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組織をデザインするってどういうこと?〜サービスデザインの腹の中〜

組織の仕組みやビジョンを描くことを生業としているグラグリッド。
わたしたち自身もわたしたちの組織の未来を構想し、描き、しくみを0から生み出す苦しみを味わっています。
サービスデザインの最も面白いところでありながら、なかなか表にでてこない起業のあれこれ。組織をデザインすること。
わたしたちに今起きている激動を、少しだけ記録しておこうと思います。

会社を立ち上げるだけでは、やりたいことは何もできない・・・

実は、グラグリッド、創立して7年半になります。
今では、多くのお客様からご依頼をいただきながら、自分たちがやりたいことを発信できるようになってまいりました。しかし、この状況は一朝一夕にできたものではありません。

特に、新しく珍しいわたしたちの仕事は、やりたいことをサービスとして打ち出せば、すぐにお仕事をいただけるわけではありませんでした。7年前にホームページに記載した「グラフィックファシリテーションサービス」は、仕事として値打ちがつくまでに3年。事業として安定した価値を提供できる体制を築くまでに5年近くかかっています。

価値を理解してもらい、それにお金を払ってもらえる状態にするために、目に見える実績、論理的なメリットの解説、特化型マネージメントのノウハウ構築、社会的な信頼など、さまざまなものを手に入れなければなりませんでした。

価値を示すこと=自分たちが何者なのか知ること

不安になりながらも、お客様から「良かった!」「またお願いしたい!」「別の部署に紹介したい!」「あれ、もっと違うカタチでできないかな〜。」「ずっと一緒にやって欲しい!」という言葉をいただき、お客様に価値を見出していただきながら、自分たちは何者なのかを発見していきました。

最初のころは「できること」をサービスとして捉えていましたが、他にもできる人がいたら、その価値は低くなってしまいます。「自分たちだからできること」をピンポイントで見つけ、研ぎ澄ましていくことが必要でした。

その中で「自分たちが大切にしたいこと」がより明確になり、「自分たちの哲学」が見えてきたのです。

グラグリッドが大切にする5つの哲学

自分たちの哲学を実現する「制度のデザイン」

そして、わたしたちは、この哲学を活かし働けるよう、新しい制度をつくりました。

個人の個性に磨きをかけるための「特性発揮評価」制度。
ワークショップやイベントで、体をめいっぱい使って活躍できるように考えた「本番手当」制度。
社員一人ひとりが、社会との接点を模索し、価値を高めていけるように考えた、自分たちの副業のおきて「Project out of Project」制度。

どれも、グラグリッドが独自に生み出した新しい制度
給与計算に直結する制度です。
バリ合宿で、ただ遊んでいたわけではないんですよ。)

サービスデザインでは、組織と顧客の関係のデザインに注目が集まりやすく、組織の中のデザインについては、ないがしろにされてしまうケースが多く見受けられます。しかし、昨年のServDes.のレポートや、Service Design Global Conferenceのレポートでも書いたように、サービスデザインでも組織内部のデザインこそ大事だ、という考えが大きくなってきています。

新しい組織が生まれたら、その組織の中の人たちが、イキイキとその活動をできるように「評価制度」「給与手当」「就業規則」についても再構築する必要があるのです。

バリで花開いた、たくさんの種

ところで、バリ合宿では、この「評価制度」「給与手当」「就業規則」をつくること以外にも、組織の新しいモノがたくさん生まれました。

「個性を活かして、チームを活かそう」というポリシーに代表されるように、わたしたちは、自分たちの個性を受け止め、可能性を広げていくことを大切にしています。

そこで生まれたのが、新しく「演じる」ことをビジネスに活用しよう!という視点。グラグリッドで多くのグラレコを描き続けてきた、小野の個性が、ひとつ花ひらいた瞬間でした。

(詳しくはこちらの『バリ合宿で演じたら、新しい道が拓けた』という記事をぜひご覧ください!)

また、他のメンバーも、それぞれの年間計画をプレゼンテーションしました。

成し遂げたいことは?
なぜ、グラグリッドで、それをやるべきなのか?
その活動で得られる効果は?
その活動に必要な予算は?
まさに、新しい事業計画に匹敵するような計画を、各々が練りに練って発表しています。

新しい商品をつくりたい!
研究成果を発表したい!
新しいチャレンジをしたい!
それぞれの発表は、まさに個性あふれるプレゼンテーションとなり、想定していた会社の姿を簡単に超えていきました。

生み出されたオリジナルサービス

中でも、大きく会社の姿を変えたのは、わたしたちのオリジナルサービスの姿でした。これまで、培ってきたノウハウをもとに、自走していくサービスを世に放つ計画をしています!

(まだ構想中なので、詳細はすこしだけ伏せておきますが、夏くらいに公開予定です。お楽しみに〜。)

成長する、リアルな組織体制が見えた!

このように、自分たちのビジョンに対し、わたしたちがやってみたいこと、やっていくべきことを描きながら、必要な組織体制、スタッフのスキルセットについても考えていきます。

どういう体制で、どんなプロジェクトをやっている?
どんなスキルセットの人を、どのくらい雇う?
想定される売上は?KPIは?
このタイミングでの組織の課題と解決するために必要な活動は?

闇雲に理想を描いていたころとは、確実に異なりました。本当に必要な人、必要な組織のカタチが見えてきたんです。

やってみたいことを、やるために。

自分たちで挑戦の道をつくることは、何物にも代えられない、かけがえのない経験です。しかし、そこには、大きな歓びといっしょに、息苦しい重圧ものしかかります。そして、その重みに負けることなく、メンバー一人ひとりの人生と向きあいながら、組織をつくっていかなければいけません。

しかし、組織の未来をつくるのは、自分たち。

自分たちがビジョンをもち、成し遂げたいという気持ちと一緒に、イキイキと働いていける組織をデザインしていく。そういったアプローチが、成長する組織をつくっていけるのだと思います。

今年は、たくさんのサプライズ構想を描いています!
これからのグラグリッドにご期待ください。

自分たちのビジョンに夢を! 自分たちの個性に開放を!

(三澤)

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