みんな泣いていた

仕事の帰り、駅で電車を待っていると
小さい姉妹ちゃん2人がひきつけを起こしたようにギャン泣きしていた。

お母さんは
「泣いてると電車乗れないの!静かにして!」
「次の電車に乗れないとおうちにつけないの!」

姉妹ちゃん、特にお姉ちゃんが盛大に泣いたまま、一向におさまらない。

私は、カード入れにしまっておいたシールを一生懸命探していた。

以前Twitterで見かけた「泣いてる子供にシールをあげると泣きやむので常に持ち歩いてる」というツイートに感化され、
私もシールを持ち歩いていたのだ。

カード入れからシールを取り出し、姉妹ちゃんのもとに走る。

怖がらせないように目線を合わせて

「こんにちは。シール、いる?(^-^)」

とびっきりの笑顔で話しかけた。

妹ちゃんはケロッと泣き止み、「うさちゃんー!」と笑顔になった。
しかしお姉ちゃんはなかなか泣き止まない。

「お腹すいた!何か食べたい!。゚(゚´Д`゚)゚。ギャーン」

…確かにこれではシールもらっても嬉しくないよね…

ギャン泣きし続けるお姉ちゃんを見て、お母さんは顔をタオルで覆って

「…お願いだから…静かにしてよ…!静かにしてー!!!」と泣き叫び出した。

これに呼応してお姉ちゃんの泣き方も益々激しく。

いけない。

…私は自分が小さい時、言うことを聞かないといつでも何処でも怒鳴られた上で

口の端をツネりあげられていた。※かなり痛いです

このことがフラッシュバックしたのだ。

精神障害を持ってる身として、このフラッシュバックはまずい。

でも、このお母さんが追い詰められて、万が一、娘ちゃん達をツネるようになってしまったらもっとまずい。

私は「ほら、うさぎちゃんのシールもあるし、ボールのシールもあるよ。おうちに帰ったら何に貼ろう?何に貼りたい?」

必死だった。

心の中では私も泣いていた。

お姉ちゃんは、ふとボールの方のシールを見ると、じーっと見つめて無言になった。

笑顔ではないが、無言。

そうか、何に貼るか考えているのか!

思考が「お腹がすいた」から別のことに移ったことで、お姉ちゃんも泣き止み
この母娘三人は無事、電車に乗って帰って行った。

私は「バイバーイ!」とブンブン手を振って笑顔で別れたが、その後慌てて安定剤を胃に流し込んだ。

みんな泣いていた。

みんな泣きたかった。

小さい頃の私も、頬が痛いと泣いていた。

それを思い出した私も、心で泣いた。


泣かなければ、苦しまなければ子育てが出来ないのだとしたら

誰が子供を産むのだろう。

周りの助け、支えって本当に大切で

一番怖いのは無関心だと改めて思った。

もしサポート頂けたら、行く離島を増やします!…嘘です(笑)車いすユーザーの婚約者との結婚資金に使わせていただきます😄