スリーラックは無い

 

様々なシナリオコンペから企画のコンペ、数合わせで呼ばれた大喜利ライブやジャンケン大会、はたまた暇つぶしに行ったイベントの抽選会や初めて買ったG1レースなどで、何故か勝ってしまう自分の事を、知人たちは「ビギナーズラックの鬼」と呼ぶ。 確かに無欲で何となしに応募、参加したものに関しての勝率は気味が悪いほどに高い。しかし「あ、こんな感じで賞金狙えるなら、もっと研究して狙いに行ったら毎回稼げるぞ!」と勢い勇んで挑むと、面白いように結果が出ない。

厳密にいうと、2回目までは、まだそれなりの結果が出る事もある。しかし、3度目に幸運をもたらす事は、今の所、全く無い。だからと言って諦めることは無い。やり続けるしかない。たとえ運が「ブオーン!」と逃げて行く音が聴こえても続けていく。それは志しの高さや生き様やダンディズムやニヒリズムのような格好良いものでも何でもなく、只々、空虚な時間を埋めるために、えっちらおっちらとやっているだけの暇つぶしに過ぎない。暇つぶしで金が貰えるチャンスがあるなら、そりゃやるしかないだろう。

もう一つ厳密にいうと、コンペに関しては、ビギナーズラックではあるものの、只の運だけではない。今まで色んなシチュエーションを想定したり、アイデアをラフな形にしたり、様々な表現を見てきた貯蓄とアンテナを張り続けた中で、脳内で纏まったイメージがたまたま狙っていない状況で良い形で出てしまった結果だと思っている。

更に厳密にいうと、スリーラックが来ることが無いのは、どれだけ無欲や自然でいる事を意識しても絶対にビギナーズラックの頃の感覚には戻れない。その「力み」が行間から滲み出ているのを審査のプロ達が察知しているからだと思う。バレちゃってんだな。

もう一声厳密にいうと、3度目に幸運が来る事を「スリーラック」と言うのかどうか、「スリータイムラック」なのか「サードラック」なのか、そもそもそんな言葉があるのか無いのか、その辺りは英訳検索する気が無欲なので分からないのだ。


〈おわり〉

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