ガルラジの思い出

本日2023年3月31日、ガールズラジオデイズが終了しました。制作に携わってくださった多くの関係者の皆様に深く御礼申し上げます。愛すべき中の人たちたる声優の皆様、キャラクターデザインのMika Pikazo先生、漫画の冬野みかん先生、SDのひづき夜宵先生、台本の犬井楡先生、原作と小説の多宇部貞人先生、そしてリスナーの中の人の皆様。多くの皆様のご尽力のもと、ここにプロジェクトが終了したことを報告するとともに深く厚く感謝御礼を申し上げます。
 
本日の埼玉は春真っ盛りの気温で大変お日柄がよく、何かを終わらせたり始めたりするのにもってこいの一日でございました。3月31日と言えば年度末、明日から新年度ですから、入学、入社、異動など人生の新しい節目を迎える前日でもありまして、こんな穏やかな春の日を迎えるたびに、過去の別れや出会いを思い返すことも多くあるのではと存じます。私の場合、ガルラジもそんな春の暖かな日に終了したと、いつか季節が巡って思い出すことになるのかもしれません。
 
ガルラジ。細く、長く、しぶとく、根気よく続いていたプロジェクトが、終了してしまいました。最近はとてつもなく細かったものですから、線香花火が燃え尽き落ちるのを見入るような気持ちでもなく、ただただ穏やかに、何かが天寿を全うしたのを見届けるような、そんな終わり方だったような気がいたします。企画段階は幼少期、ファーストシーズンで思春期、セカンドシーズンが青春真っ只中で、イベントや特別編を重ねるごとに成熟し、晩年は静かに老いていったとも言えましょう。何を言っているのかよくわかりませんが、今日という日を迎えるにあたって私はそういう想いでおりました。関係各位の皆様、本当にありがとうございました。
 
ガルラジについての考えは超ガルラジのアフターレポートで書いてしまいましたので、どうぞそちらを御覧ください。
https://chokaigi.jp/2020summer/plan/garuradi.html
超ガルラジ | ニコニコネット超会議2020夏 公式サイト 実在する5つのサービスエリアを舞台にラジオを自主運営する女の子たちの青春物語。1st&2ndシーズンを初の一挙放送! chokaigi.jp
と思って改めて読み返してみたら当時の気持ちが甦って参りましたので、以下に再掲します。ガルラジとはなんだったのか、じっくり振り返るのはこれで最後になるかもしれません。
 
――引用ここから――
 
■チーム岡崎
 
チーム岡崎は、愛知県岡崎市に住む3人の女子高生の物語です。同じ放送部に所属する高2の3人が、「ガールズラジオプロジェクト」に応募、2018年12月に第1回の放送をスタートさせます。「応援」をひとつのテーマにしたラジオ番組で、仲良し3人が「面白い番組作り」と「プロジェクト1位を目指す」ことの間で葛藤し、乗り越えていきます。
 
2ndシーズンは2019年の7月から放送がスタートしました。
サザエさん方式ではないガルラジ、仲良し3人は高校3年生に進級し、進路や卒業を意識した展開となります。天真爛漫で元気いっぱい、「応援する側」のメインパーソナリティ二兎春花は、他の2人とは違って進路を決めかねています。番組中にその進路を考えるコーナーがありますがなかなか決まらず、秋に差し掛かる2ndシーズン5回(2-5)、最終回を目前にしてなお決まらない進路。葛藤する春花。こんなザ・主人公みたいな女の子に、こんなに重たいものを背負わせるなんて・・・。おのれ運営ゆるさん!というコメントがあふれる中、春花が決めた進路とは!?
 
春花を支える2人、萬歳智加(ばんざいちか)と、桜泉真維が最高です。ちーちゃん、声も演技も凄く良い。いろんな声色を出せる芸達者な声優・瀬戸ひかりさん。そう来たか、そう来ましたかという萬歳ボイスです。回を追うごとに癖になり、どういう女性に成長していくんだろうと、萬歳智加の人生からもう目が話せません。最後の提供よみにギャップを感じ過ぎて、もうだめになりました。最の高です。
 
まいちゃがね、また狂わせてくれます。野村麻衣子さん演じる桜泉真維は、お嬢様っぽいけど等身大の女子高生でリアル。2人(と2人)との距離感が明らかに変化したと思わせる2ndシーズンでは、ちゃんとぶっ壊れてリスナーの困惑と微笑みを誘い、熱いシーンでは一際その存在感を光らせます。智加もそうですが、どんな性格の女の子だって、熱くなるときは、熱くなるんですよね。
 
