。その時は、正直、特に気にしていなかった。

しかし、保安検査を通って待合室でくつろいでいると、アナウンスが聞こえてきて、段々、ヤバい状況であることがわかった。

高松空港は、山を切り開いて作った空港で、普段から天候の影響を受けやすいとは聞いていたが、現地は雨天濃霧という状況で、「視界不良で、進入路が視認できない場合は、羽田空港に引き返すかも知れません。」と条件付き運航となっていた。

まぁ、それでも、搭乗させてるし、飛んじゃえば何とかなるんじゃないの?という甘い考えの乗客がほとんどだったと思う。実際、席に着くなり寝ちゃうお客さんも多かったし。
しかし、機内WiFiを使って状況を確認すればするほど、「あれ、これ、マジでダメなんじゃない?」という不安が高まっていった。

自分が乗った便より先発した飛行機は、ことごとく、他空港着陸ないし羽田空港に引き返している。何故か、5分違いで出発しているANA機も上空待機中となっている。

「あー、終わったかも。」と一瞬思った。

しかし、暗澹たる気分の中、不意に「着陸態勢に入ります」とアナウンスが聞こえてきた。心の中でガッツポーズだ。
外はよく見えないので状況はわからなかったが、幸運にも、高松空港上空旋回の後、早い段階で着陸が可能となり、ANAを追い越す形で着陸することができた。本当にラッキー。

ちなみに、搭乗後すぐに眠り込んで、着陸してから目が覚めた隣の乗客は、こんなにヒヤヒヤする状況だった事を知らなかったと思う。

それにしても、修斗旅は色々なことが起きる。
「何かが起きる修斗旅」とよく言っている通り、以前も、大阪大地震、台風直撃、飛行機欠航などに見舞われたが、また事件簿に追加されたことになる。
普段の旅行はこんなことそんなに起きないのに、本当に面白いよね。

一難去って、また一難。大会直撃。

しかし、真に問題だったのは、大会の関係者、スタッフなどが、この空路トラブルに巻き込まれたことだった。

自分は観客だから、開始に間に合う程度の時間にくれば十分なのだが、関係者スタッフはそうもいかず、事前の準備が必要だ。当然、もっと早い便に乗っていて、それが故に、Uターンや他空港着陸となってしまったわけだ。

あとで話を聞いたところ、それぞれ、羽田から空路をリトライしたり、JRで陸路を来たり、伊丹からJRで急いで乗り継いできたそうで、数時間遅れでたどり着いたとのこと。
また、プロモーターは万が一を考えて、色々と水面下で手配していたそうで、開催に向けて全力で対応してくれた。

わずか30分遅れで開催できたのは幸運だったが、その背景に、このような運営側スタッフの皆さんが、絶対にたどり着く、仕事を全うする、という姿勢を見せてくれたおかげだと思う。ありがとう!
自分だったら、絶対諦めていたと思う。

白熱した試合が続く

やや遅れて開始されたプロ修斗香川大会 FORCE19。
この大会も、期待を超える試合が続いた。

オープニングファイト 垂水稔朗(FORCE GYM)vs  稲葉祥真(ASH)

第1試合 森 貴史(Zジム) vs 中島 陸(ゴンズジム)

第1試合はデビュー戦同士の試合だったが、中島陸選手(16歳)がパンチからテイクダウン、バックマウント、パウンドと一気に森選手を仕留めた。素晴らしい動きだった。

中島陸選手は、同じゴンズジムのプロシューターであるムテカツ選手の息子さん。アマチュア修斗時代から注目されていたが、見事なプロデビュー。
安芸選手のように、ジュニア修斗育ちのネイティブMMA世代が、これからどんどん台頭してくることでしょう。

ちなみに、小さな頃から見守っているジムの先輩方全員が保護者のような面持ちで試合を見守り、勝利に安堵して喜んでいた。これもまた、THIS IS SHOOTOであり、SHOOTO IS MY LIFEの形なのだな、と思った。

中島陸選手(左)、お父さんのムテカツ選手(中央)、亮我選手(右)

第2試合 魚山皓平(HOPE) vs 宮口龍鳳(コブラ会)

この試合も注目していた。宮口選手は、一撃必殺の蹴りを腹に決め、本当に凄い勝ち方だった。今年は新人王トーナメントにもエントリーしているので、俄然、楽しみが増した。
魚山選手も、柔道をベースにしているだけあって、体や動きからにじみ出る強者のオーラが出ていたと思う。次戦が楽しみ。

第3試合 里見拓磨(Zジム) vs シューティングガイコツ(THEパラエストラ沖縄)

