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【天啓メモ】CXO Night #3 の後半トーク

昨日のCXO Nightで心に刻みつけたい言葉がたくさんあったのですが、いかんせん内容が濃密すぎてブログ記事としてまとまらないです。
とりあえずイベントレポート的な感じにまとめるのを諦めて、メモとして書きます。そのうち各トピックを掘り下げて書きたいです…。

デザインと越境

「デザインを越境せよ」と掲げるのはちょっとずれてる。
デザインは越境するためのメソッドであり、「ユーザと向き合うことに責任を持ちつつ越境して統合的に課題可決している人」がデザイナーである。

広義のデザイン/狭義のデザイン、という考え方からの脱却

デザイン経営宣言の目的の一つは、広義のデザイン(デザイン思考、サービスデザイン、UX…)と狭義のデザイン(色と形、クラシカルデザイン…)という括り方をリセットすることにある。
広義のデザインと狭義のデザインは背反であるかのように語られがちだが、それらは一つのもの。色と形の美しさにこだわらないデザインなんて有り得ない。Apple製品から美しさを引いたら超オタクなテックプロダクト。色と形の美しさはUXや経営から切り離せない。そもそも広義のデザイン、狭義のデザインという分け方がおかしい。
あと、広義か狭義かはユーザにとっては関係ない。

イノベーションとブランディング、という分け方で考えるべき。
この2つのバランスで企業のサイズ(デザイン力?)を表現できる。
Appleのようなイノベーション型の会社と、無印のようなブランディング型の会社とでは、デザインへの寄与の仕方が全く違う。

デザイン経営宣言における「デザイン経営」の定義

組織構成として:経営陣にデザイナーがいること
ものづくりプロセスとして:最上流からデザイナーが関与していること

数字で語れ

経営者を説得する場合は数字(KPIとか売り上げとか)で語るのがいい。
相手の言葉で語るということ。

プロダクトがグロースしてダメになる例と、CXOの存在意義

すごいイケてるプロダクトが出ても、時間を経てダメになっていくことが多い。
開発に関わる人が増えて、プロダクトへの愛が薄まる。
経営層がものづくりから離れて、やはりプロダクトへの愛が薄まる。
こんな状況でCXO的に動く人(ユーザに向き合いつつ開発と経営をケアする人)がいないと、プロダクトも組織もダメになる。

マネージングでなく、リーディング

ヘッドオブデザインがすべきことはマネージングでなくリーディング。管理でなく道を作るイメージ。
デザイナーがプロダクトを「自分ごと化」すると、短期的には良いものができるが長期的にはクオリティが下がっていく。

赤い彗星のシャア現象

スターデザイナーがPMになると失敗することある。
CXO的に動くべきなのに、プロダクトにこだわりすぎてしまう。
エースパイロットが、自らが指揮する軍を放り投げて一騎打ちで決着つけに行く様なもの。
戦い方を「戦闘機で戦う」から「戦艦で戦う」にシフトしなければいけないのに、できていない。

美大教育と、組織によるデザイン行為とのアンマッチ

美大では作品と自己を密結合するように教育されがち。
作品がダメなら人としてもクズだ、というような。
そのためデザイナーが「プロダクト=自分」と考えてしまう。

IとWeをきっちり定義する - エンジニア組織との違い -

個々人で作るのでなくチームで作る、というマインドが重要。
ただ、個々の自己表現を無くしきるのも良くない。IとWeを分ける。
デザイナーは誰でも自己表現をしたがっている面あるので、全てがWeでもいけない。
固いプロセスに則ってその通りに作れ、と言われたらデザイナーは死んでしまう。
個々人のクリエイティビティをいかに発揮させるかが、ヘッドオブデザインの大事なところ。これはエンジニアリング組織にはない、デザイン組織の特徴と言える。
エンジニアリングやビジネスは分解と統合がしやすい。デザインはそれが難しい。デザインはトータルで関わらざるを得ない。なのでデザインを組織で行おうとすると難しくて、難しいゆえ、エンジニア組織の型にあてはめようとしてしまう。結果、つまらないものしか作れない組織になってしまう。

ユーザとデザイナーの間に営業が立ちはだかる様な組織は、解散するのがいい

デザイナーの究極の価値は、ユーザーと向き合うこと。そこに営業とかが挟まって「デザイナーは口出すな」というならば、そこは辞めるべき。

コンペ型の仕事はウンコ

コンペ型の業務依頼は受けるべきではない。
あれは基本地雷。目隠しで3Pシュート打つ様なもの。
限定的な情報で作られた一枚のブリーフから答えを導き出せるなら天才。独立したほうがいい。

コンペは全て失敗する様に出来ている。
勝たないと儲からない(というか損になる)のだから、目先のインパクト重視や実現性度外視になりがちで、長期的に失敗する可能性大。とにかくウンコ。
内部で解決できない悩みがあるからコンペ出すのに、メンツ意識とかでその悩みが削ぎ落とされて外部に提示されてたりして、勿体ない。

ただし広告はその限りではなかったりする。あれは短期的なWOW(驚き)を作るものであって、課題解決とは違う。面白いものができればそれで正義。

主張よりも、受け入れることとレスポンスが大事

デザイナーは主張することに慣れて居るが、CXOは受け入れることが大事。経営者と向き合う時、悩みをしっかり聞くこと。そこにそのまま答えがあったりする。
あと経営者には即レスが重要。レスポンス無いと不安。けなすだけでも需要ある。

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