シッダール・ムカジー「がん 4000年の歴史」書籍紹介


ピュリッツァー賞受賞作(邦訳・早川書房)である。


人類によるがんという病の発見から、抗がん剤の開発に奮闘した科学者・医師の歴史を語るノンフィクションである。

現代でもなおがんは先進国における死因の多くを占めるが、現段階にまで至るまでにも、まさに命を削る苦闘があったことが詳細にわかる書である。


著者自身も医師・がん研究者であり、科学的な知見もふんだんに盛り込まれている。

医療従事者として内部にいなければわからない、外科・内科といったくくりや医師たちのポリシー・信仰によって科学が左右されてしまう愚の歴史が、実に具体的に描かれる。


歴史書としてもがん・医学の専門書としても楽しめる一冊ではないだろうか。

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