ガルラジ最高!になれるチーム岡崎。未視聴の方は、ぜひ番組をご覧になって確かめてみてください!※番組はタイムシフトの他、動画としてもアーカイブされています。
 
■チーム富士川
 
ガールズラジオプロジェクトに、それぞれ応募してきた縁もゆかりも無い3人。バラバラな個性、ラジオに対する意識の高さ・・・、まとまりのない3人でしたが、なんとまあ全5チームの中で1・2を争う仲良し3人となり、「チーム」として個性を爆発させていきます。親がラジオに反対している、自分に自信がない、夢を諦めようとしている、3人それぞれの人生ドラマに、遠慮なく介入するそれぞれの個性が、熱く美しいドラマを描いていきます。
 
なお私は白糸結推しですが、ひいき目に見てしまうのを恐れずに申しますと、チーム富士川が最高なんです。キャラクター3人の関係、声優3人の関係が、時間を経て変化するように、番組のクオリティへ絶妙にフィードバックされていくこの感覚。内容も演技もアドリブも秀逸。永遠に続くガールズトークというのはこういうものなのかな・・・。おじさん女子じゃないからわからないや・・・。そう思いながら何度も聴いてしまうのがチーム富士川です。
天才ポエマーこと年魚市すず(あゆち)のポエム、最高過ぎませんか。なぜアニメロミックスでボイス配信しないのか。弊社はどうかしてるとしか思えません。
 
チーム富士川の天才構成作家こと超絶かわいい白糸結を演じる新田ひよりさんのニコニコチャンネルでは、チーム富士川の天才プロデューサーこと金明凪紗を演じる山北早紀さんことさきさまをゲストに迎えた生放送もアーカイブされています。私は6月にチャンネル登録しましたからね(古参アピール)。ぜひこちらもご覧ください。チャンネル登録よろしくおねがいします!
 
 
■チーム双葉
 
チーム双葉がとにかく最高なんですよ。家族なんです。玉笹家の3姉妹がお届けするゴキゲンなラジオなんですが、上2人の双子が良い。
圧倒的なポジティブさで、岡崎の春花とは違った主人公としてのカリスマ性をもつ長女の彩美。ガルラジがバトル漫画だったら、春花にピンチがあったときに代わりとなるのは彩美しかいません。ラジオですけど。徳光や御在所が別の軍勢を引き連れて助けにくるだろうのとは違って、春花の代わりを務めるだけの器があるのはたぶん彩美でしょう。すずもカリスマ性抜群ですが、また違う軍勢を率いそうです。多くの師団をまとめあげられるという意味では、彩美でしょう。ラジオの作品ですけど。
 
双子の妹、彩乃も最高ですよね。彩乃ってこんなに可愛かったっけ?一挙放送中にスタッフにチャットしたら、最初から可愛かっただろうがと怒られました。すべてを優しく包み込むような雰囲気だけど、しっかり双子していて姉とは合わない。でも妹の花菜がいることによって、3姉妹だし家族だなと思わせるまとまりになっている。最高すぎるよチーム双葉。
 
双子が姉っていうのもいいですよね。私はアニメオタクじゃないので分かりませんが、双子って「下の子」みたいなところ、ありませんか。愛される存在としての双子、どっちかは主人公に従順で、どっちかはツンデレ。ガルラジは双子を姉に持ってきたのが凄く良かったと思います(私は製作委員会の事務局長のような役割でしたので、作品づくりに関わっておりませんゆえ、申し遅れましたがすべて個人の感想です)。愛される存在のような双子が、妹を溺愛する。溺愛しながらも、お互いに刺激しあったり、守りあって、対等な関係、家族としての絆を深めていく。こんなハートフルな双子と妹、最高だと思います。双葉優勝!
 
花菜のぴ、徳光のズル音こと吉田文音を演じる河瀬茉希さんの2人がお送りするラジオ「イチヤヅケ」の特番では、岡崎は春花の本渡楓さんをゲストに迎えて、一瞬だけガルラジに触れて頂けました。赤尾さん最高ですね。ナイスガルラジ!ガルラジおじさんポイントを5pt進呈します!番組視聴はこちらからどうぞ!私も花菜が大好きです!
 
