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デザイナーがわさわさ集まってくる求人条件

ミートアップ的なイベントに参加すると、「社内にデザイナーがいなくて困ってる。募集かけても全然集まらない。」と仰る企業さんをよくお見かけします。

これを提示したらデザイナーがわんさか集まって来るぜ」と言えるような求人条件て何だろうかと思いまして、本記事を書いてみました。

なお、文中にいくつか注釈入れてますが、注釈の説明は別記事に括り出しました。1ページ内の文字数多すぎるとあんまり読んでもらえないので。
(注釈説明はこちら → https://note.mu/gimmickdock/n/nf186af502656

デザイナーの欲する環境

雇用条件とか求人条件とか言うと真っ先に報酬額が思いつきますが、これはデザイナーの性格上あまり関係ないと思っています。(※1)
というか、高すぎる報酬を提示されるとむしろ警戒したりします。年収2千万とか提示されようものなら「それ3ヶ月で死ぬやつだろ?」と考えてしまいます。

では他に魅力的な条件って何でしょうか。
健全な労働時間?これもあまり心に刺さりません。ブラックな環境は回避したい(※2)一方で、面白い仕事ならば時間を忘れて注力したいのもまた事実です。
仕事が面白けりゃ自主的に残業も休出もしちゃう人種ですので、「残業は絶対させない」とか言われると「それはやりづれぇな...」と感じます。

となると他になんでしょう...?
「やりがいのある仕事」「裁量大きい」「和気藹々やってます」「社内イベント盛りだくさん」... うん、どれもヤバい匂いしかしない。

自分自身の経験と、今までに会ったデザイナーたちの言動や振る舞いから考えるに、デザイナーが最も求めているのは自己の成長だと考えています。短期的なスキルアップではなく、長期的に成長し続けられる環境ですね。(※3)

それって、具体的にはどんな環境か。

A. ビッグネームなデザイナーが居て、学べる環境
B. 無理ないペースで自学できる環境

ざっくり言うと上記ABのいずれかだと思うのですが、Aを実現している会社は「デザイナーがいなくて困ってる」(※4)とは言わないでしょうから、本記事の主旨としてはB一択です。

では、Bを実現するためにどうするか。
検索するといろいろと事例が見つかるのですが、DEN DESIGN 大堀さんのとあるツイートを思い出します。

週4で業務、1勉強、2プライベート、というペースでのライフサイクル。
これを制度化している会社があったら、デザイナーにとって非常に魅力的だと思います。(※5)

ここでくれぐれも誤解されたくないのですが、「週休3日にしろ」と言いたいわけではないです。

自分の知る限り、大抵のデザイナーは週休1日、または休み無しでデザイン作業(トレーニング等含む)に取り組んでいます。実態としては。(※6)

うまくインプット(知識の吸収、技術の習得)に時間を割けていればいいのですが、多くの人はアウトプット(制作、発信)のクオリティ向上に時間を多く割いてしまって、勉強に時間を割けていないように感じています。(※7)

なので、所属する会社側から「週に1日、学習に専念する日を設ける。その日は業務禁止。」という制度を提示してくれたなら、とても好ましいと思うのです。

このようなことを非デザイナーの人に言うと、「アホか勉強する時間くらい自分で調整できねえのかよ死ねよ。どの職種の人間だって優秀な奴は必死に勉強しとるわ。時間は与えられるもんじゃなくて作るもんだよガキか。もう喋んな。呼吸止めろ酸素が勿体無い」と思われるかもしれません。
クリエイティブ風味の少ない、ビジネス寄りのデザイナーもそう考えそうですね。

あえて断言します。大抵のデザイナーは、「勉強のために計画的に時間を作る」なんてことはできないです。
なぜなら、アウトプットの品質を上げることに全身全霊をぶち込んでしまうから。その衝動には抗えないから。

例え話

ここで一つ例え話をさせてください。

とあるデザイナーの身に以下3つの事象が同時に発生したとします。その時デザイナーはどう動くのか、を考えていただきたいです。(なるべくリアルに想像して下さい。)

事象①
20時間何も食べずに作業を続けている。そんなひどい空腹状態で、目の前に北京ダックが置かれる。

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事象②
全裸の石原さとみが全力でベッドに誘ってくる。

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事象③
納期まで残り2時間だがアウトプットの品質がイマイチ。でも2時間で大きく品質向上できる目処が立った。

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そんなカオスな状況あってたまるか、と思われるでしょうが、現実にそのような状況があったとして、その場にいるデザイナーにとってそれは大してカオスな状況ではないです。

なぜなら、①と②は目に入らないから。③に全意識をもってかれてるから。

作業に没頭してたら昼飯食い忘れて夜になってるなんてことは、デザイナーあるあるの一つです。デザイナー全員経験あります。(※8)
「食べると眠くなっちゃうから」という理由で40時間食事せずに作業続けたりとかするもんです。
①は目に入らないです。間違いないです。(匂いはちょっと気になるかも)

②も目に入らない。だってこないだ某Designer's Barで「仕事が楽しけりゃ性欲なんて起きねえよ」と豪語してるデザイナーいたもん。どういう文脈でその発言に至ったのか知りませんけど。(※9)
疑わしいと思うなら石原さとみを私の目の前に連れて来るといいです。身を以て証明します。

とにかく圧倒的に、「アウトプットの品質向上」への欲求が強いんです。
いやホントマジで。

アウトプット作業をほどほどに切り上げて勉強に時間を割くなんてことは、納期までにたっぷり時間がある状況ならともかく、ある程度タスクの詰まった状況ではまず無理です。
そこには尋常ならざる自制心が必要です。全力の石原さとみを軽くあしらえるレベルをも超えた、人間離れした自制心が、です。

なので、組織の側から
「この日は作業しちゃダメ。勉強しなさい。作業したら減給。」
くらいに強く言ってもらえたら有難いのですよ。(※10)

会社側の損をどうする

作業時間が減ればアウトプット量が減るから、会社側としてはその分デザイナーの数を増やさなければいけません。もしくは、開発ペースを遅らせることになります。

そのコストはどうしてくれんだ、と言う主張もあるでしょうが、どうせデザイナーの採用には大きなコストかけていることと思われます。
自然に優秀なデザイナーがわっさわっさ集まってくる状況を作れたら採用コストはだいぶ下がりますので、特に問題はないかと。

採用にコストかけずに「デザイナーがいなくて困ってる」とか言ってるならそこで静かに爆裂してればいいんです。

懸念

「週1日は自学」を掲げた場合、ただサボりたいだけのダメデザイナーもわっさわっさ集まって来そう、という点が懸念されます。
これを見抜いて除外するためには転職エージェントや外部デザイナーに選考を手伝ってもらう必要ありますね。

あと、社風として、業務外の時間に勉強する人を「意識たけぇw」とか笑う空気があるとダメかも知れません。勉強の時間を与えられても頑張れなくなりそう。

自学の成果が業務に活きているのか判りにくいからといって、「勉強の成果を経営層に向けて発表しろ」(※11)とかっていう事態も避けたいところです。そこに労力割きたくないし、モチベーション下がります。
学んだ知見を整理するために図解してSlackとTwitterに流す、とかならウェルカムですけどね。(※12)

結論

本記事は実践を伴わないあくまで個人的な思考実験に過ぎませんが、『成長意識の強いデザイナーを集めるにあたって最も魅力的な要素は石原さt、制度によって確保された自学時間である』と結論する次第でございます。

(注釈の説明はこちら → https://note.mu/gimmickdock/n/nf186af502656)

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