読書感想文の回(ただしい人類滅亡計画)

こんにちは、夜枕ギリーです。更新日だけど珍しくこのあと丸一日用事があるので本の感想でお茶を濁す回。

『ただしい人類滅亡計画』を読みました。品田遊ことダ・ヴィンチ・恐山さんによる、反出生主義をテーマにしたお話。ライター、エッセイストとしての彼の文章はとても好きなのですが、小説となると微妙に波長が合わず、完読できた本は実はこれが初めて。

突如現れた全能の魔王が、地球を滅ぼすかどうかを人類の代表10名に話し合いで決めさせるというシチュエーションで舞台は進みます。その結論が滅亡でも存続でも、理に適っていれば魔王はそれを受け入れるので、「普通に」考えれば絶対に存続に持っていきたい。しかし10名の中に反出生主義=人類は滅びた方がいいと主張する人物が紛れていて……という話です。

いやー面白かったですね!会話形式で反出生主義の考え方を説明するという内容なので、ストーリーらしきものは先ほどのシチュエーションが全て。物語的なものを求めて読むと肩透かしを食らうかもしれないけど、私は逆に相性が良かったようです。

善と悪、幸福と不幸、道徳と不道徳みたいな、哲学的な話が好きな人には刺さると思います。特に「そんなん主観によって変わるじゃん」というお決まりの主張を論理的に突き崩していくのは流石ざんっち(ダ・ヴィンチ・恐山)というところ。

反出生主義というものについても私は「子を生すことは親のエゴであり悪である」くらいの考えだと理解してたんですけど、本書ではその二階層くらい奥まで潜っての話だったのでぐいぐい引き込まれました。人類は滅びるべき。

しかし物事をこんなに深く考えられる頭のいい人なのに、食べる系の企画の直前に菓子パンを食べてしまうの、人間という感がして愛らしい。やはり人類は滅ぼさない方がいいかもしれない。

次の日に用事があって記事を書く時間が取れないことが分かっているなら前の日に書いておけば良いということに気づいたので終わりです。人類は滅ぼした方がいい。

散ッ!


ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?