■チーム御在所
 
様々に散りばめられた金言をご確認いただけましたでしょうか。オカルトの定義とは?カリスマ団長の神楽菜月が曰く「オカルトとは、マイノリティになることを恐れない、知的好奇心の現れなんだ。・・・(中略)・・・馬鹿にされてもかまいません!」
 
なんですよね。全てのマイノリティなオタクに捧げる、金言のような気がしています。私も特定ジャンルのオタクですがマイノリティを自覚していて、あまり公言しません(自分語りが始まっちゃうの、御在所なんですよね・・・)。好きなものを好きと言える。好きなものを堂々と好きと言えて、誰か共感してくれる人がいる・・・。ニコニコ動画の追い求める思想にも重なるところがあります。そこへ「距離も時間も飛び越えて、僕らはラジオでつながれる」ですからね。ほらどうですか夏野さんガルラジ最高!見て下さいこのコメントの嵐。超歌舞伎かと思いましたか。超ガルラジなんですYO!
 
 
御在所、2回3回と聴くと、味わいが変わってきます。これを通して聴いたのは私も初めてでしたが、やっぱり御在所が最高ですね。2-6を聴いちゃったら、御在所が優勝以外ありえなくないですか。だって仕事中にもガルラジのことを考えちゃうし、土日だってガルラジインフォ作ってたし、もうずっとガルラジのことを考えて過ごしてきたわけです。これからもそうかもしれません。ふとしたことでガルラジを思い出す人生になってしまっています。10年後に双葉サービスエリアを訪れたら信玄公の前で記念撮影している3姉妹を思い出してしまうし(非公式)、8番ラーメンなんて聴いたらガルラジのことで頭がいっぱいになってしまいそうです。住んだこともない土地をこんなに近く感じられて、知ったかしてしまって、愛すべき地元のような感覚に包まれている。怪奇ですね・・・。地元愛に薄い埼玉県民(私です)が、もう双葉あたりを故郷(ふるさと)として感じ始めてしまっているわけです。
 
5つのチームが個別に展開しているラジオ番組、それをひとつの世界として認識できるのも、御在所の存在あってのような気がしています。平気で他チームをイジる3人。ドワンゴのCMを怪奇と切り捨てる団長。怪奇という好きなものを中心に集まった3人が、限りなく自由に、ナニモノにもとらわれずに展開するラジオ・・・。御在所が愛おしくてたまりません。
 
 
■チーム徳光
 
さぁチーム徳光。御在所の前に徳光じゃなかったか。忘れてました順番を(アンケも忘れましたが)。超ガルラジの大トリを飾ったのがチーム徳光でした。なんとご紹介したらよいか、まだ言葉を選べずにおります。
 
2ndシーズン終了後に、チーム富士川の声優さんが出演された1位決定記念イベントが秋葉原でありました。そのとき「スタッフが選ぶ最高のシーン(回)」みたいな企画がありまして。私のチョイスが省かれていたんです。おのれ運営ゆるさん。徳光については言葉で振り返ったってしょうがないし、1-1を聴いてもらえれば魅力がわかってご理解を賜われるかと存じますので、ここでは職権を乱用して私の選ぶ最高のシーンをご紹介することに致します。チーム徳光2-2,CMコーナーです。
 
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ガルラジは誰が作っているのか?という問いには、「みんなが作っている」としか答えられない。原案者がいて、原作も小説もあって、台本担当の作家もいるけれど、それらはガルラジの番組を作っている一部分に過ぎない。その他の最たるものは声優のアドリブだと思っているが、そのアドリブも収録現場の良い雰囲気があって、はちゃめちゃなアドリブでもOKテイクにするぶっ飛んだディレクターがいて、自由な空気を良しとするプロデューサーがいて、様々なスタッフの気配りがあって・・・、台本には無いアドリブが生まれ、採用されるのだろう。声優同士の距離感、声優とキャラのシンクロ率もまた、発生するアドリブの質に大きく影響しているだろうし、ニコニコ生放送でのユーザーコメントや、Twitterでの感想戦なども、声優の演技に影響を与えないわけがない。作家・声優・ガルラジスト・スタッフの巡り合わせの奇跡によって、2ndシーズンの番組が出来たのだと思っている。
 
私ははっぴーれいでぃおと週末ラジオが大好きだった。富士川とは別の意味でぶっ飛んでいて、とんでもない角度で尖っていた。1人でチームを名乗り、悪魔と共謀してガルラジを引っ掻き回すトリックスターとして手取川海瑠はオンリーワンだったように思われたし、ファンを惹きつける魅力あるラジオ番組として完成されていると、私は思っていた。
 
