見出し画像

【E-M10】月はどっちに出てる

シリーズ【マガジン:E-M10はいいカメラ


前回の続きです。

カメラを手に入れて月がキレイだと、当然月を撮ってみたくなります。

これはもう誰もが抱くほとんど本能的な衝動でしょう。

そんなわけで僕も三脚を据えて月の撮影に何回か挑みました。


先月の皆既月食も撮影しましたが、ほんとうに良く撮れますね。
これ以上のディテールを求めるにはもっともっと深い世界にいかないといけませんので、素人はここまでとしましょう。

満月を撮影して思ったのが、ここでもホワイトバランスが大きく関係すると言うことです。フォロワーのまめさんから「WBは蛍光灯に!」と教えられたので設定してみますと……

なるほど! これは月らしいですね。
満月は相当に明るいので正直手持ちでも軽々と撮影できるお手軽な被写体です。
しかし、それだけに満月の写真だけではもはや優劣がつきがたいのも確かでしょう。

ということで、月+風景にチャレンジです。

線路の向こうの山に浮かぶ月です。
ホワイトバランスを蛍光灯にしたため、水銀灯の光が緑色になっているのでどことなしに非現実感が漂いますね。

こちらは高架橋の向こうにある月です。
これもどことなく非現実な感じが伴いますね。

じつはこれら、普通に撮ったのではなく多重露出でとりました。


E-M10にはカメラの中で画像を合成する「多重露出」という機能があります。
この機能、2008年のオリンパス機にもあるので結構古参のようですね。


つまり、僕は先に月を撮っておいてから、後で風景を合成したというわけです。

あり得ないところに月を浮かべる。
これは完全にデジタルによる創造です。

でも、それも一つの表現方法でしょうね。


この写真に「線路の向こうに大きな月が浮かんでいたので撮影」「高架越しに魅惑の満月が浮かんでいたので撮影」とすればねつ造ですが、キャプションさえつけなければそういったことはわからなくなります。

その昔、某全国新聞の一面に「月とコウノトリ」の写真がのり、それがデジタル合成であることが物議を醸しました。「この写真の撮影方法ではコウノトリはこれほど大きく撮影できるはずがない」と。(産経新聞合成写真問題

社会の公器とされる新聞がねつ造を掲載することは良くないことですね。
問題なのは合成である事を言わなかったことであり、これがなにかのコンテストで合成とちゃんと明かしていたなら、もしかしたら褒め称えられたかも知れませんね。

現在でも写真コンテストでは合成などは良しとしないものもやっぱりあります。(風景写真などはだいたいNGと思います)

今は飛ぶ鳥を落とす勢いの産経新聞もまぁこういうことがあったってわけですよ。


写真という神器を手に入れたものは表現の可能性は広がります。

ただ、僕はねつ造の意味がデジタルカメラの場合はきわめて曖昧になっていると思います。

アートフィルター、ホワイトバランス、画像処理による明度や彩度の調整。

フィルターかけた方が心が動くならば、そっちのほうが正解なわけで、なにがなにやらわかりません。

こういうの「写真的理解」というそうですよ。
今写真の評論本を読みながら本当に写真の世界は奥が深く、なおかつ広いんだなぁと思います。


考えると、思考がぐるぐるまわって結論がありません。


【続く】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?