弔いの歌

そんなことってあるんですね。

と、その人は声を震わせてくれた。
あの頃わたしが感じた絶望へ、君がいっしょになって怒ってくれることが嬉しかった。

だからわたしは書けるんだ。

「人間は必ず分かり合える。
そして必ず変わることができる。」と。

いつか見た小説では、ほろびゆく世界で少年少女がサバイヴしてた。
ほころびゆく世界の中で生きているわたしたちも同じぐらいドラマティックだ。

いつだってひょんなことから「普通」は失われてしまう。

だけど。
だから。

あのあと君がどう生きて、どう死んでいくのか、わたしは知らない。だけどあの一瞬、すれ違った小さな点を、奪われないためにわたしは書く。

恥ずかしげもなく言えるようになったのは君のおかげです、本当にありがとう。

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