2020年春、チーム徳光に「新キャラを投入する」と初めて聞いたときは、正直いって心が騒いだ。既に完成されている徳光に新キャラを入れるのは、ノイズでしかないのでは?ファンは受け入れてくれるのか? テコ入れする必要が一切ない(と私は思っていた)徳光に新キャラを投入して、あの雰囲気が変わるだろうことを、前向きには考えられなかった。
 
これは確信しているが、河瀬茉希さんも同じような気持ちだったんではないかと思う。第3回ガールズニコニコデイズ(7月23日放送)でも、ちゃんまき本人が言っていた。その時点では既に2nd第1回の収録が終わっていて、その感想をこんなふうに言っていたのだ。
「(冒頭は)マイペースに喋っててくださいと言われてたんですけど、私が緊張しすぎてめちゃめちゃ噛み倒すっていう」
「(台本を止めてある)クリップをボッコボコにしながら笑顔で『いやーミル~』とか緊張をここ(クリップ)で表すみたいなw」
と。シーズン終了後のTwitterでも、作品に途中参加されるお気持ちを語られていた。新パーソナリティとしての吉田を受け入れてもらえるだろうかと、河瀬茉希さんもまた心配していて、緊張されていた。そうして収録されたのが徳光2-1だった。
 
結果はどうだったか。
 
番組を聞いた俺はすっかり手のひらを返した。どうしても吉田の登場を全肯定したくなり、2-2なんか一刻も早く聞きたかったし、自分の中の吉田への謝罪、ちゃんまきへの感謝、受け入れてくれた全てのガルラジストに心からの感謝の気持ちが溢れてきて、ついに「最初から2人チームだった」とニコニコに書き込みそうになったら、先に書かれていた。いける。チーム徳光は最初から2人だったんだよ。徳光は2ndシーズンも面白い。心からそう思った。
蛇足で言えば、台本作家も、きっと吉田の投入に多大な心遣いがあったんだと想像できる。受け入れてもらえるだろうかという不安と、キャラゆえの期待があってこそ、2-1の冒頭シーンが出来上がったのだろう。「さぁ紹介します、新しいパーソナリティの吉田文音さんです」という具合には、徳光の2ndシーズンは始められなかったはずだ。作家が考えて考えて、考え抜いた結果として2-1の冒頭シーンが出来上がったはずだ。2-1は、大成功だったと思う。
 
そして迎えるのが、徳光2-2である。
2回目の収録ともあって、河瀬茉希さんの緊張もいくらかほぐれていたと思う。長縄まりあさんとの掛け合いも、スタッフと顔を合わせるのも3回目(ガルニコ含む)で、どういうツッコミだと海瑠が笑うのか、どういうアドリブがOKテイクになるのかなど、ほぐれた緊張感から来るチャレンジングな気持ちと、ヨシヨシ初登場の台本からくる前向きなテンションの事前準備が恐らくあって、きっと2-1とは良い意味で違う雰囲気の現場だったろうと思う。徳光はズルいという言葉が生まれたのも、2-2だった。アンケの評価も最高。とにかく徳光2-2は最高だった。
俺は収録現場にノータッチなので本当のところは分からないが、2-2のCMは本編終了後に収録されたんではないかと思う。2-1の収録を経て傑作の2-2が録れて、確かな手応えを声優もスタッフも感じていた収録後でこそ、あのCMになったんだと思う。
 
CM冒頭、台本にはこうある。
吉田「ミル!レポーター対決だ!」
海瑠「なんですか、藪から棒に」
 
実際の音源では、海瑠のセリフは 「み・る・う、ね!」で始まる。台本には無かった手取川の短いアドリブに、実に様々なドラマが詰まっていると思えて心が震えた。手取川が吉田を受け入れた結果であったはずであるし、それは河瀬茉希さんが吉田を自分のものにした結果でもあるだろうし、徳光が手取川と吉田の2人チームであるということを宣言するアドリブであったようにも思う。
俺が考えるガルラジ最高のシーンは、徳光2-2,CMコーナーである。
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――引用ここまで――
 
