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番組はBGMで9割決まる ~予告編は大音量で主題歌流せばだいたいOK~

舞台は宇宙。ロボットが落ちてくる隕石を押し返している。 俺はこの映画の『中で』働いている。担当は劇伴、所謂BGM。 ここでトラック39『守るべき場所』をかけるのが、俺の今日の最後の仕事。 しかし、ここで俺は間違った。テスト用の『盆回り』を流してしまったのだ。 陽気な音楽が宇宙に響き、ロボットはずっこけて手を滑らせ、隕石を地上に落とした。爆発していく地球。 「トミカワ!何やってんだ!」 現場は騒然。総監督が、肩を怒らせて俺に近づいてきた。 とにかく何か曲を流さなければ。俺はコン

    • 『平成 大破壊への道』京都再遷都百周年記念作品

      【読者の皆様へ】 この小説は、京都再遷都百周年、また痛ましい『平成の大破壊』からも百年の節目を迎える2119年にあたり、元号を冠する最後の時代となった『平成』の歴史を、初学者にもわかりやすい小説にしたものです。 神祇省書陵部と国立国会図書館国史編纂室の協力のもと、『大破壊』により殆どが失われた平成時代の貴重な史料や、電子遺構から発掘された深層ウェブデータを検証し、最新の学説まで取り込んだ本書は、平成時代を学ぶ上で必読となるでしょう。 第1章 バブル崩壊 ヤマンバメイク

      • 電脳医、ドクター秋葉原の電子カルテ

        「私、コンピューターウィルスに感染したんです。ここなら治せるって聞いたんだけど」 うちは内科で、精神科じゃないんだけど。そう言おうとした私を、先輩が遮った。 「どんどん色んなことが分からなくなって。自宅の場所も、車の運転も。思い出そうとすると、金を振り込めって頭に響いて」 「あらら、そりゃWannaCryだな。あんた、スマホで変なリンク踏んだだろ」 普段は昼行灯の先輩がやる気を出すなんて、どんな風の吹き回しだろう。 いや、それより、コンピューターウィルスが人間に感染するなど、

        • 全知!語彙バトラーことは 語彙バトル全国大会編 第1話「なんかすげーやつが来た!」

          アタシは字引ことは!小学六年生!なりたいものは、日本一の語彙バトラーなんだ! 「へへーん!お前みたいな脳足りんの頓珍漢のオタンコナスが語彙バトラーになれるわけねーだろ!」 むかつく!きらい!こいつは、そう、幼馴染(どや!!)の馬頭ひとし。悪口の語彙力だけはすごくて、学校で1番の語彙バトラー。むかつく! 絶対日本一になって、闇の語彙バトラーになんかされた兄貴を…なんとかするんだもん! 「今日は、違う学校の生徒を、見せます」 担任のゴリ岡は、体育の先生だから語彙力が低い。 「先生

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          ソーシャルゲームパンク:リセマラ者を殺せ

          「この俺が!最高レアリティの!SSRの俺が敗れるなんて!」 男は俺に倒され、強化素材になった。レアリティの高い人格(パーソナリティ)は、ドロップする素材もいい。これでしばらくは金に困らなそうだ。俺はドリンクを飲み、スタミナを回復する。 誤解するな、俺は無差別殺人者ではない。 俺が殺すのは『リセマラ』をするやつと『リセマラ』産の人間だけ。 この世界にSSR人格が産まれる確率は0.6%、そのほとんどが上流階級に独占されている。なぜか?『リセマラ』だ。SSR人格の子供ができるま

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          地表を覆う無限の寿司と、彼女と結婚する方法

          「娘は、『強く思ったことが必ず実現する』時期がある。なんだろーが確実に実現する。5年に1回、5日間。今日はその1日目だ」 彼女の父は、俺の顔を睨みながら言った。 いやいや、パパさん盛りすぎっしょ。 「君の不真面目な態度は気にくわないが、私は公平さを重んじる。君に……」 「あ〜お寿司食べたいな〜」 隣の部屋の彼女の呑気な声が、終わるか終わらないかのタイミングで、宅配の寿司が届く。俺は1時間前にそれを注文したことを『思い出した』。マジヤバい。 「私は結婚に反対だ。だから、これか

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          日曜日の守護者たち 『激剣ジンライガー、ふたたび』

          怪獣が、被災地を襲っている。駄目押しのように仮設住宅を踏み潰す。 いっそ俺ごと踏み潰せばよかったのに。 のろのろと寝床から起き上がると、壊れた壁の向こうで女が一人声を張り上げている。 「みんな!こっち!早く逃げて!」 俺はそいつに見覚えがあった。 若いボランティアの女。昨日俺に「あなたはなんで参加しないんですか」とつっかかってきやがった。 「おい!お前は逃げないのかよ!」 「私は皆を守らなきゃいけないの!」 アホか。ヒーローもヒロインも、怪獣という災害には勝てっこない。 ズン

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