見出し画像

建物と人の未来を、共に育む~大学の未来を語り、描く、新校舎建設ワークショップ~

山口県下関市にある、梅光学院大学
今、2019年3月竣工を目指して、新校舎建築が進められています。

画像1

※写真は梅光学院大学サイトより引用


グラグリッドでは、学生・教職員・専門家で行った新校舎建設ワークショップでのビジュアルファシリテーションを担当しました。

新校舎建築を担当する建築家は、小堀哲夫建築設計事務所の小堀哲夫氏。小堀氏はROKI global innovation centerNICCA イノベーションセンター等を代表作に持つ、気鋭の建築家です。

このワークショップでは、建物(ハード)と同時に、そこを使う人(ソフト)も同時に育んでゆくことで、価値ある体験を創出する場づくりと、コミュニティの醸成を目指しました。
学生主体のアクティブラーニングという「新しい学び」を実現するための新校舎建築、そしてその未来の学校を、教職員・学生・専門家が共に語り合います。そして、語り合った内容からインスピレーションを得て、小堀哲夫建築設計事務所によるブラッシュアップが行われていきました!
今回は、このハードとソフト、両方を育むワークショップのビジュアライズをレポートします。

新しい学びを実現するための新校舎を、互いに学びあい、感じたことを語り合う!

第一回目のワークショップは、新校舎の設計コンセプトと、その特徴の説明からはじまりました。小堀哲夫建築設計事務所の方が、模型をもとにプレゼンテーションしていきます。

画像2

「アクティブウォール」「ジグザグ廊下」など、他にはない特徴がもりだくさん!参加者の学生・教職員の方々は、その特徴を読み解いていき、どんな風に感じたかをディスカッションしていきます。

画像3

そのディスカッションをききながら、床では同時並行でグラフィックレコーディング!

画像4

このグラフィックレコーディングを行っている紙は、実はとーーーーーーっても長いんです!(この紙は、「ロッケンロール紙」といいます)

画像5

教室いっぱいに、学生・教職員の方々の感じていることが描き出されていきます!

画像6

「いっせーのせ!」でみんなで机にのせて、再びディスカッション!

画像7

例えばこちらのフリーアドレス制についてのテーブル。「働き方が変わる」「コミュニケーションが増える」というワクワクした声もあれば、「どこまでオープンになるの?」「誰がどこにいるのか、指示系統が変わりそう」というモヤモヤの声も上がっていきました。
こうした声も一つずつ、丁寧に可視化していきます。

画像8

ディスカッション終了後には、グラフィックレコードをのせた机を囲んで、互いに感じたことを共有しあいました。
「ガラス張りの授業で、色々新しい出会いがありそう!」「ただ、その場合も障害のある学生にとっても集中して学ぶことができるように配慮が必要そうだね」など、真剣なディスカッションのトピックが飛び交います。小堀氏もとても楽しそう!

画像9

そして小堀氏からも、参加者の共有を受けて感じたことを共有します。
こうして未来の利用者である学生・教職員の方々との対話がベースとなって、新校舎の建築がブラッシュアップされていくのです!

「自分だったらどう使う?」を考えよう

第二回目のワークショップでは、「新しい校舎を、自分だったらどう楽しくここで学ぶ?」を深めていきます。

画像10

小堀氏から、前回のワークショップをうけて着想し、ブラッシュアップしたポイントが語られます。
建築模型をじっくり見た後、参加者の学生・教職員の方々は、正方形のキューブに、自分の思いを描いていきます。

画像11

私達からは、キューブに描くための簡単な絵の描き方をレクチャー。

画像12

自分なら、どう使うかな?真剣に模型を見て考えます。

画像13

キューブに描き終わったら、チームで描いたものをシェアします。
チームごとにビジュアルファシリテーターが入って、チームの話し合いを促しつつ、描いていきます。

画像14

そして全体共有!
描かれたグラフィックをもとに、各チームで話したことを全体へ伝えていきます。

画像15

その共有を受けて、さらに小堀氏からの、海外の事例をもとにした、参加者の考えを深めるインプットが続きます。

画像16

画像17

「新しい場を発見する」「学校の中に隠された価値とは?」刺激的なインプットに、参加者全員が新しい使い方を発明していきました!

画像18

思ってもなかった学校での学び方が次々とでてきて、議論はとても白熱!
毎回こうしてワークショップを重ねるたびに、新しい校舎を理解して、思ってもいなかった使い方を発明して、未来をイメージして、ワクワクが広がっていきます。

「ここで何をやりたい?」活動と空間のイメージを視覚的に共有!

第三回は、第一回・第二回のワークショップについて、グラフィックレコードを用いた振り返りから始まります。

画像19

ふりかえり後は、再び模型を囲んで、ブラッシュアップされたポイントの共有!

画像20

共有の様子が、リアルタイムでグラフィックレコードとして可視化されていきます!

画像21

この日は小堀氏からの共有の後、Cut Upというワークに入りました。
新校舎での活動と空間のイメージを、様々な紙媒体を用いて切り取り、視覚的に表現していくというワークです。

画像22

「人生変わるかもよ?」

画像23

こちらでも何かがはじまった様子!

画像24

こちらでもはじまった!Cut Upの場の空気をどんどん描きとっていきます。

個人がつくりあげたCut Upは、チームで共有していきました。
ビジュアルファシリテーターがチームに入って、チームでのストーリーに仕上げていきます!

画像25


そして作り上げたCut Upを、全体でシェア!

画像26

参加者一同、これまで自分たちが考えてきたこと、語り合ったことをじっくり眺めて、祝祭的な雰囲気に包まれながら、ワークショップを終えました。

画像27


立場を超えて、未来を語り合うということ

このワークショップでは、小堀哲夫建築設計事務所による模型を中心に、プレゼンテーション、キューブ、ビジュアルファシリテーターによるグラフィックレコードなど、様々なしかけを用いて対話が行われました。
最初は遠慮しあっていた教職員・学生とも、いつのまにか立場を超えて、皆が自分事として、未来や夢、想いを語り合っていたのです。

立場を超えて、目に見えない未来のビジョンを語り合う時に大事なのが、まさにこのような仕掛けにこめられた「可視化すること」なのだと思います。

「新しい校舎を建てる人」「新しい校舎を使う人」に分断されるのではなく、教職員、学生、そして建築家、皆が自分事として「共に新しい校舎という場を育て、人を育てていく人」だというのを共有しあった、素晴らしいワークショップでした。

最後に、こうして形になった、新校舎ムービーをご紹介します。(梅光学院大学のサイトに掲載されています!)(2020年追記)

「場」が学びを変え、「学び」が人を成長させる。
新しい時代の新しい校舎が誕生します!
2019年春、梅光学院大学では新校舎が完成する予定です。
伝統と理念を継承しながら、未来へ歩き出した建設プロジェクトの概要をご紹介します。

梅光学院大学の新校舎完成は2019年春 !
新しい校舎を見ること、新しい学びを発明していく人々と会えること、私達はとても楽しみにしています!

(和田)




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?