どうでしょう。ガルラジほんとわからんですね。読み返していたら超ガルラジで書けなかったお気持ちがまだあることに気づきました。そうです。リアルタイム現地視聴についてです。私も現地勢のひとりとして当時の記憶が薄れぬうちにここへ書き残すことで、私にとってのプロジェクトを締めたく存じます。
 
初めて現地でラジオを聞いたのは双葉2-6でありました。現地で聞いてるリスナーがいる、という話をTwitter担当から聞いていた私は、本当かねという気持ちと解ります解りますよという気持ちを混ぜこぜにしながら、ぜひ最終回は現地で聞いてみたいと思うようになっていました。ところがどうでしょう、出張稟議が決裁されるはずもなく、もはや仕事ではなくただのガルラジストとして行くことになったのでした。
 
2019年10月4日、超絶ホワイト企業たる弊社の裁量労働制というものを正しく理解している私は早々に仕事を切り上げ、同僚のパパGとブラザーGを双葉に誘ったのでした。16時頃にレンタカーを予約し、眼鏡を自宅に置いてきてしまったのを思い出してメガネ屋さんに駆け込んでから、銀座インターを出発したのは18時半。この時間帯の混み具合で22時までに双葉に着くかしらと思いながらも、交通事故を起こしたらマジで洒落にならないねと言い合いながら超絶安全運転を徹底し、現着したのは確か21時ちょっと過ぎでした。イヤホンしながら信玄公の前でうろつく私は、ただのガルラジストとして皆様に視認されていたことでしょう。スマホ片手にキョロキョロする挙動不審のおじさんが私たちでした。
 
暗闇に佇む双葉SA(上り)の灯りを(下り)から眺めたり、ここにブースがあるんだよなとか心の中でつぶやきながら外を歩いて、ラジオの音声に聴き入り、ニコニコのコメントを読んではTwitterを開き、社内チャットで写真撮影の指示を受けたりして、せわしなくも充実した1時間でありました。10月でしたが、涼しいより温かい寄りの気温だったように記憶しています。生暖かい双葉SAの、トラック運転手の皆さんが食べるうどんの和風な匂いが漂うレストランを横にふらふらしながら、もはや同僚2人と会話することもなく完全に別行動で、終わりゆく番組に静かに耳を傾けて双葉最終回を心に刻みつけるように視聴していました。
 
番組も終わって物思いにふけっていたら、どう見てもガルラジストと思われる一団がレストランにいるのを発見します。現地勢って一人とか二人じゃないんだ・・・と感動と困惑の入り混じった不思議な感情が沸き起こり、どちらにお住まいか存じませんが金曜とは言え深夜のサービスエリアまでラジオを聴きに来てくださる(現地では放送してない)ガルラジストの皆様にどうしても一言御礼を申し上げたくなり、しかし自分が関係者であることをどうやったら証明できるのかと思い悩んだあげく、身分証(切り抜き)があったことに思い至ってすぐレストラン外の窓まで近づいて、窓をノックして身分証を提示し、口だけアリガトウゴザイマシタと動かしてお辞儀をしては、軽率なことをしてしまったと我に返って逃げるようにその場を後にしたのでした。
 
それから数日はTwitter担当にイジられることになるわけですが、本当にかけがえのない体験をさせて頂きました。現地で現地の匂いを嗅ぎ、気温を体感して、リアルタイムコンテンツであるところのガルラジの生放送を聞いて、彼女たちの「生」を肌で体感する。同じ日本で、同じ時代を生きて、同じ時代を進んでいく彼女たちの存在をしっかり感じながら、東京に戻る。終電が無くなっていたはずでどうやって自宅まで戻ったのか全く思い出せませんで、ニコニコのコメントやTwitterのガルラジの記憶しか残っていません。
 
現地で聴くことの味をしめてしまってから、いよいよ徳光の最終回を迎えます。とっくにネタ切れしていたガルラジインフォの動画制作も最終回、動画のためにオムライスを作りパンケーキを焼いて唐辛子入りのサイダーを作ってみたり、深夜の白山神社にお参りしたり、ホワイトボードマーカーが水に浮くと聞いて動画に使えると思ったり(チャンス)と、本編外の馬鹿馬鹿しい様々なガルラジ活動の思い出も去来しまして、胸がいっぱいになって迎えた最終週でした。徳光の現地勢に俺はなる!と息巻いていたのに多忙と台風を言い訳にそれも叶わず、最後の望みを叶えてくれたのが御在所2-6でありました。
 
