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自作詩朗読 「足音」

げん(高細玄一)
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足音が聞こえると
ああやっぱりおまえは帰ってきたのか
そう思うのだ
おかえり 今日は寒かっただろう
何も言わなくてもいい
おまえのことだ
足音でちゃんとわかるよ
今日は少し疲れているんだな

足音が聞こえます
いつもダンスを一緒に合わせるとき
私の国では 女性が外でダンスを踊ることができない
そう言っていた 韓国ドラマが大好きで
k-POPに憧れて
いつか舞台で一緒に踊ろうって二人で話してた
自由に踊れることが生きることだって 話した
あの足音が聞こえます

人通りもなく
音と光が消えたイテウォン
無数のもう鳴らない足音
もう踊れない足音
もう帰れない足音が
響くのだ

足音が聞こえると今でも
ああ やっぱりお前は帰ってきてくれたのか
そう思うのだ
扉を開け おかえりと声をかけよう
おまえは 永遠に美しい花になったのだ

足音だけのお前に
そう 語りかけよう

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