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4✕100mリレーへの期待

日本人は予選で敗退した男子100mですが、中国代表の蘇炳添選手が準決勝で9秒83という驚異的なアジア記録を出しました。90年代後半であれば世界記録です。

まさかアジア人がこのレベルの記録を出す日がくるとは想像もしていませんでした。決勝では、スタートで少し出遅れて6位に終わりましたが(優勝はイタリアのヤコブス選手)、それでも9秒98を記録するという安定感も素晴らしいです。

4×100mリレーで結果を残すと本人はレース後に語っていたとのことで、日本のライバルとなるでしょう。もちろん1人驚異的な走力の選手がいたからといってリレーは勝てるわけではありませんが、前回大会のメダリストだからと油断していると、アメリカ・ジャマイカ・イギリス等の有力国以外にも足元をすくわれる可能性も十分あります。予選からしっかりと記録を出しに行く走りをすることが求められるでしょう。

桐生選手のけがからの回復具合や、デーデーブルーノ選手の調整具合などでメンバーは変わってくるでしょうが、順当にいけば、多田・山縣・桐生・小池選手になるのではないでしょうか。サニブラウン選手は日本選手権の走りを見る限り、調整が順調には見えなかったですし、大会直前の短距離代表合宿にも参加しなかったようです。

アメリカ等の個々の走力に頼った戦術で勝負するのではなく、連携で勝負する日本は、バトンパスの練習が不可欠であり、直前のすりあわせができていないのであれば、メンバー入りは難しいと思います。

100mで予選敗退となった多田・山縣・小池選手はプラスに考えれば、準決勝・決勝の2本は走っていないので、そこでのダメージはありません。

100mという繊細な種目なので、走りの修正点をこの短期間ですべて改善することは難しいかもしれませんが、自分の走りを修正しつつ、チームとしての連携を深めて、リレーでは納得のいく走りをしてほしいと思います。

個人種目に出場していない桐生選手は、けがさえ完治していればリレーではいつもとんでもない活躍を見せてくれる選手なので、期待はふくらみます。特に今回は個人種目での出場がかなわなかったこともあり、リレーで結果を出すことに燃えていることと思います。

5年前のリオオリンピック時に比べて、個々の選手の走力は上がっていることは間違いありません。選手たちには、自分たちが納得のいくパフォーマンスをして、再びオリンピックの表彰台に、できれば表彰台のまんなかに立ってほしいと切に願います。

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