御在所の最終回を現地で聞くためにガルラジをやってきたと言ってよかったかもしれません。有給を取得し、Twitter担当から切り抜きを預かって、徳ちゃんのバースデーケーキを買って新幹線に乗り込んだのが17時47分。名古屋で降りてレンタカーで向かったはずですが、何かに夢中になっているときの記憶が無くなる性分につき、名古屋から御在所までの出来事がほとんど思い出せません。御在所に着いて嘘みたいなけもの道っぽい道路を経由して上下線を移動した記憶しかありません。
 
御在所についたことをTwitter担当に連絡するべく、証明写真(パネル)を撮影して送ります。テンションMAXで最高の有給消化を満喫している気分でSAを徘徊している私に、担当が送ってきたのは私の後ろ姿の写真なわけです。社内は爆笑、誰もが「自分も行きたかった」と思ったに違いありません。あの後姿の写真が各位に共有されたことで関係者の心のスイッチが完全なる最終回モードに入り、いよいよ番組がスタートします。「距離も時間も飛び越えて、僕らはラジオでつながれる」の名台詞に「ニコニコと高速道路じゃん・・・」などと深読みの感想戦を社内チャットでやりながら、御在所の最終回を見送りました。それから「同じ空 同じ気持ちで 見上げてる」とか言ってガルラジストの皆様に出会えたことを心から感謝したり、多宇部先生の弾き語りを聞いたり、同日リリースという奇跡の曲ラジオデイズを聞いたりして、スピッツをヘビーローテーションさせながら御在所周辺の深夜ドライブをしていました。御在所を離れてホテルに泊まったら、もうガルラジが終わってしまう。今日寝たら今日という日が終わってしまう。ガルラジが終わって欲しくなくて、駄々をこねるように寝たくないと強く思うことがわかっていたので、ホテルなんて予約していませんでした。ロードサイドのモーテルに出会い頭で飛び込み、徳ちゃんのケーキを一人で食べ、社内チャットに付き合ってくれる同僚たちが寝てしまってから、ニコニコのコメントやTwitterを見ながら寝落ちしたのを覚えています。
 
ガルラジイメージ動画の構想が出来たのはこの時でした。スピッツを聞いてガルラジじゃんと思ったり、日常のなにげない風景にガルラジを感じるというガルラジストの皆様の謎現象に私ども大いに感激しておりました。そういった写真を集めてガルラジを思い出すようなイメージ(静止画)動画を作ったらどうか、という企画でしたが、結果として、こんなにも多くのガルラジストの皆様が現地に足を運んでくださって、あるいは現地じゃないところでさえもガルラジを感じさせる写真(徳ちゃん月極駐車場など)をお寄せ頂いたりして、見入れば見入るほどガルラジを思い出す、思い出がいっぱい詰まった動画に仕上がりました。あの動画を見てガルラジのBGMを聞くたびに、御在所の少し涼しげな田舎の空気を思い出しています。
 
思えばリアルタイム現地視聴も、ニコニコのコメントやTwitterの実況も含め、イベントでの様々な出来事もまた、詰まるところガルラジストの皆様と共に過ごした日々そのものが、私にとってのガルラジの思い出なのかもしれません。
 
初めてお目にかかったのは超会議2019の物販ブースでありました。NEXCO中日本の関係各位をご案内するため黒服に身を包み、ブースでもそれっぽい感じで2019年はガルラジ!などと申して皆様に直接御礼を述べることができたのは、忘れることの出来ない美しい思い出となっています。間違いなく、あの時からです。ガルラジが自由を履き違えることになったのは。
 
ファーストになかったガルラジインフォメーション、藤田ゆきのSDキャラ化、ぶっ飛び続ける本編、都内イベント、ガルラジイメージ動画、ひのき玉、超ガルラジとガルラジニュース速報……、運営の誰もがやりたい放題やらせて頂きながらも、運営とリスナーの不思議な距離感をずっとずっと保ち続けてくださったガルラジストの皆様。ひとつのコンテンツをみんなで楽しむということが、こんなにも輝かしい思い出をくれるんだと、今でも胸を熱くさせずにいられません。
 
自分が熱狂したガルラジというコンテンツが確かにあったことをここに書き残し、いつかまた、もしかしたら黒歴史を紐解くように赤面しながら、この記事を読み返す日を楽しみにしています。
 
全てのガルラジストの皆様に、心からの敬意と感謝を。
 
2023年3月31日 アンクル・ジー拝


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