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創造的なアイデア、創造的な組織を育むビジュアライズ

ただものを作るだけではコモディティ化してしまい、売ることが難しい今の時代。
「ワークショップや会議など、話し合いをしていても、どこか閉塞感を感じてしまっている。組織やチームを変えるには、どうしたらいい?」
イノベーティブなものを生みだせる、創造的な組織に変わりたいという相談を、グラグリッドではよくいただいています。

そんなクリエイティブな組織文化に変わっていくための支援の一つとして、私達グラグリッドでは、実際にアイデアや商品をうみだしながら、組織の文化を醸成するというアプローチを行っています。

今回は、内閣官房主催の防災ワークショッププロジェクトを事例として、アプローチ方法や、私たちの関わり方をご紹介したいと思います。

アイデアとつながりを育む、2つの役割

この防災ワークショップの目標は、「災害時も日常も、支えあえるコミュニティを地域につくろう。」というものでした。

防災の活動は、ともすれば敷居が高く感じられがち。
地域での活動を広げていくにあたり、「今までなかった防災の取り組みのアイデアを考えていくこと」そして「防災に関心を持つ人、これから活動をはじめたいという人、様々な人をつなぎ、そのつながりを育んでいくこと」が求められました。

私達の役割は、大きく分けて二つ。
・全国8拠点のそれぞれの特性や想いをすくい上げ、アイデアとつながりを育んでいくためのワークショップ設計
・参加者間の話し合いやアイディア創発を促す、ビジュアルファシリテーション

プロジェクトでは、ワークショップ設計をするファシリテーターと、グループの話し合いに入るビジュアルファシリテーターでチームを編成し、全国8箇所のワークショップを実施していきました。

全国8拠点のそれぞれの特性や想いをすくい上げ、アイデアとつながりを育んでいくためのワークショップ設計

たとえば中国地域でのワークショップ。
「地域での防災活動を行っていくために、まずはどんな人が活動しているのか、どんなことを得意としているのか、互いに理解しあいたい!」
そんな地域リーダー(学生さん!)の思いから、ワークショップづくりははじまりました。

ワークショップを考えるにあたって、私達はオンラインで地域リーダーの想いや感じていることをじっくりヒアリングしていきました。
今どんな状況だと感じている?参加した人にどんな気持ちになってほしい?ワークショップを実施したいと思ったのは、どんな背景がある?
会話を積み重ねていくごとに、どんどんつくりたい場のイメージがふくらんでいきます!

地域リーダーの想いをうけて、私達は「立場が違う初対面の人同士でも、互いに強みや個性を理解し、新たな防災活動につなげていくにはどうしたら?」という視点から、特に可視化を効果的に用いるワークショップ設計支援を行いました。

参加者は、ペアインタビューの実施後、チーム内で相手のことを紹介していきます。
ビジュアルファシリテーターは、紹介された人の情報を、リアルタイムでグラフィックにまとめていきます。そして、グラフィックを足掛かりに、さらに今度はチーム内のメンバーのことをききだいていくサポートを行っていきます。

自分達の想いや活動、時には悩みや矛盾なども、グラフィックが受け止めてくれるということがわかると、参加している方の表情も和らいでいきます。
チーム内のメンバーを知っていくたびに、質問をうけて自いや活動を話すたびに、笑みはどんどん広がっていきます。

ずらっと揃ったグラフィック。
その人が大事にしていること、活動をしていること、どんどん可視化されてきました!

そこから、「〇〇さんは女性の視点からのケアが得意だから、きっと避難所での女性のサポートや、声掛けにむいていそう!」「△△さんは防災についての経験も知識も豊富だから、行動をひろげていくための講演をしてほしい!私もききにいきたい!」「踊りが得意な◇◇さん!防災の大事なポイントを学ぶための踊りをつくってほしい」など、ひとの想いや、強みが起点となった活動のアイデアがうまれていきました。

中には「そんな活動、私は思ってもなかった!でもやれると思う!」と、びっくりしつつも嬉しそうな顔で話す方も!

最終的には、ずらり!一人一人の「防災活動ポスター」が完成!
ポスターのキャッチコピーは、参加者の方たち同士で考え、描いたものです。強み、想いなど、相手への深い理解がつまったグラフィックです。

最後には、ポスターをもって、これからの自分の新しい活動の宣言を実施しました!ポスターを見て、新たに声を掛け合い、つながっていく人たちも!
活動のアイデアとともに、そこを支えるつながりがしっかりと育まれていった時間でした。

参加者間の話し合いやアイディア創発を促す、ビジュアルファシリテーション

ワークショップには地域の防災活動に携わっている方、防災士として活動されている方も多く、それぞれの知見や、地域や防災に関する想いを持って参加されていました。
そして嬉しいことに「これから活動をはじめてみたい!」という人もたくさん参加いただきました。

防災に関する想いも、経験も、それぞれ異なる、さまざまな参加者同士。
ビジュアルファシリテーターは、想いが強い人や、経験豊富な人が話しがちになりがちな状況をふまえて、「立場の違いはあるけど、全員が参加しながら話し合えるにはどうしたらいいのだろう?」を考え続けました。

東海地方で実施したワークショップでは、「外国人も多く訪れるスポーツイベントの際に、大震災がおきたら、どんな活動が必要とされるか?」を全員で考えました。

ビジュアルファシリテーターはテーブルに入り、参加者の話に耳を傾けながら、絵を用いてビジュアライズしていきます。
絵があることで、経験や想いに違いがあっても、おこりえる状況や課題が、全員で共有されていきます。そして、感じている想いも。

いま何を軸に話しているのか、一見バラバラだと思っていた話題に共通することとは何か、どのような関係なのか。
全体観を掴みながら、ビジュアルファシリテーターが話し合いを促していくと、チーム内で気づきや発見がどんどん溢れていきます。

そして、曖昧なアイデアもどんどん絵として可視化されていくことで、形として見えるようになってきます。
その結果、限られた時間内でも、参加者同士がグラフィックを中心に相手のアイデアに乗っかりあい、思ってもなかったアイデアを生み出していくことができました。

また、描かれた内容を眺めたり、言語化することで、新しい視点や切り口に気づく効果も!

描きながら育むもの

私達が描いているのは、情報や想いだけではありません。
その裏では、新しい取り組みを促すためのプロセスだったり、そのプロセスをささえるつながりも同時に描き、育んでいるのです。

アイデアも組織の文化も変えていく創造的な場をつくっていきたい時、ぜひグラグリッドの運営する、ビジュアルファシリテーションチームBRUSHにご相談ください!
クリエイティブのファシリテーションやワークショップデザイン、可視化の力で、伴走する力になりたいと思っています。




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