この試合は里見選手が躍動。東京での根井選手との試合で全国のファンにも知られたと思うが、やはり強い。攻撃性が高く、速く、力強い。かといって攻め急がず、良く相手を見ている所も素晴らしかった。
シューティングガイコツ選手は、ストロー級に落とし、リングネームを変え、何が何でも修斗で勝つ、という気概を持っているが、今回は出力差が大きく、厳しかった。

里見選手については、大会前に安芸選手が自信ありげに注目しといて下さいと話してくれたが、まさにその通りだった。全国のファンの皆さん、要注目です。

第4試合 矢野武蔵(パラエストラ愛媛) vs 波平コング(THEパラエストラ沖縄)

矢野選手が常に先手を取る形で、スタンドからテイクダウンを交え、やや披露を見せながらも最後まで良くコントロールして勝利。ポテンシャルの高さを見せたが、まだまだ強くなるでしょう。
波平コング選手も、今回は、組まれてから、また危ないシーンでもしっかり対応して、パンチも思い切り振っていたし良かったと思う。勝利はお預けとなったが、そう遠くないと思える試合に。

第5試合 石原愼之介(Zジム) vs 谷中たいち(吉田道場)

この試合もスイングして面白かった。両者動いて攻める形を作り出すことに長けていて、どちらに転んでもおかしくなかったが、愼之介選手がやや力で劣るかなと見えたが、どんな体制からも切り返し、上を取ってはダメージを与える攻撃が多かったと思う。
谷中選手も、必殺のせんたくバサミなど見せ場は多かった。所属するジムの吉田代表が今大会で修斗のレフェリー卒業ということで、勝利で花を添えたかったと思う。思いは叶わなかったが、意志は凄く強く感じた。

西日本での修斗でレフェリングを担っていただいた吉田レフェリー。お疲れ様でした!

第6試合 堀川“55”滉介(トライフォース高知) vs 神里昭吾(THEパラエストラ沖縄)

神里選手がパンチ&ローでシュアなスタンドを見せて、おっ、強くなってる!と思わせる立ち上がりから、堀川選手が組み倒し、そこからポジションを奪い、パウンドを落とすなど、見応えのある攻防がとても良かった。
最後は、バックを奪った堀川選手が、パンチを入れたときに神里選手の首が空き、そこに腕を回してチョーク。教科書のような勝ち方だった。

堀川選手は、ここ数年、コンスタントに試合を重ねて本当に強くなっているので、常々、もっと上を目指して欲しいな、というのがファンとしての思いだった。今回、勝ったあとのマイクで、ランキング入り、クラスA入りを目指すとアピールしてくれて、本当に楽しみが増えた。

第7試合 高岡宏気(FORCE GYM/世界10位) vs 恐山陸奥太郎(TEAM SALT)

対戦カードが発表されたとき、「???」という印象だったこの試合。正直、キャリアの上で特に接点もなく、恐山選手は長いブランクからの復帰戦ということもあり、唐突な感じもあり、ピンと来なかった。しかし、終わってみれば、互いに抱えている状況や気持ち、執念がぶつかり合う面白い試合となった。

高岡選手は、ランキング入りしてから苦い試合が続いていて、相当苦悩していたと思われるが、昨今は、打撃のエキスパートである吉鷹さんのところに出稽古に行ったり、Zジムや堀川選手とも練習を重ねて、この日を迎えたとのこと。恐山選手のボクシングや、グラップリングに苦労しつつも、パンチでKOを奪えたのは大きかったと思う。

一方の、恐山選手は多くを語らないタイプで、詳細はわからないけれど、試合のない3年間に積み上げてきた思い、練り上げてきた技術をぶつけてきた。スタンドでも組んでも、細かい技術はさすがだと思った。
サイクロンジムのパンツには、CUTEと尾下塾のロゴ。これからも、信頼する仲間とともに頑張って欲しい。

高岡選手は、毎回のように、地元大会でメインを任されて重圧もあっただろうし、せっかく手にしたランキングを手放したくないという焦燥感もあったと思うが、快勝して、それらから解放。今まで見たことがないくらいの喜びを爆発させた。

でも、これで満足しないで、もっと上位陣に絡めるような活躍を期待したい。頑張って下さい!

というわけで、内容もよく、気持ち良いKO劇もあり、ガッツも感じられた大会は無事終了。
空路のトラブルのことを考えると、よく、ここまで盛り上がったと思う。本当に興行って難しい。

おまけ 修斗旅うどん編

翌日は、うどんを食べ歩こうと思っていたのだけど、連日の観戦、寝不足などもあり、街中の近いところで楽しむことにした。
長くなったので省略するけど、Xのポストでも追いかけて見て下さい。

このうどん編での教訓としては、3~40分に1杯の早さでうどんを食べ続けると、腹が苦しくなって動けない、ということだ。大事なことなので、よく覚えておいて欲しい。

大会情報


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