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小説 佐戸交霊糞便魔蔵地獄図之変其一

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口上
性癖とは恐ろしく因果なものでございます。
日常の生活からはうかがい知れない暗闇の中に鈍く光り潜んでおります。
闇は一旦事に及ぶと制御不能となりはてて、誰もが只今その激流に呑まれ快楽の虜となるのが常でございます。
さて、俎上に上がりましたのは、2000年五反田SMクラブ「紙パンツ」に集うナンバーワン女王様サチエとその客平吉の話でございます。

平日の午後2時五反田の目黒川沿いにある雑居ビルを目指して平吉は次第に非日常的になる景色を楽しみながらを歩いていた、平吉は視線を落とし「誰の顔も見たくない、だから誰も見ないでくれ」とでも言うように顔を伏せて雑居ビルに入った。平日の真昼間から風俗通いする平吉は、ねずみ講紛いの羽毛布団の紹介販売ビジネスで一儲けした羽振のいい三十代そこそこの個人事業主で背は低く160センチぐらいの小太りの男である。誰に似ていると言う事もなく黒縁の眼鏡をかけた全く普通で、目立たずいい男ではない。
エレベーターを降り左奥の一見スナック風のドアを開けると薄暗い赤の淫靡な世界が現れる。ボーイに導かれ左にあるカーテンで仕切られた個室で、平吉は手慣れた様子でこの店でナンバーワン女王様のサチエさんと今日の調教プレイの流れを確認、支払いをする。月4回、1回5万円普通のサラリーマンでは続かない金額だ。やっと最近通い詰めて通い詰めて常連さんになった。
サチエさんは美魔女である。小柄であるがハイヒールの分平吉より背が高い歳は分からないが可成り上だろう、笑顔は20代でも通りそうだ、しかし怒った時の豹変した顔は50代の底意地の悪いババアを感じさせる。
女王様は商売上平吉には甘い言葉はかけないが、お馴染みさんではある。
平吉はシャワールームに向かった。
シャワーを浴びて全裸で備え付けの紙パンツを穿く、鏡に映し出される
お腹のでっぷり出た無様なその姿はまるで惨めな白豚だ。
平吉は改めて紙パンツ一丁の無様な己を見てスイッチが入るのを感じた。
平吉はブルーシートが二重に敷かれた床にひれ伏し高い椅子に膝を組んで座り網タイツにつつまれた右足首の不死鳥のタトゥーを見せつけるボンテージ姿の女王様を見上げて
女王様どうぞこの白豚を調教して下さいませと、発すると


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